校正作業は画像ファイルより PDF がオススメ! Acrobat を活用して効率よく進めましょう
こんにちは、桑名です。資料や記事を校正する際に、JPEG や PNG などの画像形式のファイルで送られてくることはありませんか? 画像に文字を入力して修正しようとすると、意外と手間がかかるものです。そこでおすすめなのが、Acrobat で PDF に変換して校正作業を進める方法です。
◆画像形式(JPEG や PNG)での校正は非効率?
画像形式のファイルを校正する際、プリンターで印刷し、紙に赤ペンで修正を書き込み、その後スキャナーで画像として取り込む方法があります。しかし、この作業は工程が多いため、効率的とは言えません。また、スキャナーの精度や環境によっては、文字がかすれたり歪んだりして、見た目がきれいに仕上がらないこともあります。背景が濃い色の写真やデザインの場合は、手書きでは読みにくい場合もあります。
あるいは、修正箇所をテキストで書き出し、別のファイルやメールで伝える方法もあります。たとえば、「3 行目の〇〇を△△に変更」や「右上の数字を削除」のように、どの部分をどのように直すかを文章で細かく説明するやり方です。
この方法では、受け取る側が画像とテキストを照らし合わせて確認しなければなりません。特に修正箇所が多い場合は照合作業に時間がかかり、確認が煩雑になりがちです。
◆画像ファイルの PDF 変換はとても簡単
そこでおすすめなのが、画像を PDF に変換する方法です。PDF なら、修正指示を簡単に書き込めるため、作業負担を大きく減らせます。
とはいえ、PDF 変換用のアプリを立ち上げたり、ファイルをアップロードしたりするのは少し面倒に感じる方もいるでしょう。そのようなとき、パソコンに有料版 Acrobat がインストールされていれば素早く変換できます。画像ファイルを右クリックして「Adobe PDF に変換」を選ぶだけで PDF に変換してくれるのです。
複数ページにわたる校正では、ページ数分の画像ファイルが送られてくることもあります。その場合、ファイルを 1 つずつ開いて内容を確認しなければなりません。
そこで Acrobat を使ってそれらを 1 つの PDF にまとめれば、確認作業を一括で進められます。
Acrobat の「すべてのツール」から「ファイルを結合」を選択し、画像ファイルを追加するだけです。事前に PDF に変換する必要はありません。画像ファイルのまま PDF への変換と結合を同時におこなってくれます。
ブラウザーで使える Acrobat オンラインツールでも画像ファイルを 1 つの PDF にまとめることができます。Acrobat オンラインツールは、画面がシンプルで分かりやすいのでおすすめです。「ファイルを結合」をクリックして画像ファイルをアップロードすると PDF に変換されます。
▲Acrobat オンラインツールに「ファイルを結合」もある
◆画像形式の原稿を PDF に変換するメリット
画像ファイルの場合、開いてすぐに文字を書き込むことができません。一方、PDF にすれば、取り消し線を引いたり、ハイライトで気になる箇所を目立たせたりと、用意されているツールを使って自由に書き込めます。
これを画像でおこなうとすると、文字の位置がずれたり、線がうまく引けなかったりと、何度も修正を繰り返すことになります。その結果、作業がスムーズに進まないことがあります。
こうした煩雑さを避けるためにも、PDF を活用しましょう。これまで紙で校正作業をしていた方には、「引き出し線付きテキストボックス」がおすすめです。文字間に先端が開いた矢印の引き出し線を入れることができ、文面上でわかりやすい指示が可能になります。
▲紙の校正と同じように文字間の修正指示ができる
ツールバーから引き出し線付きテキストボックスを追加したら、右クリックして「プロパティ」を選択します。線端のスタイルを「開いた矢印(内向き)」にし、目立たせるために境界線の太さと色を設定しましょう。その際、「プロパティをデフォルトとして使用」にチェックを入れておけば、常にその設定で利用できます。
▲「引き出し線のプロパティ」ダイアログで「開いた矢印(内向き)を選択し、太さや境界線の色を選択。「プロパティをデフォルトとして使用」にチェックを付ける
複数のメンバーで校正したい場合も、PDF が適しています。Acrobat の共有機能を使えば、各メンバーが同時に作業でき、それぞれがコメントを追加することが可能です。誰がどこにコメントしたのかが一目でわかるため、やり取りがスムーズになり、フィードバックの抜け漏れも防げます。
▲Acrobat 上で PDF を共有できる
Acrobat のスマホやタブレット用のアプリを使えば、「出先でクライアントから急な修正依頼が届いたけれど、すぐにオフィスに戻れない」という状況でも対応できます。その場で内容を確認し、コメントを追加したり、修正点を共有したりといった対応もスムーズになります。スマホで確認して、後からパソコンで修正を反映するといった使い方も可能です。
▲スマホの Acrobat アプリでも校正ができる
◆OCR を活用すればテキスト検索やコピーが可能
Acrobat には、画像内の文字をテキストとして認識できる OCR 機能があります。そのため、文章が含まれた画像を PDF にすれば、Acrobat 上でキーワード検索をして、該当箇所をすぐに見つけられます。
OCR を施した後は、画像内の文字をコピーできるようになります。大幅に修正が必要な場合でも、手打ちする必要がなく、Word のような文書作成アプリに貼り付けて編集ができます。
文字認識が可能になれば、Acrobat AI アシスタントで要約もできます。たとえば、提出した原稿をしばらく経ってから見直したいときや、ざっと内容を振り返りたいときにぴったりです。記事の監修でまとまった時間が取れないときでも、AI が要点をしっかり拾ってくれるので助かります。忙しいときこそ、AI の力を借りて効率よく内容を把握しましょう。
◆画像編集アプリより Acrobat が効率的
そもそも画像編集アプリや描画アプリは、校正を目的として設計されていないため、修正指示を入れるにはどうしても使いづらくなってしまいます。
また、画像編集アプリで保存したファイルは、1 枚あたりの容量が大きくなりがちです。その結果、全体のファイルサイズも重くなり、書き込みがしづらいだけでなく、メール添付やオンラインでの共有が難しくなることもあります。
その点、Acrobat には PDF を圧縮する機能が備わっているため、軽量化することが可能です。画質を保ちながらファイルサイズを小さくできるため、視認性を損なう心配もほとんどありません。
▲Acrobat の圧縮機能でファイルサイズを小さくできる
今回紹介したように、画像ファイルで校正するよりもPDF を活用した方が作業効率は格段に向上します。Acrobat なら「PDF 変換」から「注釈」「検索」「共有」「要約」まで、幅広く対応可能です。これまで画像ファイルのまま校正していた方は、Acrobat を使って PDF での校正を試してみてはいかがでしょうか。