Adobe主催イベント「Make it」の舞台裏に潜入!イベントスタッフが重宝するAcrobatとは?

法人企業のお客様向けグローバルのクリエイティブイベント「Make it.」。2024年2月から世界各国で開催されてきた本イベントですが、日本でも5月に東京、6月に大阪と2か所で開催されました。

クリエイティブプロフェッショナルの方だけでなく、企業における、クリエイティブに関わるすべての方にAI時代におけるAdobeのアプローチ、最新情報や事例、ツールに触れられる場とあって各方面から大きな注目を集めていました。が、ここに興味深い情報がもうひとつ。

聞くところによると、運営スタッフはAdobeのPDF編集・管理ツール「Acrobat」をイベント設営に活用しているというのです。Acrobatといえば、デスクワークで使うイメージが強いですが、それがどうやってイベントに活用されているのでしょうか?

そこで今回は、ガジェットや最新テクノロジーに夢中なライター・小暮が東京開催の後日行われた「Make it. Osaka」の裏側、設営スタッフの1日に張り込んでみることにしました!

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ーー「Make it.」とは?

法人企業のお客様を対象にしたグローバルのクリエイティブイベント。Adobeの経営陣やリーダーシップを発揮する著名クリエイターとのトークセッション、ユーザー間の交流会を通じて、Adobeのビジネスにおけるクリエイティビティ、その最新のビジョンを発信。日本での「Make it.」では生成AIが大きなテーマとなった。

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Acrobatはどのように使われている? 設営スタッフの1日

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当日の現場チェックからAcrobatが大活躍

6月12日午前10時、会場となるGORILLA HALL。「Make it. Osaka」開場時刻まで4時間の余裕があれど、周囲は緊張した空気。会場スタッフが粛々と開場準備を進行中でした。

どこでAcrobatが使われているかはすぐにピンと来ました。多くのスタッフが、タブレットを携帯しているのです。ははぁん、これだな。

聞いたところ、やはりビンゴ。本イベントの資料はほぼすべてAcrobat上のPDFで管理されているそうで、スタッフの当日の動き、イベント進行、説明に必要な資料もすべて各々のタブレットからチェックできるようになっているのだとか!

確かにこれほど大きなイベントとなれば、扱う資料もたくさん。さらにスタッフ用の内々の資料に加えて来場者への案内資料なども混ざってくるでしょう。そんな状況下で、膨大な資料をひとつのタブレットに集約できるのは確かに便利。荷物もかさばりませんし、紙の削減にも繋がって合理的ですよね。

そうして受付チームに目をやると……、何やらタブレットにスタイラスペンで書き込んでいる様子を目撃。画面を覗くと、受付に関する大事なご案内にラインを追加しているところでした。


AcrobatならスタイラスペンでPDFに直接手書きのメモを書くことも可能

Acrobatでは描画ツールも搭載しているため、こうして大事なポイントを目立たせたり、手書きでメモや図版を加えたりといったように、デジタル化された資料に直接書き込むことができるんですね。

この直感的な操作感は、紙の自由度とデジタルの使い勝手を両立していると言えます。いや、どちらかといえば、1本のスタイラスペンで複数のペンツール・色を切り替えることができるAcrobatの方が優れているかもしれません。

そして受付のお隣では、登壇者のネームタグを準備中。

資料の中から登壇者の来場スケジュール表を確認し、スムーズにタグをお渡しできるように整理しておくのだとか。

でも膨大な資料の中から素早く目当ての情報を探し出すのって地味に大変な作業ですよね。紙なら1枚1枚めくって確認しなければならないし、PDFや画像ファイルでも何十回とスクロールしなければならなかったり……。

人, テーブル, 屋内, 座る が含まれている画像 自動的に生成された説明
目当ての資料をすぐに取り出せる検索力はさすが

ところがスタッフは、AcrobatのPDFファイル内の「キーワード検索」を駆使し、瞬時に来賓者リストを呼び出していました。OCR機能で文書をテキストとして認識しているAcrobatだからこそなせる技。本当にさまざまな動きが無駄なくスピーディーです。

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SNS投稿で回せるガチャガチャマシーン。Adobe社員とお話いただいたり、SNS投稿でステキなお土産がもらえます

そんな使い方もOKなんだ! Acrobatの意外な側面

14時、イベント会場がついに開場。ぞくぞくと来場者がやってきて、現場も賑わってきました。会場には来場者が楽しめるイベントも用意されており、例えば写真のようなガチャガチャコーナー。驚いたのはここにもAcrobatが使われているところ。

資料のPDFには案内フローに加えて、手書きで時間と来場者、ガチャガチャを回した回数などの集計メモが書かれていたのです。

テーブル, 人, 座る, 切る が含まれている画像 自動的に生成された説明
資料の端も立派な集計スペース

……その辺は紙でもいいのでは? と思わず聞いてしまったのですが、返ってきた答えが、

・紙だと余白が足りなかったら別のメモ用紙に書かないといけない。Acrobatはどのページにでも手書きメモが残せるし、メモページを新たに追加しても1つの資料にまとめておけるから使い勝手がいい

・紙だと情報の保管と共有が手間だけど、デジタルなら紛失しません。しかも、資料に直接書いておけば、次回にデータが残せるので有益

さすがAdobeのイベントスタッフなだけあって、Acrobat慣れがすごい。しかし改めて言われると確かに合理的。

イベント資料はその日使うだけでなく、後日見返したり次のイベントのためのたたき台になります。ならば、必要な情報、気になったことは資料の中に直接メモ。これが手軽かつ、情報の運用において最も効率的な方法なのかもなぁ……。と、納得させられてしまいました。

イベント直前まで内容をブラッシュアップ。Acrobatなら修正・変更にもすばやく対応!

