もう契約トラブルに悩まない!フリーランスや個人事業主のビジネスを守るAcrobat電子サイン機能

はじめまして、ライターの桑名由美です。過去にPDFの解説書を執筆した経験があり、この度Adobe Blogでも執筆することになりました。よろしくお願いします。

最近はフリーランスや個人事業主として活動する人が増えてきましたね。政府の働き方改革の影響もあって、本業とは別の仕事を副業としてチャレンジする人たちも見かけます。IT業界では、Webライティングや動画編集、Webデザインなどが人気ですが、もしかしたら皆さんの中にもすでに始めている方もいるかもしれません。

人気の業種だからこそですが、契約トラブルも増えているようです。SNS上では、「受注者との連絡が取れない」「納期を守ってほしい」といった投稿も見かけます。このような状況を考えると、やはり事前に契約をしっかりと結んでおくことが賢明と言えるでしょう。

そこで今回は、書籍の制作・販売などの事業を展開している逆旅出版の中馬さりのさんに、外注時の契約についてお話を伺いました。

さりのさんに質問!外注時のトラブルってあるの?電子契約の効果は?

──まずは、貴社の事業内容を教えてください。

書籍の企画・制作・販売といった出版業に加えて、 toB向けとしてWebメディアの運営代行やフリーペーパー・情報誌の制作を承っています。 2022年4月に法人化して出版業を始めたのですが、それまでは個人事業主として、販売ではなく制作の仕事をしていました。その当時のクライアントからは今でもご依頼をいただいています。制作にあたるメンバーは、相性が良さそうなフリーランスや個人事業主の方に声をかけてその都度依頼しています。

逆旅出版の事業内容

逆旅出版の事業内容

──フリーランスや個人事業主に仕事を依頼した際、納期を守ってくれなかったことはありましたか?

ありました。 ただ依頼内容が難しければ、想像以上に時間がかかってしまう気持ちもわかるんです。また依頼先の都合もありますが、指示内容を明確にお伝えできなかったり、納期が迫っていることを伝えきれなかったりで、こちら側にも改善の余地があったかもしれません。実際に受注側の立場になると、その大変さがわかりますよね。

──その契約書は電子ですか?

はい、先方から希望がない限りは電子契約にしています。

電子契約が使われるようになったのは最近ですよね。高校生のときに執筆業に興味を持って、はじめて「受注」というものを経験したのですが、契約書はなかったです。Webメディアへの寄稿だったのですが、今思うと、よく信頼して使ってくれたなぁと思いますね(笑)

──確かに昔は契約を交わさずに受注することが多かったですね。ちなみに契約書にはどのようなことを記載しています?

機密保持に関する内容や著作権に関する内容、支払いについてなどですね。支払条件は、案件によっては細かく記載する場合もあります。たとえばイラストレーターさんには、万が一途中でプロジェクトがなくなったとしても、どの工程まで進んでいたかによって報酬の何割かを支払う、のように。

仮にフリーランスの仲間で仕事をした場合でも、予想外のことが起きて今まで積み上げてきたものがすべて壊れてしまう可能性もありますもの。大事なことは契約書に記載した方が安心だと思います。

──電子サインにしたことでよかったことはありましたか?

メリットばかりですね。郵送や割り印などの手間がなくなるので、圧倒的に業務が効率化しますし、印紙代の節約にもなりますからね。税理士さんとの共有でも活用しています。

それと、住んでいる場所よりもセンスや技術を重視して依頼したいので、遠い所に住んでいる方や限られた時間での対応しかできない方にお声がけすることも多いんです。紙の契約書だと自分も相手も確認に時間がかかりますが、電子ならすぐにできますからね。

──そうですよね。私も昨年はじめて外注してAcrobatで電子契約を締結したのですが、最後までスムーズに仕事ができたので正解だったと思っています。反対に、電子サインで不都合なことってありますかね?

基本的にはありません。自分は必要ないと思ったとしても、受注側は「ちゃんと支払ってくれるのかな?」「本当に掲載してくれるのかな?」と心配になると思うから、相手のためにも契約は必要だと思います。

電子契約書の作成って難しい?

