【初級】#12 ニューラルフィルターで印象的な表現を作ろう|初心者のための「本当はむずかしくない」はじめてのPhotoshop
第12回は、バナーデザインの模写を通してPhotoshopの「ニューラルフィルターを使った印象的な表現」について学びます。
Photoshopの基本的な操作については、第1回の記事「【初級】バナーの模写でPhotoshopをマスター」をご覧ください。ファイルの作成から文字の入力、制作したデータの書き出しまで解説しています。
今回の記事で模写するバナーデザイン
今回は「アウトドアメディアの特集記事」のバナーデザインを模写します。背景全体に画像を配置して、被写体の周囲に文字を置きます。また、写真の被写体にピントを合わせて「周囲をぼかす処理」をニューラルフィルターで行っています。
次の画像を右クリックメニューから保存してください。
今回模写するバナーデザイン
使用している写真素材は、以下のAdobe Stock無料素材からダウンロードをお願いします。
- キャンプ 焚火をする男性:https://stock.adobe.com/jp/308908216
ソロキャンプをする男性のイメージ写真
目次
- 新規ドキュメントの作成と模写用バナーの配置
- ニューラルフィルターの深度ぼかし
- 画像の配置
- 文字の入力と加工
- ファイルの保存と画像の書き出し
- 別パターンの模写にチャレンジ
- まとめ
新規ドキュメントの作成と模写用バナーの配置
Photoshopを起動したら、まずは新規ドキュメントを作成して模写用のバナーデザインを配置します。一連の手順は、第1回の記事「【初級】バナーの模写でPhotoshopをマスター」をご覧ください。
模写の準備が整った状態
また、選択状態のレイヤーを判別しやすいように「バウンディングボックス」と呼ばれる四角形の境界を表示します。
[移動ツール]を選択するとオプションバーに[バウンディングボックスを表示]の項目が表示されるので、チェックします。
ニューラルフィルターの深度ぼかし
画像にコピースペース(=文字を配置できる空間)を確保すると、画像に重ねた文字がより分かりやすくなります。コピースペースは被写体の周囲に余白を設けるだけでなく、画像のピントをぼかす手法もあります。
「深度ぼかし」を活用することで、被写体の周囲を効果的にぼかすことが可能です。
比較すると、加工後の画像では奥と手前がぼけ、被写体だけがクリアに映ります。
これにより、被写体が際立ち、周囲のぼけた領域をコピースペース(=文字を配置できる空間)として利用できます。
[ファイル]メニューから[開く]を選択して、ダウンロードした画像を開きます。
画像を開いた状態
[フィルター]メニューから[ニューラルフィルター]を選択します。
パネル内の[深度ぼかし]にあるトグルボタンをクリックしてONにします。
深度ぼかしがダウンロードされていない場合は、雲のマークをクリックします。
「デバイスで処理中」と表示され、処理が実行されます。パソコンのスペックによって、完了までに時間がかかる場合があります。
処理が完了したらパネル内の[被写体にフォーカス]にチェックを入れます。
再度、処理が実行され、完了すると画像の奥と手前がぼけた状態に加工されます。
深度ぼかしの処理が完了した状態
これで画像の加工は完了です。[ファイル]メニューから[保存]を選択して、表示されたダイアログボックスの[画質]を[12]に指定し、OKで確定します。
画像の配置
模写用のPSDファイルへ戻り[ファイル]メニューから[リンクを配置]を選択して、加工を行った画像を配置します。
縦横比が固定された状態で変形を行えるように、オプションバーの[縦横比を固定]がONになっているかを確認しましょう。
画像のサイズはバウンディングボックスのハンドルをドラッグして[幅:450px][高さ:300px]に指定します。
位置は[プロパティ]パネルの変形に[X:-50px][Y:0px]を入力します。
画像の配置が完了した状態
また、文字の配置が行いやすいように、配置した画像のレイヤーは目のアイコンをクリックして、いったん非表示にします。
文字の入力と加工
欧文フォントには「URW DIN」のDemiを使用します。Adobe Fontsのこちらのリンクへアクセスして[ファミリーを追加]をクリックしてください。
[横書き文字ツール]を選択して、フォントは[URW DIN]、ウェイトは[Demi]、サイズは[40px]を指定します。
アートボードをクリックして「OUTDOOR LIFE」と「Vol.12」を入力します。
入力が完了したら、非表示にしていた画像レイヤーを表示します。
背景の画像との兼ね合いで、赤い円で囲んだ箇所の可読性が低く、読みづらい印象です。
背景画像との兼ね合いで文字の可読性が低い場合、レイヤー効果の「光彩(外側)」を使うと可読性が上がります。文字が明るい場合は黒い光彩を付けることで、文字の輪郭がはっきりと際立ちます。
テキストレイヤーを右クリックして[メニュー]から[レイヤー効果]を選択します。
レイヤースタイルパネルが表示されるので、[光彩]を選択します。カラーを[#000000(黒)]、サイズを[10px]に指定し、[OK]で確定します。
また、レイヤー効果は[option(Alt)キー]+[ドラッグ]で、別のレイヤーに効果を複製できます。
最後に「冬にはじめるソロキャンプのすすめ」のテキストを入力します。
[縦書き文字ツール]を選択して、フォントは[小塚ゴシック Pr6N]、ウェイトは[M]、サイズは[18px]で入力します。
模写が完了した状態
ファイルの保存と画像の書き出し
お疲れ様でした! これで今回のバナーデザインの模写は完了です!
ファイルの保存と、作成した画像の書き出しを行いましょう。書き出し方法は、第1回の記事をご覧ください。
別パターンのデザイン模写にチャレンジ
別の写真を使って別パターンのバナーデザインを用意しました。
- キャンプでコーヒーを飲む:https://stock.adobe.com/jp/503216882
写真が明るいので、光彩(外側)の量を調整して、文字の可読性に注意してください。
また、模写が完成したバナーデザインは「#はじめてのPhotoshop」のハッシュタグを付けて、SNSでシェアしてみましょう!
まとめ
今回はニューラルフィルターの「深度ぼかし」で印象的な表現を作る方法について解説しました。
- 被写体の周囲をぼかすことで、印象的な表現が行える
- ぼかしたエリアはコピースペース(=文字を配置できる空間)として活用しやすい
- 文字の可読性が低い場合には、[光彩(外側)]効果が有効
今回で、初心者のための「本当はむずかしくない」はじめてのPhotoshopは連載終了です。
全12回ありますので、まだ読んでいない記事がある方は、ぜひバナーデザインの模写にチャレンジしてください。
これからもPhotoshopを使って、クリエイティブの制作を楽しみましょう!