Adobe Substance 3D 製品 2023 年 9 月のアップデート情報

Substance 3D で作成したスピーカーとヘッドホンの画像。

この記事は 9 月に公開された Substance 3D の新機能を紹介します。9 月には、Substance 3D SamplerSubstance 3D Modeler に主要な更新が追加されました。また、Substance 3D Assets がさらに使いやすくなりました。この機会に、Substance 3D の爽快な世界に飛び込んでみませんか?

Substance 3D Sampler 4.2

Substance 3D で作成した 5 つの異なる球体の画像。

Substance 3D Sampler の 9 月のアップデートでは、画像からマテリアルを作成するワークフローが改善され、新しい AI 搭載フィルターが利用可能になりました。これらの新機能により、3D アーティストやデザイナーは、正確な PBR マテリアルの作成をより素早く行えます。

画像からマテリアルを作成

画像からマテリアルを作成する Sampler のワークフローが改善され、一枚の画像から高品質でフォトリアルな PBR マテリアルをこれまで以上に素早く作成できるようになりました。AI により強化されたこの新しいツールは、プラスチック、地面、布、木材など、さまざまなマテリアルのカテゴリに合わせて異なるアルゴリズムを使用します。その結果、高度に特化した正確な出力が得られます。そして、プロジェクトのニーズに合わせてさらに調整することもできます。

フィルタとレイヤー解像度のアップスケール

エンターテインメント業界でもデザイン業界でも、デザイナーは低解像度のソースファイルを使ってマテリアルを作成しなければならないことがあります。特に、オンラインで見つけた画像や、AI が生成した画像を使う場合には、こうしたことが起こりがちです。しかし、3D で使用するマテリアルを効果的に作成するには、細部まで再現されたシャープな画像が必要になるのが一般的です。

Sampler の新しいアップスケールフィルターを使えば、マテリアルのマップの解像度を数倍上げることが可能です。また、作成するマテリアルのディテールとシャープネスのレベルを上げることもできます。

このアップスケール機能と、マテリアルの解像度をレイヤーごとに設定できる新機能を組み合わせることにより、解像度の低い画像、あるいは生成された画像からでも、高品質でリアルなマテリアルをより簡単かつより素早く作成することができます。

Substance 3D Modeler 1.4

Substance 3D で作成したウミガメの画像。

Modeler はアプリケーションの全体的なアップデートが行われ、使いやすさ、パフォーマンス、3D パイプラインへの統合が改善されました。

VR モードでのリファレンス画像の利用

VR でモデリングする際に、リファレンス画像を使って、正確さ、インスピレーション、またはその両方を得ることができるようになりました。リクエストの多かったこの機能は、3D シーンに画像をドラッグ&ドロップして、それを参照しながら VR ワークスペース内で作業することを可能にします。画像は、コンセプトアート、インスピレーション、または 3D デザインのビジュアルガイドなどの目的に使用できます。

読み込みと書き出し機能の強化

この Modeler の最新リリースでは、読み込みと書き出し機能も強化されています。読み込みでは、インスタンス化されたメッシュが保持されるようになりました。また、書き出し時には、メッシュの分割を防ぐ UV シームのシール、クアッド書き出しでの色のサポート、全般的なパフォーマンスの向上を含む、大幅な品質向上を実現しています。

Substance 3D Assets のアップデート

デザイナーは、Creative Cloud デスクトップアプリから Substance 3D Assets ライブラリ全体にアクセスできるようになりました。

Substance 3D Assets のすべてのマテリアル、3D モデル、ライトを閲覧して、手元にダウンロードすることが可能です。アセットを選択したら、ボタンをクリックしてプルダウンリストを表示して、Substance 3D アプリケーションに直接アセットを送信することもできます。この新しいワークフローにより、ウェブブラウザを経由することなく Substance 3D Assets ライブラリにアクセスできるため、マテリアル、モデル、ライトなどの 3D アセットを検索する際に、より統合され一貫性のあるアドビ体験が提供されます。

Adobe MAX で Substance 3D を学ぶ

Substance 3D で作成されたカラフルな Adobe MAX のロゴ。

今年 10 月にロサンゼルスで開催される Adobe MAX 2023 では、Adobe Substance 3D をクリエイティブなワークフローに組み込んでいる一流のデザイナーやアドビのエキスパートからインスピレーションを得たり、新しいスキルを学ぶことができます。世界中のグラフィックデザイナー、イラストレーター、モーショングラフィックデザイナー、プロダクトデザイナーに向けた、デザインにおける 3D のパワーを引き出し、クリエイティブなキャリアを新たな高みへと導くセッションをぜひご覧ください。

Substance 3D 関連のセッションについて、詳細はこちらをご覧ください。

この記事は Substance 3D: September release news (著者: Grant Kay)の抄訳です