【初級】#9 Camera Rawフィルターで写真を補正しよう|初心者のための「本当はむずかしくない」はじめてのPhotoshop
第9回は、バナーデザインの模写を通してPhotoshopの「Camera Rawフィルター」について学びます。
Photoshopの基本的な操作については、第1回の記事「【初級】バナーの模写でPhotoshopをマスター」をご覧ください。ファイルの作成から文字の入力、制作したデータの書き出しまで解説しています。
※今回の記事では、以下のバージョンのPhotoshopとCamera Rawを使用しています。
- Photoshop:25.0.0
- Camera Raw:15.5.1
今回の記事で模写するバナーデザイン
今回は「インテリアショップ」のバナーデザインを模写します。お洒落な室内の写真を大きく使って家具の魅力を伝えます。
次の画像を右クリックメニューから保存してください。
今回模写するバナーデザイン
使用している写真素材は、以下のAdobe Stock無料素材からダウンロードをお願いします。
- Beautiful living room in modern flat:https://stock.adobe.com/jp/253367885
お洒落なリビングの写真
目次
- 新規ドキュメントの作成と模写用バナーの配置
- 写真のゆがみを修正
- 写真の明るさを補正
- 写真と文字と図形の配置
- ファイルの保存と画像の書き出し
- 別パターンのデザイン模写にチャレンジ
- まとめ
新規ドキュメントの作成と模写用バナーの配置
Photoshopを起動したら、まずは新規ドキュメントを作成して模写用のバナーデザインを配置します。一連の手順は、第1回の記事「【初級】バナーの模写でPhotoshopをマスター」をご覧ください。
模写の準備が整った状態
また、選択状態のレイヤーを判別しやすいように「バウンディングボックス」と呼ばれる四角形の境界を表示します。
[移動ツール]を選択するとオプションバーに[バウンディングボックスを表示]の項目が表示されるので、チェックします。
写真のゆがみを修正
写真の中央部分は縦方向の線が垂直ですが、両端に行くほど線が左右に開いています。
縦方向の線を垂直に揃えることで、ゆがみを消し、きれいな仕上がりに整えるとき、Camera Rawフィルターを利用(活用)します。
写真のゆがみを修正した状態
[ファイル]メニューから[開く]を選択して、修正する写真ファイルを開きます。
写真の修正を繰り返すと劣化する場合があります。
例えば、画像を縮小した後、元のサイズに戻すと画像がぼやけてしまいます。しかし、[スマートオブジェクト]に変換することで、オリジナルのデータを保ったまま、何度でも画像の修正を行うことができます。
[背景レイヤー]を右クリックすると表示されるメニューから[スマートオブジェクトに変換]を選択します。
スマートオブジェクトに変換すると、レイヤーサムネールにアイコンが表示されます。
レイヤーにスマートオブジェクトが適用された状態
[フィルター]メニューから[Camera Rawフィルター]を選択します。
[Camera Rawフィルター]ダイアログボックスが開くので、[ジオメトリ]カテゴリを開きます。
[Upright]の[垂直]オプションをクリックします。
仕上がりに問題がなければ、[OK]をクリックして、Camera Rawフィルターを終了します。
これで写真の縦方向の線が垂直に整列できました。
写真の縦方向の線が垂直に整列した状態
写真の明るさを補正
室内写真は明るさが足りず暗い印象になる場合が多く、明るさの補正が必要なケースが多いです。
明るさの調整は「調整レイヤー」、または「Camera Rawフィルター」で行えます。
調整レイヤーは、レイヤーマスクを使って写真の部分的な調整が可能です。写真をより詳細に補正したい場合、調整レイヤーが便利です。
Camera Rawフィルターはひとつの画面で露光量やコントラストなど、さまざまな補正が行えます。
今回はCamera Rawフィルターの基本補正を使って補正を行います。
一度設定を行ったCamera Rawフィルターは、[レイヤーパネル]の[Camera Rawフィルター]をダブルクリックして開けます。
[Camera Rawフィルター]ダイアログボックスが開くので、[基本補正]カテゴリを開きます。
以下の値を入力して[OK]で確定します。
- 露光量:+0.40
- ハイライト:-30
- シャドウ:+30
露光量を調整して、写真全体を明るくしました。この際、カーテンなど写真の明るい部分が過度に白くならないように、ハイライトを減少させています。
さらに、シャドウを増加させて、写真の右下の暗い領域を明るく調整しました。
写真の明るさを補正した状態
補正前と後を比較すると、明るく美しい印象に仕上がったことがわかります。
写真と文字と図形の配置
写真の調整が完了したので、模写用のファイルに配置しましょう。
[ファイル]メニューから[リンクを配置]を選択して、調整を行ったpsdファイルを配置します。
補正済みのpsdファイルを配置した状態
写真はトリミングを行うことで、不要なものを隠したり、部屋を広く見せることができます。
トリミング前は、ソファのクッションが目立っていますが、カットすることでテーブルやテレビ台に目がとまります。
また、窓の片側をカットすることで、室内を広く感じさせる効果もあります。
今回は写真のサイズを[幅:369px][高さ:246px]に指定して、アートボードの右上を起点に配置しています。
変形の操作中、オプションバーに表示される[縦横比を固定]をONにすると、縦横比が固定された状態で変形が行えます。
写真をトリミングして配置した状態
今回使用しているフォントは「小塚ゴシック Pr6N」のボールドとレギュラーです。
文字の背後にはグレーとブラックのシェイプを敷いて、文字の可読性を確保しています。
詳細な手順については、以下の記事を参照してください。
模写が完了した状態
ファイルの保存と画像の書き出し
お疲れ様でした! これで今回のバナーデザインの模写は完了です!
ファイルの保存と、作成した画像の書き出しを行いましょう。書き出し方法は、第1回の記事をご覧ください。
別パターンのデザイン模写にチャレンジ
別の写真を使って別パターンのバナーデザインを用意しました。
- sofa with cushions at cozy home living room:https://stock.adobe.com/jp/479731229
写真の縦方向の線を垂直に合わせて、明るさの補正やトリミング位置に気をつけながら作成してください。
また、模写が完成したバナーデザインは「#はじめてのPhotoshop」のハッシュタグを付けて、SNSでシェアしてみましょう!
まとめ
今回はCamera Rawフィルターを使った写真補正について解説しました。
- 「スマートオブジェクト」に変換すると、画像を劣化させずに何度でも調整が行える
- 「Camera Rawフィルター」で写真のゆがみを調整したり、明るさの補正ができる
- 不要なものや窓の片側をカットして、写真で伝えたい点を強調するトリミングを行う
次回は、ベベルとエンボスを使ったぷるぷる質感の文字の作り方について解説する予定です。