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急な変更にもAcrobatでスピーディーに対応!

間もなくステージでイベントのプログラムが始まる時間ですが、バックヤードではなにやら慌ただしい雰囲気。イベントにはよくありますが、急遽資料の変更が発生したようです。時間が迫る中、最後までベストを尽くすスタッフの姿勢が垣間見えた瞬間ですが、急いで資料の更新と、司会の台本を調整しないとならないとのこと。残り時間はあと20分……どうする!?

しかしこの緊張感の中で取られたアプローチは、想像よりも遥かにスピーディーでした。

変更箇所に合わせて、統括ディレクターがクラウド上の元資料をPCのAcrobatから素早く更新。クラウドを通じて、変更された資料が設営スタッフへのタブレットへと即時に共有されます。

ノートパソコンで作業をしている人 自動的に生成された説明
統括ディレクターから修正資料が共有。司会の細かい進行の調整は現場のタブレットからも追加!

変更になった司会の進行シナリオも、共有された修正資料を元に現場でパッと注釈を追加。それもクラウドで同期されているので、すべてのスタッフ間で共有完了。

……と、イレギュラーな対応も完璧なフローで迅速に、かつ合理的に解決していたのです。

テーブルの上にあるモニターとゲーム機 中程度の精度で自動的に生成された説明
台本の修正は余裕を持って完了していました。余談ですが、台本って紙だと紙をめくる音が気になるけれど、タブレットならそういった雑音が入らないのも良いですよね

こうして、登壇時間までに資料の更新から、台本の調整・注釈の共有までバッチリ間に合ったようです。即時に情報を更新し共有できるのはAcrobatの良いところですね。

もしこれが紙資料での資料変更だったら、新しい情報を伝える時間も手間もかかり、追加資料を現地で印刷して、配布して……などとんでもない手間ですよね。最悪、イベント進行の遅れや、トラブルを生む可能性もあるわけです。

この即応性の高さはデジタルならでは……いや、強力かつ直感的な編集能力と、クラウドでの共有機能が強力なAcrobatだからこそではないでしょうか。

無事イベント終了〜! Acrobatのメリットが光る1日だった!

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イベントは無事閉幕。スタッフたちの顔にも自然と笑みがこぼれる

大盛況だった「Make it. Osaka」は無事閉幕。スタッフたちからも緊張の色が薄らいでいる様子が伝わってきます。このあとは片付けと撤収だけ、もう一息です。

そしてこの場面でも、Acrobatの強みが光りました。

まず、マニュアルや進行表などはそもそもペーパーレス。スタッフたちは支給タブレットを返却するだけでいいのです。こうした企業イベントでは情報保護のため、イベント後には外部スタッフの資料は回収することもありますが、タブレットの貸し出しならそれを返却するだけで済みます。

回収した資料の枚数を数えたり、置き忘れがないかチェックしたり。資料を後日シュレッダーにかけたりといった手間をシェイプアップできるので、情報管理の面でも有効ですね。Acrobatなら資料の印刷・コピー等の制限をかけるセキュリティー機能もあるので、外部への流出リスクも抑えられます。

加えて、スタッフ総勢30人分の紙を節約できているのです。

これは環境に優しいだけでなく、当日1日使う資料のために大量に印刷する手間、それをまとめる手間もなくなるので、タイパの良さにも繋がるはず。そう考えると、Acrobatでのデジタル管理は、柔軟な対応が求められるイベントの現場での最適解とも言えるのかもしれません。

イベントだけでなく、会議や現場でも活躍するのでは?

こうして、多くの登壇者、新しいエクスペリエンスの発表、ユーザー間交流と大盛況だった「Make it. Osaka」。その裏方を支えていたのは、スタッフたちのAcrobat活用力でした。

ビジネスで必要不可欠なPDF文書、それをまとめて管理、編集、共有までできるAcrobatは、今やイベントの進行管理・情報共有のハブとしてもパフォーマンスを発揮していました。正直Acrobatがここまでインタラクティブなサービスとして活用されているとは想像していなかったので、本当に興味深い取材となりました。

そしてこれだけの柔軟な編集力や即時性、共有機能があるなら、イベント運営のみならず、会議やグループワーク、撮影現場、取材など、さらに幅広いビジネス・クリエイティブの現場でAcrobatが採用されてもおかしくありませんよね。

ビジネスパーソンの方々はぜひこの機会に「自分の仕事にAcrobatが加わったら?」を一度イメージしてみてはいかがでしょうか。もしかしたら、その作業もっと手軽で合理的に……なるのかも?