美容医療における SNS マーケティングの最前線 - SBC 湘南美容クリニックが語るクリエイティブと生成 AI の活用術
SBC 湘南美容クリニックは、全国に 200 院以上を展開する日本最大規模の美容医療グループです。各クリニックには、クリニック・プロモーション・プランナー(CPP)と呼ばれるデジタルマーケティング専門のスタッフが所属しており、担当するクリニックや医師の魅力を伝えるコンテンツの企画と制作、さらに配信や分析も任されています。
「外科治療は特に、どの先生で受けるかを、お客様も厳選した上で来てくださっています。そのため、『この先生の独自の強みは何か?』を考えて、コンテンツに落とし込んで、お客様に広く伝えることが重要です。これが CPP の活動の一つの軸になっています」と D&C ブランディング部 第 2 グループ グループ長 堀越 冴果氏は話しました。CPP による集客活動は、SNS を中心に着実に成果を挙げていて、毎年の集客増にも貢献するなど、CPP は各クリニックにとって無くてはならない存在です。
D&C ブランディング部 第 2 グループ グループ長 堀越 冴果氏
Instagram、YouTube、院内ポップなど、CPP が対応するメディアは多岐にわたりますが、それらに一括して対応できるデザインツールとして採用されているのが Adobe Creative Cloud です。また Adobe Stock の素材は、競合と差別化できる、トレンドを押さえた質の高いコンテンツ制作に欠かせないと、D&C ブランディング部 有馬 みなみ氏は話しました。「Adobe Stock は扱いやすい素材が多いと、使い始めて思いました。次々に更新されますし、季節に合う画像も多くて、他と被らないものがつくれたり、同じ素材を使いまわすことがなくて自分の中で飽きないのはすごく大きいです」
素材入手が制作作業のボトルネックにならないよう、同社では、Adobe Stock アセットを無制限に利用できる Creative Cloud グループ版 Pro エディションを導入しています。
D&C ブランディング部 有馬 みなみ氏
Adobe Firefly を活用した効率的なコンテンツ制作
Adobe Firefly は、安全な商用利用を念頭に設計されたアドビの生成 AI モデルです。正式に公開されてから 1 年ほどですが、Firefly は、既に多くの CPP のワークフローに定着しています。
中でも Adobe Photoshop の「生成拡張」は人気の機能です。たとえば Adobe Stock で気に入った写真を見つけたときに体の一部が見切れていると、以前ならもう一回探すか、面倒な加工が必要でした。しかし「生成拡張」があれば、簡単に欠けている部分を生成できて、出てきた候補が気に入らなければワンクリックで生成し直せます。このように、素材探しからレタッチまで、様々な局面で Firefly は手間の削減に貢献しています。
生成拡張を使うと足りない部分を簡単に補うことができる 提供: 湘南美容クリニック福岡院
新規に素材を生成する目的にも Firefly は使用されています。特定の手術に適応した顔立ちを示すための人物画像が欲しいと思っても、Adobe Stock で見つかるような整ったモデル顔の女性は、素材として使えないことが一般的です。そこで、整形イメージの紹介に使用するための顔を、Firefly でゼロから生成した例が下の画像です。
Adobe Firefly を使用して生成された人物画像 提供: 湘南美容クリニック江坂院
Adobe Stock で素早くトレンドに追従
堀越氏は、「美容クリニックの訴求において、次々に変化する流行に遅れないことはとても大切です」と指摘します。「若い人向けが主であることもあり、特に SNS のトレンドの変化は本当に早いと思います。そのため CPP は、競合の取り組みも見ながら、トレンドに遅れないように追いかけて、さらに先んじる表現も考えて、クリエイティブに取り組んでいます」
トレンドに追従するために必要な素材が見つかるプラットフォームとして、Adobe Stock は高い評価を得ています。流行を意識した素材が次々と追加されていて使いたいと思える素材を見つけられることや、素材の品質への信頼が高評価の理由です。
また、有馬氏は検索機能が使いやすいとして、「似た画像を探すのに、元画像をサイトにドラッグするだけで類似画像を見つけてくれるビジュアルサーチは、すごく助かっています」と、Adobe Stock が作業を支援するツールともいえる存在であることを強調しました。
Adobe Stock のビジュアルサーチで似た画像を検索できる
Adobe Stock からは、Adobe Premiere Pro の「テンプレート」も頻繁に使われているそうです。オープニング、エンディング、チャンネル登録を促すものなど、とても使いやすくて重宝していると堀越氏は付け加えました。画像や動画だけでなく、クリエイティブに役立つ様々な種類の素材が入手できるのも Adobe Stock の便利な点です。
Adobe Stock 内の Premiere Pro 用テンプレート
Adobe Creative Cloud で広範なニーズをカバー
CPP として入職する人の中には、デザイン経験のない人もいます。そうした人は、治療や社内ルールの知識、マーケティングスキルに加えて、デザインツールの使い方も覚えなければなりません。学習期間を短縮し、できるだけ早く制作に着手できるように、初心者向けには簡素なデザインツールが採用されています。
「最初は、まず量をつくれるようになって、それを積み上げることにより質も上がると考えています。その経験を通じて、もっとコンテンツの質を高めたいと思った時に、『この表現はアドビのツールがないとできない』となった方は、研修期間が終わるタイミングから Adobe Creative Cloud にステップアップできるという形で対応しています」と堀越氏は話しました。
アドビ製品が CPP として働くスタッフに好まれる理由には、生産性の高さもあります。たとえば、Photoshop では、切り抜く対象をごく簡単な操作だけで正確に選択できます。細かい調整をしなければならないケースと比べれば、かなりの時短になります。
Premiere Pro では、マスクをオブジェクトに適用すると、フレーム間でオブジェクトの移動が自動的にトラッキングされるため、簡単な設定をするだけで、特定の対象にモザイクやぼかしをかけることができます。
Firefly や Adobe Stock が利用できることも含め、クオリティの高いコンテンツを素早く制作する上で、アドビのデザインツールやサービスは不可欠だと堀越氏と有馬氏は口を揃えました。
「CPP の業務には、写真加工も、ポスターの文字組みも、動画編集もあって、良い素材も必要です。ニーズが広いからこそ、Adobe Creative Cloud が欠かせないツールになっていると思います」
Adobe Creative Cloud グループ版 Pro エディションについて詳しくはこちらをご覧ください。