ロゴを一括配置! Adobe Illustrator でモックアップの制作時間を一気に短縮
Adobe Creative Cloud は、SNS に投稿される画像やデザイン、動画などの制作にも広く活用されています。今回は、Instagram で4万人以上のフォロワーをもつ札幌在住のデザイナー、早坂宣哉さん(@nodesigne)の Illustrator テクニックを紹介します。
目次
- デザインでブランドを元気にする
- ロゴをシンボル化する
- モックアップ機能でロゴを配置する
- パースを保ったままロゴを複製する
- 別のロゴ案に一括置換
デザインでブランドを元気にする
早坂さんは出身地の北海道の大学でメディアデザインを軸に、工芸や映像等、美術領域を幅広く学び、現在は arica design inc. の取締役およびアートディレクター、デザイナーとして従事。CM やポスター等の広告をはじめ、ロゴ・パッケージ・ web ・サイン・内装・イラストレーションなど、分野を横断するさまざまな制作経験を元に、店舗や企業のブランディングを担っています。また、Instagram のフォロワーは 4 万人を超え、デザインやブランディングのセミナー、講演、専門学校の講師も務めています。
Illustrator を得意とする早坂さんが今回とりあげたのは「モックアップ」機能。ロゴのデザインをモックアップとして提案する際に、画像に 1 つ 1 つロゴを合成していく作業は、骨も心も折れてしまいますよね。モックアップ機能を使えば、そんな悪夢のような作業も昨日のこと。ロゴの配置、置換を一括・一瞬でおこなう工程を見ていきましょう。まずは下の早坂宣哉さんの投稿作品をご覧ください。
まず、Illustrator のアートボードに、ロゴを配置したいアイテムの画像と、ベクターで作成されたロゴデータを準備します。JPG や PNG などビットマップ同士の合成はできないので、ご注意ください。

ロゴをシンボル化する
メニューの「ウィンドウ/シンボル」を選択してシンボルパネルを開き、ロゴデータをドラッグ & ドロップで追加します。今回はマークと文字を分けて配置することも考えて、それぞれ個別に追加していきます。

モックアップ機能でロゴを配置する
シンボルパネルからロゴデータの1つをアートボードにドラッグ & ドロップで配置します。ロゴと画像をまとめて選択し、メニューの「オブジェクト/モックアップ/モックアップを作成」を選択します。

モックアップモードになり、ロゴが画像内のアイテムの形状に沿って配置されます。ロゴの周囲に表示されるバウンディングボックスをドラッグして大きさや位置、角度を変更します。

パースを保ったままロゴを複製する
配置したロゴデータを選択した状態で、Altキー(Windows)またはOptionキー(Mac)を押しながらドラッグし、他のアイテムに複製を配置していきます。調整が面倒なパースが保持されているので、大きさと位置を調整するだけです。

ロゴデータは、カップなどの曲面に合わせて配置することも、パッケージなどの角をまたいで配置することも可能です。

別のロゴ案に一括置換
ロゴの提案は 1 案だけ、というわけにはいきませんよね。いくら効率よくロゴを配置できたとはいえ、これを複数案くり返すのはかなり骨が折れます。でもご安心ください。このモックアップ機能、実は 2 案目以降からさらに威力を発揮します。
モックアップ機能はオブジェクトがシンボルに変換されるので、マスターシンボルを 1 つ編集するだけで、その結果がすべてのインスタンスに反映されます。
シンボルパネルで変更したいシンボルを選択し、右上のオプションメニューから「すべてのインスタンスを選択」を選びます。続けて「シンボルを置換」を選択し、別のロゴデータと差し替えれば、一度にすべてのインスタンスが新しいロゴに差し替わります。大きさや角度も保持されるので、調整も最小限で済みます。

これまでは、ロゴをパースに合わせて合成する作業は、Photoshopに持っていって1つ1つ変形するのが一般的でした。その変形の手間もなくなり、Illustrator単体で完結できるのでかなり効率的。シンボルの特性を活かして一括置換できるのも、大幅な時短になります。皆さんもぜひやってみてください。

早坂宣哉さんのSNSアカウント
Instagram|https://www.instagram.com/nodesigne/
https://blog.adobe.com/jp/promotions/products/fragments/illustrator-open2