Acrobatの使用中に 困った!もっと効率化したい!そんなときに役立つ小技を紹介!

こんにちは!桑名です。厳しい暑さが続いていますね。炎天下での外出を控えるために、紙の書類をPDFで送る機会が増えたのではないでしょうか?

そんなメリットもあるPDFですが、作業をしている際に「どうすればよいか対処方法がわからない」という場面もあるでしょう。そこで今回は「PDFで困った!」を解決するためのAcrobatの小技を紹介します。業務効率化にも役立つ機能なので是非ご参考ください。

なお、本記事はAcrobatの有償版ライセンスで使用できる機能を紹介します。

◆ページの抜粋や並べ替えでページ番号が変わってしまった!

提案書や資料のPDFで、「5ページ目と6ページ目を入れ替えたい」あるいは「5章と6章を入れ替えたい」となった場合、Acrobatを使えば簡単にページの入れ替えができます。

では、ページを入れ替えて、ページ番号が変わってしまった場合はどうしていますか?PDFにする前のWordに戻り、番号を付け直している方が多いのでは?

A screenshot of a computer Description automatically generated Acrobatの画面右側でサムネール画像をドラッグすると順序を入れ替えられるが、ページ番号が違ってしまう

実は、Wordで付けたページ番号は、Acrobatで簡単に付け直しができるのです。

「編集」タブの「ヘッダー/フッター」をクリックし、「追加」をクリックします。ここで「更新」をクリックすると「ヘッダー、フッター情報を更新できません」と表示されるので、「追加」を選択してください。

A screenshot of a computer Description automatically generated
「編集」タブの「ヘッダー/フッター」をクリックし、「追加」をクリック

確認メッセージが表示されるので「既存のものと置換」をクリックします。「新規追加」を選択すると、ページ番号が重複して表示されるので注意しましょう。

A screenshot of a computer Description automatically generated
「既存のものと置換」をクリック

「ヘッダーとフッターを追加」ダイアログが表示されたら、追加したい場所を選択します。ページの上部に入れる場合は「ヘッダー」、ページの下部に入れる場合は「フッター」で、一般的にはフッターの中央または右下です。最後に「OK」をクリックすれば、ページ番号を付け直してくれます。

A screenshot of a computer Description automatically generated
ページを追加する場所を指定し、「ページ番号を挿入」ボタンをクリックして「OK」をクリック

再びページ番号を付け直す場合は、「ヘッダーとフッター」の「更新」を選択して「OK」ボタンをクリックするだけです。これなら何度でも付け直しができますね。

この操作方法を知っていると、Wordに戻る必要がなく、編集時間を大幅に短縮できるので使ってみてください。

◆PDF内のデータを抜き出してさまざまなアプリで活用したい!

「PDF内にある表データを使ってExcelで集計したい」または「PDF内のグラフをPowerPointで使いたい」といったご経験はありませんか?

そのようなとき、「コピー&ペーストすればよいのでは?」と思う人もいるでしょうが、通常のコピーで貼り付けると、列幅が狭くなったり、途中で改行されたりで、サイズやレイアウトが崩れる場合があります。仕方なくExcelで作り直している人もいるでしょう。

Acrobatを使うと、PDF内の特定の部分のみを、さまざまなファイル形式に変換できます。

A screenshot of a computer Description automatically generated PDFの範囲選択した個所をさまざまなファイル形式に変換できる

例としてExcelで解説しましょう。まずは、PDF内で抜き出したい部分をドラッグで選択します。このとき、マウスポインタが黒い矢印に四角形がついた形の状態でドラッグしてください。

A screenshot of a computer Description automatically generated
マウスポインタが黒の矢印に四角形が付いた状態でドラッグする

続いて選択した部分の上で右クリックし、「選択範囲を書き出し」をクリックします。「書き出し」とは「変換」のことです。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション, テーブル 自動的に生成された説明
ドラッグで範囲選択し、右クリックして「選択範囲を書き出し」をクリック

ダイアログボックスが表示されるので、「ファイルの種類」で変換後のファイル形式を選択してください。DOCX、DOC、XLSX、PPTX、RTF、XML、HTML、CSV のいずれかの形式で保存できます。今回は、Excelに変換するため「Excelブック」を選択し、ファイル名を付けて「保存」をクリックします。


A screenshot of a computer Description automatically generated
ファイルの種類を選択し(ここでは「Excelブック」)、「保存」をクリック

Excelが起動し、列幅や書式を引き継いで変換されます。コピー&ペーストするよりも再現性が高いですし、右クリックメニューから操作できるので簡単です。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション, テーブル, Excel 自動的に生成された説明
列幅や書式を含めて変換できた

あとは項目名の変更や数値を追加して、集計やグラフ作成をおこなってください。同様にPowerPointやCSV形式にもできるので、プレゼンテーションの資料作成や自社サイトの記事制作などでも役立ちます。

◆異なるファイル形式のデータをまとめてPDFにできるってホント?

