事務処理が終わるまで帰れない!? 話題の「経費精算カフェ」オーナーにAcrobatを体験してもらいました!

毎年、新年を迎えた頃からソワソワする人居ませんか?

具体的には個人事業主、フリーランスの方々。そうです、「確定申告」の時期ですね。例に漏れずレシート整理で泣いているわたくし、フリーライターの小暮ひさのりです。以前出会った「Adobe Acrobat」のおかげ で経理の段取りはだいぶ楽になりましたが、それでも一人で黙々と作業するのはモチベーションがあがりません。

そんな時、なんだかとても興味深い施設を発見したのです。その名も「経費精算カフェ」。

経費精算…カフェで…?

ちょっと何言ってるのかわかりませんね。でも、フリーランスにとっては「経費精算」も「カフェ」も身近な存在であり、興味をグイグイ引っ張るパワーワードであることは確か。

そこで今回は実際に経費精算カフェの門を叩き、店長であり税理士として活躍する脇田 弥輝さんに突撃取材。経費精算カフェの実態を伺うとともに、経費精算の効率化ツールとしても使えるAcrobatの機能を体験していただきました。税理士の方からフリーランスの方まで、確定申告の経費精算業務に関わる全ての方にぜひ知っておいてほしい機能が目白押しですよ!

A person standing at a counter Description automatically generated

まさにフリーランスの駆け込み寺! 経費精算カフェとは

──はじめまして。突然ですが、この経費精算カフェってどんな場所なのでしょうか?

脇田さん:ここは予約制のカフェバー型スタジオで、「原稿執筆」とか「経費精算」など様々なコンセプトの店が日替わりで営業しています。経費精算カフェは、その名の通り、訪れる人が「経費精算をする」ことを目的としたカフェ。入店時に経費精算に関する「今日やること」を宣言していただいて、「それが終わるまで帰れません!」といったコンセプトです。

──終わるまで帰れない……(ごくり)。みなさんここでどんな経費精算をしているんですか?

脇田さん:基本的にはご自身で領収書やレシートを仕分けたり、会計ソフトに入力したりしています。店頭に設置してあるスキャナーに読み込ませるだけの方もいれば、読み込ませて仕訳もするような方も。わたしは、普段は税理士の仕事をしているのですが、経費精算カフェでは店長としてカウンターに立っています。

──お客さんはフリーランスの方が多いですか?

脇田さん:フリーランスから会社を経営している方までさまざまですよ。でも1〜3月になるとやはり「確定申告」が控えてくるので、個人のフリーランスの方が多くなります。

──年度末は皆同じ憂鬱を抱えているんですね。でも、周りが共通の目的を持っていれば集中できるし、本職の税理士さんが同じ空間に居てくれるのも心強そう。

脇田さん:ある日は大量のレシートをひたすら仕分けている方を見て、周りの人も勇気づけられていました(笑)。あと、基本的にわたしから「進捗どうですか?」といった声はかけませんが、例えば「こういった職種なんですけど、これは経費になるの?」「これは何の勘定科目になるの?」といった質問や疑問にはお答えしています。

──共通の目的で集まって、質問もできる。そして環境も良い。まさに経費精算の駆け込み寺なんですね。捗りそう!

電子化進む?それとも…… 。イマドキの経費精算・会計事情

──ところで経費精算カフェに来る方は、みなさんPCでの作業が多いのでしょうか?

脇田さん:今の時代ですから、紙の帳簿ではなくPCを使っている方が多いですね。カフェでは無料でWi-Fiも電源も利用できるようになっています。

──脇田さんの税理士というお仕事も、PCワークがメインですか?

脇田さん:経費や控除証明書などお客様からお預かりするのは紙の方が多いですが、データで届く文書もありますし、会計の入力システムもPCですね。本の執筆や、セミナーの資料も作るのでPCは欠かせません。

──紙とデータ上の文書、両方を扱うのは大変そうですね。届く文書データはPDFなどですか?

脇田さん:PDFで届くものもあります。ただ、紙と同じくバラバラと届くものもあるので、Acrobatで結合して並べ替えて……と資料整理で使っています。注釈を入れたりハイライト(描画マークアップツール)を入れたりもしていますね。

──紙で届くものとPC上のデータで届くもの。どちらが扱いやすいと感じますか?

脇田さん:PCで扱えた方が情報の探しやすさはありますね。一方で内容をチェックする時は紙の方が見やすかったりするので、両方にメリットがあると思います。

ただ、Acrobatをあまり深くは使いこなせていない気がするので……。上手くすればもっと効率的にできる気もするんですよね。

業務をブーストさせる! Acrobatの便利機能を体験してもらいました

──脇田さんが察しているように、PDFをもっと便利に扱えるようになる機能がAcrobatにはたくさんあるんです。差し出がましいようで恐縮ですが、僕が使っている機能をちょっと紹介しますね!

■1.AcrobatのOCR機能で、スキャンした文書の中まで文字検索対象に

──まずAcrobatがあれば、PDF化してクラウド(Adobe Document Cloud)へ保存した文書は検索性がグンと上がるんです。キーワード検索で、どんな書類でも探せますよ。

脇田さん:Acrobatの文字検索って、ファイル名だけでなくPDF文書の中身まで検索できるんですか?

