サーフィン映像から大河ドラマを経て新たな境地へ、L.S.W.Fの映像制作ストーリー

ノートパソコンを使っている男性 自動的に生成された説明

株式会社L.S.W.F(LAND SKY WATER FILM)は、その名のとおりドローンによる空撮や水中撮影を得意とするクリエイティブ集団です。サーフィン映像に始まり、大河ドラマのタイトルバックを経て活動領域を拡げる同社の、映像制作を支えているのがAdobe Premiere Proです。

「サーフィンが好きで映像を始めた」という代表取締役/ドローンオペレーターの中村豪さん、取締役/ 映像クリエイターの青木肇さんに、ホームグラウンドである鎌倉でお話を伺いました。

テーブルに座っている男性 中程度の精度で自動的に生成された説明

ドローンオペレーターの中村さん(左)と 映像クリエイターの青木さん(右)

どのような種類の動画(映像)を制作していますか?

青木さん:サーフブランドのイメージムービーや不動産などのクライアントワークがメインです。プロサーファーと波を追って国内外を旅をしながら撮るという活動もしていて、新潟日帰りとか無茶なことをしています(笑)

中村さん:テレビ、映画、企業PVなどです。大河ドラマのタイトルバック映像や成田洋一監督の映画「光を追いかけて」、「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」の空撮を担当しました。最近では観光地を撮影する地方創生系の仕事も増えています。

野球のバットを持っている男 低い精度で自動的に生成された説明

株式会社L.S.W.Fは 様々なスキルを持った7名のクリエイティブチーム

動画制作のキャリアを教えてください

青木さん:10代の頃サーフィンに夢中で、米国のロードトリップ系サーフムービーをよく観ていました。そのうち自分たちでも同じような映像を作ってみようとテープ式のビデオカメラを回し、家にあったMacで編集してというのが最初ですね。ですのでキャリアとしては30年、プロとしても20年は超えています。

「趣味で始めてから30年カメラを回しています」(撮影協力:鎌倉雅壇)

中村さん:自分はいったん映像から離れて別の事業を行なっていました。ハワイにいたプロサーファーである弟が「こんな撮影が流行っている」と見せてくれたドローン映像に衝撃を受け、すぐに機材を購入して撮影を始めたのが2014年のことです。まだ誰もやっていなかったのですぐに仕事が舞い込みましたね。その後、大河ドラマの仕事をきっかけにメンバーを集めて株式会社L.S.W.Fを創業し、活動の幅を拡げていきました。

動画制作はどうやって学びましたか?

青木さん:誰かに教えてもらったのではなく、サーフムービーを参考にどうやったらカッコよくなるんだろうと、いろいろ試しているうちに自然に身についた感じです。

中村さん:ドローン撮影に関してはまったく情報がなかったので、フィールドで撮りながら学んでいきました。失敗もたくさんしています(笑)

砂の上に座っている男性 中程度の精度で自動的に生成された説明

「高価なドローンを壊してしまったことも。。」

年間の制作数は何本くらい?

中村さん:L.S.W.Fとして100本近く、さらに各々の仕事もこなしています。

特に反響が良かった、思い入れがある作品は?

中村さん:大好きな海や波の映像をフィーチャーしたタイトルバックをはじめ、ポスターや題字を含むキービジュアルも制作した大河ドラマ「西郷どん(2018年)」には深い思い入れがあります。それまでサーフムービーとか身近な企業のクライアントワークをしていた我々が、いきなりの大河ドラマだったので周囲からもびっくりされました(笑)。

動画制作で大切にしていること、考え方を教えてください

青木さん:作為的な演出が好きではないので、リアルな瞬間を捉える映像を追求しています。サーフィン映像の重要な要素である、その時でしか撮れない光や動きのタイミングを大切にしているつもりです。

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「作為的ではないリアルな瞬間を捉えたい」

中村さん:モラルを守った中での最高の画を目指しています。航空法の遵守は当然ですが、撮るべきものだけを撮るという考え方も重要だと思っています。ドローンは今まで見れなかった姿形や景観にアクセスできてしまうので、ともすると秘密を暴いているような行為になりかねません。神秘性がなくなると感動も薄れてしまうので、伏せておくべきものを無理に暴くことがないよう気をつけています。

「ドローン撮影時には自制心も必要」

Premiere Proを使い始めたきっかけは?

青木さん:それまで使っていたアプリケーションの新バージョンに違和感を感じたところ、周囲の仲間からPremiere Proがいいよと薦められたのが最初です。慣れたショートカットにカスタマイズできたこともあって、違和感はまったくありませんでした。

よく使うお気に入りの機能や便利だと思う機能はありますか?

青木さん:映像を安定させるために、ビデオエフェクトのワープスタビライザーをよく使いますね。また、エッセンシャルサウンドパネルでの音の調整は、簡単な操作でいい結果が得られるので重宝しています。

コンピューターのスクリーンショット 自動的に生成された説明

「ワープスタビライザーは撮影時の揺れを軽減させられるので便利」

動画編集ビギナーに向けてPremiere Proのどのようなところがおすすめできますか?

青木さん:編集からカラーグレーディング(色の調整)まで1人で全部できて完結できるところです。また、Adobe Photoshopのレイヤーを個別に読み込めるのもいいですね、

テレビを見ている男性 中程度の精度で自動的に生成された説明

「編集からカラーグレーディングまで一気通貫で完結できるところがいい」

動画編集を行う上で気をつけていることはありますか?

青木さん:クライアントの求めている色調や編集の仕方、BGMなどのイメージに近づけるために、コミュニケーションを密に行うことです。

あなたにとってのPremiere Proとは?

青木さん:いいものを作る、クライアントの要求を満たすというチャレンジのためのツールでありモチベーションです。反面、趣味のための楽しい遊び道具みたいに感じることもあります。

デスクトップコンピューターが机の上にあるモニター 中程度の精度で自動的に生成された説明

「サーフィンの映像を編集している時がいちばん楽しいですね」

作品制作のインスピレーションはどこから得ていますか?

中村さん:やはり海外の映画のドローン映像は気になりますね。でもメインは大自然の中に身を置いている時かもしれません。

青木さん:自分も自然環境や普段の生活からインスピレーションを得ることが多いです。

今後の展望や挑戦したいことを聞かせてください

中村さん:大河のタイトルバックを制作した7年前は、まだ技術的に未熟なところがありました。経験を積んだ今、L.S.W.Fとしてさらに大きな作品に挑戦していきたいです。

青木さん:今もあるムービーを撮影中なのですが、そうやってどんどんチャレンジしていきたいです。

「このチームでもっと大きな作品に挑戦していきたい」

これから動画制作を始めるビギナーにアドバイスをお願いします

中村さん:ドローン撮影は素晴らしい映像が撮れるので最初は興奮すると思うのですが、自制心をもってモラルを大事にし、マナーを守ってください。そうすればドローンを使った空撮映像はもっと盛り上がっていくでしょう。

青木さん:失敗を恐れずに動画に向き合って、いろいろなものにチャレンジして撮り続けて欲しいと思います。