たとえば、Excelで作成した売上表と、Wordで作成した報告書を提出した場合、受け取った人はそれぞれのアプリを起動して開くことになります。2つのアプリならまだ良いですが、PowerPointファイルや画像ファイルも含まれている場合は複数のアプリを開くことになり、その結果ウィンドウがたくさん開いて作業がやりづらくなる場合がありますよね。メールで送る際も、ファイルが複数あると添付漏れと、容量が重くなることがデメリットです。


ファイル形式がバラバラの場合、複数のウィンドウを開くことになる

そこでAcrobatがあれば、異なるファイル形式のデータを一括でPDFにできます。PDF同士のファイル結合は知られていますが、PDF以外のファイルを結合できるのは意外と知られていないんですよね。ExcelファイルとWordファイルとPowerPointファイルをワンクリックで1つのPDFにできるのです。

複数のファイルをまとめれば、ファイルを開く操作が1回で済み、1つのウィンドウで閲覧できるようになるので、作業効率がアップします。

種類が異なるファイルを1つのPDFにできる

Acrobatの画面左上の「メニュー」をクリックし、「作成」→「ファイルを単一のPDFに結合」をクリックします。


「メニュー」→「作成」→「ファイルを単一のPDFに結合」をクリック

続けて「ファイルを追加」をクリックして結合したいファイルを選択します。Windowsの場合は「Ctrl」キー、Macの場合は「Command」キーを押しながら、それぞれのファイルをクリックしてください。


「ファイルを追加」をクリックして結合するファイルを選択

ファイルを追加したら、「結合」ボタンをクリックして完了です。1つ1つPDFに変換して結合するよりも断然速いですね。


「結合」ボタンをクリック

この方法を使えば、ExcelやWordだけでなく、HTMLファイルや画像ファイルもまとめてPDFにできます。まさかと思うでしょうが、MOVやMP4の動画ファイルも埋め込むこともできるんです。

すべてを結合して1つのPDFにまとめれば、データが必要になったときに、いろいろなファイルを探さずに済み、ファイルの管理が効率的になります。また、メールでファイルを送る際には、1つのファイルを添付すればよいので、受け取る側も複数のファイルを開く必要がありません。簡単にファイルをまとめられる機能なので活用してみましょう。

◆キリトリ線が付いた申込書ってどうしてる?

紙の申込書や領収書にキリトリ線が付いていることがよくありますよね。それらがPDFで配布された場合、キリトリ線がそのまま記載されていますが、どのように対応していますか?

多くの人は、切り取らずにそのまま提出しているでしょう。あるいは、印刷してキリトリ線に沿ってハサミで切り、その後スキャンしている人もいるかもしれません。時間がかかりますよね。「ハサミが手元にないっ!」という場合もあるでしょうし……

スクリーンショットで画像にする手もありますが、PDF文書で受け取ったのでPDFで提出したいですよね。

そのような場合はAcrobatのトリミング機能を使いましょう。簡単にPDFの一部分を切り取ることができます。

Acrobatの「編集」タブで、「ページをトリミング」ボタンをクリックします。


「編集」タブの「ページをトリミング」ボタンをクリック

切り取る部分をドラッグで選択し、キーボードの「Enter」キーを押すか、範囲内をダブルクリックしましょう。


ドラッグで範囲を選択し、「Enter」キーを押す

ダイアログボックスが表示されるので、「選択範囲に復帰」をクリックし、「OK」ボタンをクリックです。


「選択範囲に復帰」をクリックし、「OK」をクリック

これで範囲選択した部分のみを切り取れます。あとはメニューの「別名で保存」をクリックして保存するだけです。

切り取れたら保存する

別のやり方として、スナップショットを使う方法もあります。画面上で右クリックし、「スナップショット」を選択して、切り取る部分をドラッグで選択します。

範囲選択した上で、右クリックして「スナップショット」をクリック

「メニュー」の「作成」→「クリップボードからPDF」をクリックすると、切り取った部分のPDFが作成されます。

「メニュー」の「作成」→「クリップボードからPDF」をクリック

スナップショットは画像に変換されるため、画質の低下が気になるでしょう。「メニュー」の「環境設定」をクリックし、「一般」にある「スナップショットツール画像に固定解像度を使用」の「360」ピクセルくらいにすると綺麗に表示されます。下部の「OK」ボタンをクリックするのを忘れないようにしましょう。

あとは住所や氏名をPDFに直接書き込めば、Acrobatだけで完結です!スクリーンショットで画像にした場合は、別のアプリを使って文字を入れることになりますが、PDFならAcrobat上で住所や氏名を入力できるので便利です。

紙やインクを使わずにコストを削減できますし、操作も簡単で時間の節約にもなります。PDFにキリトリ線がある文書があったら活用してください。

今回は、PDFで困ったときに役立つ機能を紹介しました。日常的にPDFが使われるようになりましたが、PDF編集ソフトの有無によって作業効率が大きく変わります。有償ライセンスには、PDF編集に必要な機能が揃っているので、まだ利用していない方はぜひお試しください。