そろそろ確定申告の準備を!税理士とのやり取りにAcrobatを活用しましょう
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こんにちは!桑名です。確定申告の時期が近づいてきましたが、皆さんはどのように対応していますか?ご自身ですべておこなう方もいれば、法人や忙しい方の中には税理士に任せる方も多いでしょう。また、一部だけ税理士に依頼するケースも少なくありません。
そこで今回は、税理士とのやり取りをスムーズにするAcrobatの活用法を紹介します。PDFの共有方法がわかりづらいという方にも役立つ内容なので、ぜひ参考にしてください。
■まずは紙の書類をPDFに!
確定申告の書類を作成する際、「どのように書けばいいのか分からない」と悩むことはありませんか?一方で、税理士側も「この項目について確認したい」と感じる場面がよくあります。
メールでこれらの疑問を解決しようとすると、どの書類のどの部分に関する問い合わせなのかが伝わりにくく、スムーズにいかない場合が多いのです。その結果、両者にとって大きなストレスとなり、業務の妨げにもなりかねません。書類を撮影して写真で送る方法もありますが、画像に文字を書き込む作業は意外と面倒なんです。
そこでおすすめなのがPDFです。スマホのAdobe Scanアプリを使えば、写真を撮るときと同じような操作で、紙の書類をスキャンしてPDFにできます。
▲Adobe Scanアプリ。iPhoneはApp Storeから、AndroidはPlayストアからインストールでき、サインアップして利用できる
▲写真撮影と同様に「撮影」ボタンをタップしてスキャンできる
■PDFを共有して、PDF上でやり取りしよう
スマホのAdobe Scanアプリでスキャンして作成したPDFは、パソコンで使用するデスクトップ版Acrobatの「ホーム」画面左側にある「スキャン」から簡単に開くことができます。スキャンした後にクラウドに保存されるため、どの端末からも開ける仕組みになっているのです。ただし、パソコンで確認する場合にはAdobe ScanでサインアップしたログインIDと同じものをご利用ください。
PDFを開いたら、共有設定をしましょう。画面右上にある「共有」をクリックし、メールアドレスを入力します。そのまま送信してもよいですが、メッセージボックスに挨拶文や送信理由を入力しておくと親切です。また、コメントのやり取りができるように「ユーザーはこのファイルにコメント可能」をオン(青色)にしましょう。オフの場合はコメントを付けられないので忘れないでください。できたら「招待」クリックします。
▲「共有」をクリックし、メールアドレスを入力。「ユーザーはこのファイルにコメント可能」をオンにして「招待」をクリック
■コメント欄で質問しよう
共有後は、コメント機能を使って1つのPDF上でやり取りができるようになります。たとえば、申請書の作成時に「この項目は本当に必要なの?」と迷うことがあるかもしれません。写真(画像)で送った場合はコメントを付けられないため不便ですが、PDFなら該当箇所にアイコンを配置して「この記載は必要ですか?」と質問を投げかけることができます。返信も簡単なので、特定の箇所についてスムーズにコミュニケーションを取ることが可能です。
コメントするには、AcrobatでPDFを開き、ツールバーにある「コメントを追加」ボタンをクリックします。質問したい箇所をクリックし、質問を入力して「投稿」をクリックです。
▲「コメントを追加」ボタンをクリックし、該当箇所をクリック。質問を入力して「投稿」をクリック
画面右端の「コメント」ボタンをクリックし、「コメント」パネルでも入力できます。やりやすい方で入力しましょう。
▲「コメント」パネルでも入力可能
アイコンの位置がずれてしまった場合は、ドラッグで移動できるので調整しましょう。
取り消す場合は、アイコンをクリックしてゴミ箱のアイコンをクリックすれば、コメントごと削除できます。
▲アイコンはドラッグで移動できる。「ゴミ箱」をクリックして削除も可能
また、コメントの内容を変更したい場合は、コメントの右上にある「三点リーダー」アイコンをクリックし、「編集」をクリックして修正できます。
▲「三点リーダー」ボタンをクリックし、「編集」をクリックして修正可能
修正箇所や確認したい箇所を目立たせたい場合は、ツールバーのボタンを使ってマーカーを引いたり、フリーハンドで該当箇所を囲ったりもできます。そうすれば該当箇所が一目でわかり、やり取りがスムーズに進むでしょう。
■コメントに返信して疑問を解決!
