Acrobat AI アシスタントと一緒に作るブログ構成案

ライターの桑名です。「ブログを書かなければ…」と思いつつ、最初の構成づくりで行き詰まってしまう──そんな経験はありませんか?

「どこから手をつけたらよいかわからない」

「考えすぎて進まない」

そんなときこそ頼りになるのが Acrobat AI アシスタントです。深く悩まず、AI の力を借りましょう。

■事前準備が成功のカギ!情報源を集めよう

Acrobat AI アシスタントは、Acrobat に搭載されている生成 AI 機能です。一般的な生成 AI のように Web ネット上から情報をかき集めるのではなく、ユーザーがアップロードしたファイルだけを対象に要約や整理を行います。

そのため、AI に渡す材料となるデータをあらかじめ用意しておくことが欠かせません。

たとえば、「Acrobat AI アシスタント」をテーマにブログ記事を書くことになったとします。

その際の情報源として、Acrobat AI アシスタントについて記載されているファイルを用意します。

まず、アドビが公開している「Acrobat 再入門セミナーの PDF 資料」から Acrobat AI アシスタントに関するページを用意しました。続いて、Acrobat AI アシスタントについて書き留めてきた Word 文書も使用します。Word ファイルもアップロードすれば、自動的に PDF に変換されるのでとても便利です。

これだけでも十分ですが、より充実させるためにアドビ公式サイトにある Acrobat AI アシスタントの紹介ページも活用します。

Web ページを PDF に変換する際は、必要な箇所だけをコピーして PDF 化するとすばやく変換でき、引用元の認識もできます。やり方は簡単です。範囲を選択してコピーし、Acrobat の「メニュー」→「作成」→「クリップボードから PDF」を選べばすぐに PDF にできます。

▲「メニュー」→「クリップボードから PDF」で PDF 作成する

■集めたデータをアップロードしよう

Acrobat を開くと、ホーム画面の上部にファイルを追加できるボックスが表示されています。「ファイルを選択」をクリックして 3 つのファイルを追加しましょう。

▲ホーム画面でファイルを追加する

■まずは要約をしっかりチェック!

情報源をアップロードしたら、ついその勢いで構成案を組み立てたくなるでしょう。でも、そこはひと呼吸。まずは AI に要約させて全体像をつかむのがポイントです。

先に構成を作ってしまうと、「ここは絶対に見出しに使いたい」という重要ポイントを AI が拾い損ねる恐れがあります。要約を確認してから取り掛かれば、抜け漏れを防ぎつつ、その後の作業も効率的に進みます。

要約するには、右端にある「生成要約」ボタンをクリックだけです。

▲「生成要約」ボタンをクリック

もし、生成された要約が難しくて読みづらいと感じたら、「難解な言葉を避けて、わかりやすい文章にしてください。」と入力して送信しましょう。AI が親しみやすい表現でまとめ直してくれます。

▲「難解な用語を避け、わかりやすい文章にしてください。」と入力

パネルが小さくて見づらい、または入力しづらい場合は、本文とパネルの境界線を左にドラッグすれば広い画面で快適に使えます。

▲境界線をドラッグすると広く使える

■引用元を確認し、伝えるべき内容の焦点を決めよう

一般的な AI の場合、ときには実際に存在しない情報をそれらしく作り出してしまうことがあります。こうした現象は「ハルシネーション」と呼ばれ、AI ツールを使う上で注意すべき点です。

Acrobat AI アシスタントの場合は、指定した情報源に基づいて処理を行うため、ハルシネーションが起きにくいというメリットがあります。

ただし、既存の情報を組み合わせる過程で、意図しない内容になってしまう可能性はゼロではありません。気になる箇所があれば、必ず引用元を確認しましょう。要約の文末に表示される数字をクリックすると、該当する箇所を表示して内容を確認できる仕組みになっています。

▲文末の数字をクリックして引用箇所にジャンプできる

要約を把握したら、次は「どの切り口が読者の心に刺さるか」を考えましょう。今回のテーマではAcrobat AI アシスタントの「導入するメリット」に焦点を当てれば、読者の興味をしっかり引きつけられると判断しました。

■盛り込みすぎ注意!ポイントを絞った構成案づくり

要約を把握して内容の焦点を決めたら、いよいよ構成案の作成に進みます。

試しに「構成案を作成して」とシンプルに AI に指示してみました。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, テキスト, アプリケーション, メール AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

AI が出した回答は、ドラッグしてコピーしに貼り付けることができます。

テーブル AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

▲最初に出てきた構成案

よく見てみると情報が盛りだくさんで、あれもこれも詰め込まれた構成案です。「導入のメリット」についても強調されていません。このままでは、読者にとってポイントがつかみにくく、まとまりのない記事になってしまいます。

そこでプロンプトを少し工夫してみましょう。

――プロンプト例――

ブログ記事を書きます。読者が理解しやすい順序で構成案を作成してください。

【テーマ】Acrobat AI アシスタントの魅力

【読者層】初心者向け

【目的】Acrobat AI アシスタントに興味を持ち、実際に使ってもらうこと

【トーン】ブログ風

【キーワード】導入のメリット

【見出しの数】5 つ

――――――――――

具体的に指示を出したら、5 つの見出しのスッキリとした構成案が出てきました。

▲プロンプトを変えて生成された新しい構成案

このように、これは絶対必要と思っていることでも、AI が同じように感じるとは限らないのです。

だからこそプロンプトがとても重要になります。目的、ターゲット、キーワード、トーン、スタイル――これらをしっかり書くかどうかで AI が出す結果が驚くほど変わります。

少し手間に感じるでしょうが、プロンプトにしっかり意図を盛り込んでおくこと。これこそが納得できる回答を引き出す一番のコツです。

プロンプトの書き方がわからない場合は、アドビのサイトにサンプルプロンプトが用意されているのでコピーして使うとよいでしょう。

https://www.adobe.com/jp/acrobat/generative-ai-pdf/ai-prompts.html

▲アドビのWebサイトにプロンプトが用意されている

■プロンプトの工夫で見出しをブラッシュアップ

構成自体はよい感じですが、ブログ記事として掲載するには少し堅い印象を受けました。

そこで、「もう少しカジュアルに」と「SEO を意識して」の 2 点を追加で指示し、見出しの修正を依頼します。

▲追加のプロンプトを入力する

指示を重ね、自分の目で確かめながら理想の形に近づけていきます。

ただし、やり取りを続ける中で、当初の意図から逸脱してしまう場合があります。

▲まれに意図と異なる結果を出す場合もある

このような場合もあきらめることはありません。画面右上の「三点リーダー(・・・)」アイコンをクリックし、「チャット履歴を消去」を選びましょう。チャットをリセットしてやり直すと、意外とスムーズに良い結果が得られます。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, テキスト, アプリケーション, メール AI によって生成されたコンテンツは間違っている可能性があります。

▲チャット履歴を消去できる

なお、Acrobat AI アシスタントが読み込んだデータは暗号化され、最大 12 時間キャッシュに保存されます。保存期間を過ぎると、すべてのコンテンツは自動的に削除されます。

このように、Acrobat AI アシスタントを活用すれば構成案を簡単に組み立てられます。

ただし、AI に丸投げして頼り切ってしまうと、他者と似たり寄ったりの、ありきたりでつまらない構成になってしまいます。自分ならではの意図と視点をしっかり織り込みながら、AI と一緒に作り上げていきましょう。

Acrobat AI アシスタントは月額 980 円(年間プランは月額 680 円)から利用可能です。今回の手順を参考にオリジナリティあふれる構成案づくりに挑戦してみてください。