単価も効果も 10 倍変わる!? Adobe Photoshop で広告デザインを劇的にブラッシュアップ

Adobe Creative Cloud は、SNS に投稿される画像やデザイン、動画などの制作にも広く活用されています。今回は、Instagram や TikTok など SNS 合計 8 万人以上のフォロワーをもつ YUCOdesign さんの独自の Photoshop テクニックを紹介します。

目次

  • 「デザインの論理的な言語化」を得意とするデザイナー
  • 画像を生成して写真を拡張する
  • タイトル周りを調整する
  • さまざまな演出効果を加える
  • 全体に光をあてて完成

「デザインの論理的な言語化」を得意とするデザイナー

YUCOdesign さんは、デザイナーとしてWEB デザイン会社の部長を経て独立。現在は、デザイン講座などの主催会社である株式会社レフロマの代表を務め、デザイナー、ディレクター、デザイン講師として幅広い活動を続けています。SNS ではデザインの理論的な解説や考え方を発信し、開始から数ヶ月で約 8 万人以上のフォロワーを獲得。デジタルハリウッド大学やサンクチュアリ出版で登壇した際の受講者数は各社の歴代最高数を記録しています。

今回は、YUCOdesign さんが自身の制作活動でも頻繁に使っているという、Photoshop のテクニックを披露していただきました。下の化粧品のバナー広告は、Before画像 では必要な要素を体裁よくレイアウトしたデザインになっていますが、このデザインの要素はそのままに、Photoshop を使ってさまざまな演出効果を加えることで、よりクオリティの高い画像に仕上げています。まずはYUCOdesign さんの投稿作品をご覧ください。

画像を生成して写真を拡張する

Before のデザインでは、タイトル周りのピンクの帯が、モデルのまぶたのギリギリのところまで被っています。それは、元のモデルの写真がまぶたの少し上のところでトリミングされているためです。なんとなく画面も窮屈な感じになっていますね。

そこでまず、Photoshop の生成 AI 機能を使ってトリミングされたまぶたから上の部分を生成してみましょう。

  1. 切り抜きツールを選択し、上部のハンドルを上方向にドラッグしてキャンバスを広げます
  2. 選択ツールで余白の部分を選択します
  3. コンテキストタスクバーの「生成塗りつぶし」ボタンをクリックし、テキストは何も入力せずに「生成」ボタンをクリックします

しばらくすると、モデルのまぶたから上の部分が自動的に生成されます。もともと隠れていたのではないかと思えるくらい、自然な仕上がりですね。

さまざまな演出効果を加えるタイトル周りを調整する

せっかくモデルの画像が拡張されたので、タイトル周りをもう少し自由にデザインしてみましょう。

  1. ピンクの帯は、モデルの画像にかからないように、曲線を使用した面に変更します。ペンツールで曲線を描き、アンカーポイントの切り替えツールでカーブを調整します
  2. テキストの「生チーク」は「生」と「チーク」を分けて打ち、フォントの種類と大きさを変えてメリハリをつけましょう。「生」を強調するために円で囲むのも効果的です
  3. 商品画像を楕円ツールで選択して複製し、“生”の文字の上に重ねます。描画モードのオーバーレイを適用すれば、“生”の文字に商品の質感がプラスされ、より効果的なアクセントになりました

さまざまな演出効果を加える

商品の画像にも、ひと工夫。Before のデザインのようにドロップシャドウは使わず、より自然な影を作成してみましょう。

  1. 商品画像のレイヤーを複製し、レイヤースタイル/カラーオーバーレイで明度と彩度を落としたカラーを適用します
  2. フィルター/ぼかし(移動)で自然な角度にぼかしを入れます
  3. レイヤーを商品画像の下にして、描画モードの乗算を適用し、自然な影になるように位置を移動します

全体に光をあてて完成

いよいよ最後の仕上げです。窓から差し込む日差しを表現してみましょう。これをするだけで、全体の印象がガラリと変わります。

  1. 光の素材をデザイン全体に重ねます。光の素材は、ストック素材などを利用してみましょう
  2. 光のレイヤーに対して、描画モードのソフトライトを適用します
  3. 光が自然に当たるように、位置や大きさ、角度などを調整します

Before とAfter を比較してみましょう。デザインの要素は同じでも、その差は一目瞭然ではないでしょうか。SNS では、まず見た目の印象が第一。Photoshop を使えば、デザインの自由度もクオリティも大幅にアップします。皆さんもぜひやってみてください。

YUCOdesignさんのSNSアカウント

Instagram|https://www.instagram.com/yucodesign_k/
TikTok|https://www.tiktok.com/@yucodesign_k/

https://blog.adobe.com/jp/promotions/products/fragments/photoshop-open2