【初級】#10 ぷるぷる質感の文字を作ろう|初心者のための「本当はむずかしくない」はじめてのPhotoshop
第10回は、バナーデザインの模写を通してPhotoshopの「ぷるぷる質感の文字の作り方」について学びます。
Photoshopの基本的な操作については、第1回の記事「【初級】バナーの模写でPhotoshopをマスター」をご覧ください。ファイルの作成から文字の入力、制作したデータの書き出しまで解説しています。
今回の記事で模写するバナーデザイン
今回は「新発売の洗顔ソープ」のバナーデザインを模写します。「美肌洗顔」の文字がぷるぷるとした質感で、お肌に優しいイメージが伝わります。
次の画像を右クリックメニューから保存してください。
今回模写するバナーデザイン
使用している写真素材は、以下のAdobe Stock無料素材からダウンロードをお願いします。
- Cream, pink and white background:https://stock.adobe.com/jp/356650527
洗顔ソープのイメージ写真
目次
- 新規ドキュメントの作成と模写用バナーの配置
- 文字の加工
- 文字と図形の配置
- 背景画像の配置
- 美しい配色の割合
- ファイルの保存と画像の書き出し
- 別パターンの模写にチャレンジ
- まとめ
新規ドキュメントの作成と模写用バナーの配置
Photoshopを起動したら、まずは新規ドキュメントを作成して模写用のバナーデザインを配置します。一連の手順は、第1回の記事「【初級】バナーの模写でPhotoshopをマスター」をご覧ください。
模写の準備が整った状態
また、選択状態のレイヤーを判別しやすいように「バウンディングボックス」と呼ばれる四角形の境界を表示します。
[移動ツール]を選択するとオプションバーに[バウンディングボックスを表示]の項目が表示されるので、チェックします。
文字の加工
「美肌洗顔」の文字は、レイヤースタイルの「ベベルとエンボス」を使って滑らかな質感を与えています。ハイライトとシャドウを組み合わせることで立体を表現しています。
[横書き文字ツール]で「美肌洗顔」を入力します。各値は以下のとおりです。
- フォント:小塚明朝 Pr6N ボールド
- フォントサイズ:100px
- カラー:#00a0e9
文字に斜体が掛かっているので[ウィンドウ]メニューから[文字]を選び、[文字]パネルの下部にある[斜体]を選択します。
加工前の文字が配置できました。
加工前の文字を配置した状態
続いて「ベベルとエンボス」を使って、立体的な質感を与えます。
「美肌」のレイヤーを選択した状態で[レイヤー]メニューから[レイヤースタイル]→[ベベルとエンボス]を選択します。
ベベルとエンボスの[構造]と[陰影]に、以下の値を入力します。
構造
- スタイル:ベベル(内側)
- テクニック:滑らかに
- 深さ:100%
- 方向:上へ
- サイズ:10px
- ソフト:0px
陰影
- 角度:90°
- 包括光源を使用:チェック無し
- 高度:30°
- 光沢輪郭:線形
- アンチエイリアス:チェック有り
- ハイライトのモード(描画モード):通常
- ハイライトのモード(カラー):#ffffff
- ハイライトのモード(不透明度):100%
- シャドウのモード(描画モード):乗算
- シャドウのモード(カラー):#00a0e9
- シャドウのモード(不透明度):30%
「美肌」の文字に陰影が付き、立体的な質感が与えられました。
ベベルとエンボスで加工した状態
文字にベベルとエンボスを適用する際のポイントは、各項目を少しずつ調整して、表現したい印象に近づけることです。
例えば[深さ]の数値を段階的に上げると、固そうな質感に変化します。
また、自然に仕上げるポイントは[シャドウのモード]の調整です。
[描画モード:通常]の状態で[カラー:黒]にすると、影の部分が強調されてやや不自然な印象を与える可能性があります。
[描画モード:乗算]は色を掛け算(乗算)するので、色は暗くなります。文字色と同じ色を[カラー]に指定することで、自然な陰影を表現できます。
また、[不透明度]を下げることで、文字をより背景に馴染ませる効果があります。
「美肌」のレイヤースタイルを「洗顔」にコピーします。
[レイヤー]パネルの[レイヤースタイル]部分をoption(Alt)+ドラッグでレイヤースタイルがコピーできます。
「美肌洗顔」の模写が完了した状態
文字と図形の配置
残りの文字と図形を配置します。
縦書きの方法や図形の作成は、以下の記事を参照してください。
文字と図形をすべて配置した状態
背景画像の配置
Adobe Stockからダウンロードした画像を背景に配置します。
[ファイル]メニューから[リンクを配置]をクリックして、画像ファイルを配置します。
オプションバーに表示される[縦横比を固定]をONにすると、縦横比が固定された状態で変形が行えます。
画像のサイズを[幅:450px][高さ:300px]に指定して[○]で確定します。
[移動ツール]で画像レイヤーを選択して、[オプションバー]の[水平方向中央揃え]をクリックして、アートボードの左右中央揃えで配置します。
[レイヤー]パネルで配置した画像レイヤーを、下絵のひとつ上に移動します。
美しい配色の割合
Adobe Stockからダウンロードした画像を背景に配置します。
配色には美しいとされる面積の割合があり、それぞれ以下の割合で配色するとバランス良く仕上がります。
- ベースカラー:70%
- メインカラー:25%
- アクセントカラー:5%
ベースカラーは背景色として、メインカラーは文字色として使用することで、割合の調整がしやすくなります。また、アクセントカラーは目立たせたい箇所に、全体の約5%の面積を目安に配色すると引き立ちます。
模写が完了した状態
ファイルの保存と画像の書き出し
お疲れ様でした! これで今回のバナーデザインの模写は完了です!
ファイルの保存と、作成した画像の書き出しを行いましょう。書き出し方法は、第1回の記事をご覧ください。
別パターンのデザイン模写にチャレンジ
同じ素材を使って別パターンのバナーデザインを用意しました。
ベベルとエンボスの[構造]の値を変化させ、爽快さが伝わるように固めの印象に仕上げています。
また、模写が完成したバナーデザインは「#はじめてのPhotoshop」のハッシュタグを付けて、SNSでシェアしてみましょう!
まとめ
今回はベベルとエンボスを使った文字の加工について解説しました。
- ベベルとエンボスは[深さ]の数値で質感の印象が変わる
- [シャドウのモード]は[描画モード:乗算][カラー:文字色と同色]を指定すると印象が自然になる
- 美しい配色の割合は「ベースカラー:70%」「メインカラー:25%」「アクセントカラー:5%」
次回は、ゆがみツールを使った笑顔の作り方について解説する予定です。