──電子契約書の作り方がわからない人も多いですかね?

どうですかね……そういえば、PDFの契約書を送ったのに紙に押印してくれるクライアントもいます(笑)。慣れていない場合は導入するのは厳しいかも……なので、作成となるとさらに難しそう。

──つい今までのやり方を続けてしまうってありますよね。でも一度覚えれば紙よりも楽ですし、案外簡単にできますからね。Acrobat Proには、電子サイン機能もついているので是非活用してほしいです。操作も難しくないので!ちょっとやってみましょうか。

Acrobat での電子契約書の作り方

  1. 事前にWordやGoogleドキュメントなどで契約書を作成してPDF形式で保存
  2. AcrobatでPDFを開いたら、自分と相手のメールアドレスを追加
  3. フィールドを追加する画面が表示されるのでフィールドをドラッグ
  4. 「確認して送信」をクリック

Acrobat Proの電子サイン機能 フィールドをドラッグ ▲フィールドドラッグして追加する

──この後、メールで契約書が送られてくるので、ボックスをクリックすればサインできます。

確かに他の電子サインサービスにアクセスしてファイルをアップロードしなくても、Acrobat上でそのまま送信できるっていうのはすごく便利ですね!

Acrobat Proの電子サイン機能 クリックでサイン ▲署名場所をクリックしてサインする

即レス重視の人も安心!スマホやタブレットでもサインできる!

──最近はスピードが求められる時代なので、迅速に返信することが仕事に良い影響を与えると言う人もいますが、さりのさんも即レスを意識しています?

他の方と連携を取る必要があったり、予定を決めたりするときは早めに返信しています。

若干話がそれますが、自分が外注をする時のことを考えると即レスがほしい時とそうでない時があるなと思うんです。むしろ数回の即レスより長くお付き合いしていくために良い関係を築くことを優先したいプロジェクトもありますよね。なので、早めの返信が欲しい時は「はい」か「いいえ」で応えられるように連絡したり、遅くて大丈夫な時はそれも記載したりしています。

──なるほど…記載してあげると親切ですね。仮に緊急で契約が必要な場合には、スマホやタブレットでサインできるのも電子のメリットですよね。

撮影や取材などで外出が多い人には役立ちそうです。

──サインだけならAcrobatがなくてもできますからね。相手がAcrobatを持っているか確認する必要もないです。


▲スマホでもサインできる

Acrobatが入っていないPCでも電子契約書を作れる!

──Acrobatを持っていない人も多いですかね?

私の場合は、Creative Cloudコンプリートプランを契約しているのでAcrobat Proも含まれているんですよ。今のビジネスでは、PDFは必要ですもの。Acrobatがあれば1ページだけ切り取りたいときも簡単にできますから。

──便利ですよね!動画編集やWebデザインの仕事をしている人の中には、コンプリートプランを利用している人も多いので積極的に使うとよいかも。仮にAcrobatが入っていないノートパソコンでも、Acrobatオンラインツールに電子サイン機能があるので、ブラウザ上で契約書を作れるんです。普段からAcrobatを使っていれば、いざというときにも役立ちますね。

Acrobatオンラインツール 電子サインを依頼 ▲Acrobatオンラインツールにも「電子サインを依頼」がある

──最後に一言お願いします!

個人事業主も法人経営も、事務手続きや外交活動、実務など色々な業務が発生しますが、それらの場面で周りとの連携をスムーズにしたり手助けしてくれたりする存在が契約書なのかなと思っています。電子契約・電子署名が身近になれば、契約書を交わすハードルが下がってお互いに安心して実務に集中できると思うので、これからも率先して利用していきたいですね。

A person sitting at a table with a computer Description automatically generated

──さりのさん、お忙しい中、ありがとうございました!

契約に関するトラブルは作業効率を低下させるだけでなく、裁判や賠償問題へ発展するリスクをもたらします。そのため、フリーランスや個人事業主の方は事前に契約を交わした方が安心です。ビジネスの成長のためにも、今回紹介したAcrobatの電子サイン機能をぜひ活用してください。