アドビ基本利用条件のアップデートに関して
アドビは最近、基本利用条件の再承諾をユーザーの方々に促したところ、その規約とそれがお客様にどのような意味を持つかについて、懸念を抱かせてしまいました。当社として、これを基本利用条件の文言に反映し、またコミュニティからいただいた懸念に対し、より明快に回答する機会としたいと考えます。
アドビからは、基本利用条件の変更点をアップデートしたものを2024年6月18日までにロールアウトする計画と共に、向こう数日間のうちにお客様にお話しします。
アドビには、当社のスタンス、お客様に対するコミットメント、そしてこの分野における責任あるイノベーションに曖昧さはありません。アドビは、お客様のコンテンツを使って生成AIをトレーニングしたり、お客様の作品に対して所有権(オーナーシップ)を主張したり、法的要件を超えてお客様のコンテンツへのアクセスを許可したことはありません。また、最新の基本利用条件のアップデートでこれらのいかなる項目についても言及しておりません。その一方で、当社のコミュニティに対するコミットメントを反映させるために基本利用条件をアップデートする必要があると認識しております。
来週、基本利用条件をアップデートする際に、私たちが明確にする予定の重要な部分をいくつかご紹介しますので、ご一読いただければ幸いです。
基本利用条件の重要ポイント:
- お客様のコンテンツはお客様に帰属します。 お客様のコンテンツはお客様のものであり、いかなる生成AIツールのトレーニングにも使用されることはありません。アドビのサービスを運用するためにアドビに許諾されるライセンスによって、お客様の所有権が置き換えられるものではないことを、ライセンス許諾のセクションで明確にします。
- アドビは、お客様のコンテンツで生成AIをトレーニングすることはありません。 このことがアドビの法的義務であることを明確にするため、この文言を利用基本条件に追加します。Adobe Fireflyは許諾を得たライセンス取得済みのコンテンツのデータセットからのみ学習をおこないます。Adobe Stock、著作権の失効したパブリックドメインコンテンツなどです。
- お客様には、アドビの製品改善プログラムに参加しない選択肢があります。 アドビは、機械学習(生成AIではない)などのテクノロジーを活用して、お客様の製品体験を向上させ、マスキングや「背景を削除」などの機能を開発するために、利用データとコンテンツの特性を使用することがあります。お客様は常に、アドビのデスクトップ製品を改善するためのこの取り組みからオプトアウトすることが可能です。
- お客様に代わって、アドビが行なう製品の運用および改善のためのライセンスは、必要な活動のみに限定されます。 お客様に代わってアドビ製品が作動するために必要なライセンスは、法令で定められた標準的な著作権を守り、今後はその意味と必要な理由を分かりやすく例示します。また、アドビ製品の改良に必要なライセンスを分離してさらに制限し、オプトアウト・オプションをより分かりやすく提示します。これらのライセンス許諾は、いかなる場合においても、お客様のコンテンツの所有権(オーナーシップ)をアドビに譲渡するものではないことを再度明記します。
- アドビが、お客様のコンピューター上でローカルに保存されているコンテンツをスキャンすることは一切ありません。 お客様がアドビのサーバーにアップロードするコンテンツについては、コンテンツをホストする他のプラットフォームと同様に、アドビは、お客様が当社のサービスにアップロードするコンテンツを自動的にスキャンし、当社が児童性的虐待素材(CSAM)をホストしていないことを確認します。自動化されたシステムで問題があると判断された場合、手動で調査を行ないます。人の手によってお客様のコンテンツを確認するその他のケースは、外部に公開されたサイトに掲載されている場合にお客様の要請に基づいて(サポートリクエストごとに)行なうとき、または法令を遵守するための場合です。
最後に、ここ数日間、多くのお客様とお話ししてわかったことをお伝えしたいと思います。
- 第一に、もっと早くに利用基本条件を見直すべきでした。テクノロジーの進化に伴い、私たちは法的な用語についても進化させ、日常業務だけでなく、法的要件を積極的に絞り込んでよりわかりやすい言葉で説明するよう、ポリシーや慣行を再考しなければならないと考えます。
- 第二に、クリエイターのためにコンテンツをホストするプラットフォームとして、アドビはクリエイターが今日直面する課題を基本利用条件に反映する機会と捉えます。
自分のデータがどのように使用され、どのように生成AIモデルが学習するのかについてお客様が不安を抱く世界では、お客様のデータやコンテンツをホストする企業の責任として、単に公開するだけでなく、法的拘束力のある基本利用条件でその方針を明確に宣言する必要があります。
来週公開予定の基本利用条件のアップデートは、より正確で、現在および将来的に必要であるとわかっている活動のみに限定し、お客様に基本利用条件の意味とその理由が伝わるよう、より平易な言葉と例を使用します。
基本利用条件の他にも、コンテンツ・クレデンシャル(クリエイターへの帰属表示、コンテンツの来歴表示、オンラインで共有される画像に「DO NOT TRAIN」タグの追加を可能にする)や、コンテンツ・クリエイターをなりすましから保護するFAIR法のような取り組みを進めるなど、この新しい時代にお客様を保護する方法を革新し続けることをお約束します。
信頼は勝ち得なければならないと認識しております。皆様からのフィードバックに感謝し、今週、アドビのコミュニティを通じて多くのお客様とつながり、アドビのアプローチと今回の変更について話し合い、今後、クリエイターから信頼されるパートナーになることに尽力します。そのために、たゆまぬ努力を続けてまいります。
※この記事は2024年6月10日(米国時間)に公開されたUpdating Adobe’s Terms of Useを抄訳し一部ローカライズしたものです。