──はい。基本的にMicrosoft Office系だったりその他の文書作成ソフトで作ったドキュメントであれば、PDF文書の中身も検索できるんですが、文字認識されない場合でもAcrobatの「スキャンとOCR」機能を使えば、文字として認識・検索できるんです。また、紙からスキャンしたPDFの文字ですら、OCR処理によって検索対象にできるので、紙で届いた資料をPDFで保存するだけで検索・編集力が上がります。

脇田さん:もしかしてすべてのPDF書類からキーワードを含むファイルを見つけ出すことも?

──もちろんOKです。クラウドストレージ内を横断検索できます。例えば、「あの日の高円寺のカフェの経費を出したい……」となったときでも、検索欄に「高円寺」と入力すれば、該当するPDFをすぐに見つけられます。

■2.スキャナ要らず。「Adobe Scan」アプリならレシートも撮るだけでPDF化

──同じくOCR処理が強力な、「Adobe Scan」という無料のスマートフォン用アプリもあります。こちらはPCやスキャナを使わずにスマートフォンのカメラからスキャンしてPDF化して、OCR処理までしてくれるのが強み。

A person holding a cell phone Description automatically generated

脇田さん:今パシャパシャと撮っただけなんですが……キレイに補正されましたね! これどこに保存されるんですか?

──クラウド上に自動保存されます。例えば外仕事などでは、レシートをもらったそばからクラウドにポンポンと文字検索可能なPDFとして送れるんです。

脇田さん:これなら空き時間にカフェとかでもスキャンしたり、見直したりもできますね。どこでもできるって手軽さは絶対に便利。

あと、レシートは税法上7年間保存となっているんですが、感熱紙の古いレシートって読めなくなっていたり……しますよね。そういう意味では、これからはこうしてPDFのデータとしても保存するっていうのも、やっぱり必要にはなるのかなと思いますね。

■3.PDF共有で、共同で編集。コメントを残せる、編集できる

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──例えば、顧客やパートナーと会計内容の確認ってありますか?

脇田さん:ありますね。新規のお客様だと「これなんですか?」って、やはり聞かないと何がなんだかわからないので……。

──なるほど。だとしたらAcrobatの共有機能もおすすめです。クラウド上のPDFを特定のユーザーと共有できるので、書類上で疑問ができたら、ハイライトを引いて、コメントでやり取りすることもできます。

脇田さん:これならメールや表で何度もやり取りせずとも、その場で解決できて話が早そう。でも、共有する相手がAcrobat使っているとは限らないですもんね……?

──実は、共有される側はAcrobatへのログインは不要なので、アプリがインストールされていなくても大丈夫なんです。メール等で共有されたURLを開くことで、ブラウザ上から文書を確認できますし、コメントへの返信や注釈を追加することもできます。

脇田さん:相手がAcrobatユーザーかどうかは関係ないんですね! 税理士さんの中でも、こうしたツール活用を知らない人も多いと思います……。

■4.Acrobatのサブスクリプションで、電子サインも格安に!

──もし電子契約書を使っているなら、知ってほしいのが電子サインです。利用されていますか?

脇田さん:多くはありませんが機会はありますね。契約書の金額が大きい場合、電子契約じゃないと印紙税がかかってしまうので、ここは電子契約の方がメリット大きいですね。

──電子サイン機能を使えば、Wordで作った契約書にAcrobatで電子サインの署名ボックスを追加できます。もちろん、国内外すべての法律に準拠した電子証明が入っていますし、契約書を受け取る側は、Acrobatユーザーじゃなくても問題ありません。

また、先方から署名が無いと、リマインドを送ったりもしてくれますし、どこで止まっているかを知ることができるのもメリットですね。

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脇田さん: Acrobatって「編集」のイメージがあって、その用途だけに使っていたんですが、検索やアプリや署名まで。本当に色々なことに使えたんですね。

電子データと紙はこれからも共存。経費精算は続く

電子マネーやマイナンバーやインボイス制度がスタート。また、今年から電子帳簿保存法の改正が施行されています。しかし、脇田さんによると、すべての領収書に電子化の義務があるわけではないとのこと。

脇田さん:実は、紙でもらった領収書はそのまま紙で保存できるんです。紙を捨てたい人も多いと思うので、緩やかに電子化の流れも進んでいくはずですが、負担になりすぎない範囲で紙と共存していくと思います。

……というわけで、フリーランスにとって、まだしばらくは紙でもらったレシートや領収書を仕分けて精算するフローは続きそう。

会計ソフトなどで本格的に……も良いと思いますが、まずはコストをあまりかけずにスモールスケールで挑むのもあり。ビジネスで必携となっている「Acrobat」や「Adobe Scan」は、高い検索性や手軽なスキャン機能などで確定申告の段取りとしても便利なツールなので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

■今回取材にご協力いただいた「高円寺三角地帯・経費精算カフェ」
<アクセス>
〒166-0002
東京都東京都杉並区高円寺北2-1-24 村田ビル1階
JR高円寺駅から徒歩5分、中央線の高架と環七の交差点「高円寺駅入り口」の角ビル1階
経費精算カフェの営業日は不定期月1〜2回(19時〜22時)ほど※要予約。
詳しい営業予定はBlogにて