招待された相手には自動でメールが送信され、メール内のリンクをクリックするとブラウザーにPDFが表示されます。ログインしなくても、その場でユーザー名を入力してコメントを付けられますが、アカウントと結びついていないため通知を受け取ることができません。また、PDFを再度開いてコメントすると別の名前になってしまうので、継続的にやり取りするにはアカウントでログインすることをおすすめします。
もちろんブラウザー上でコメントを付けてもよいですが、もっと機能を使いたいのなら、デスクトップ版のAcrobatの方がおすすめです。特に注釈の一覧を印刷したり、注釈内容を書き出したりしたいときに便利です。
デスクトップ版Acrobatの場合は、ホーム画面の「他のユーザーが共有」をクリック、または画面右上の「通知」アイコンからファイルを選んで開くことができます。
▲「他のユーザーが共有」または「通知」アイコンから開ける
返信する際は、右側のパネルまたは本文の該当箇所にある吹き出しのアイコンをクリックすると、返信用のボックスが表れて入力できます。
返信内容を入力して「投稿」をクリックするだけで相手の画面に表示される仕組みです。
▲返信文を入力して「投稿」をクリック
疑問点が解決した際は、コメントをポイントし、右上の「チェック」ボタンをクリックすれば解決済みにできます。「この部分を確認してください」というコメントに対し、「確認しました」の意思表示としても使えますね。また、「顔」のアイコンをクリックすると絵文字を使うこともできます。
▲コメントをポイントし、「チェック」をクリック
■共有不可の申請書を使う場合
ここまでは紙の申請書をPDFにした場合のやり方を説明しましたが、国税庁のWebサイトから申請書をダウンロードして、そのPDFに入力する場合もあります。正式な確定申告のPDFには編集制限がかかっているため共有ができません。
▲国税庁のサイトからダウンロードしたPDFは共有できない
そのような場合は、いったんPDFを画像形式に変換しましょう。Acrobatの「変換」タブをクリックし、「画像形式」で「PNG」を選択します。
ただし、デフォルトのままでは画像が粗くなります。ここでの場合、提出用ではなく、質問に使用するPDFなので粗くてもかまいませんが、歯車の形の「PNG設定」ボタンをクリックして解像度を上げると鮮明に表示されます。
▲「変換」タブをクリックし、「画像形式」で「PNG」を選択。その後「歯車」をクリック。
「解像度」を「472.44ピクセル/cm」にしましょう。解像度が高すぎると変換できないので少し低くしてください。
▲解像度を変更し、「OK」をクリック
画像に変換したら、PDFに変換します。エクスプローラーなどのファイル一覧でファイルを右クリックし、「Adobe PDFに変換」をクリックすればすぐにPDFが作成されます。
▲右クリックして「Adobe PDFに変換」をクリック
Acrobatを使えば、PDFファイルを画像ファイルに、また画像ファイルをPDFファイルに、簡単に変換できます。変換が終わったら、先ほど紹介したようにPDFを共有してコメントをやり取りします。簡単ですよね。まさにこのような場面でこそ、Acrobatの機能を使ってPDFを自由自在に扱える便利さを実感できるはずです。
最後に共有の解除方法を説明します。共有しているPDFには右上に自分と相手のアイコンが表示されているので、そのアイコンをクリックし、「共有解除」をクリックして解除します。
▲画面右上のアイコンをクリックし「共有解除」をクリック
たいていは共有した側が解除しますが、もし招待された側が共有を止める場合は、ホーム画面の「他のユーザーが共有」で、ファイルをクリックし、右端にある「自分を削除」をクリックしてください。
最近はe-Taxの使い勝手が向上し、個人の確定申告は以前より楽になりました。しかし、法人の場合や時間を節約したい方にとっては、税理士に依頼したほうが確実でしょう。今回紹介したAcrobatの共有機能は、メールとは異なりリアルタイムでのやり取りが可能なので、申告日直前の緊急の問い合わせにも素早く対応できます。ぜひこの機能を積極的に活用し、確定申告を効率よく進めてください。