「InDesignユーザーミートアップ2025」開催レポート|日本のユーザーの声をグローバル開発チームへ届け、共に進化するInDesign
2025年6月6日(金)、アドビのオフィスにて、プレリリースプログラム主催「Adobe InDesign ユーザーミートアップ 2025」を開催しましたのでご紹介します。
本イベントは、日本のInDesignユーザーとアドビの開発チームが直接対話し、現場の声を製品改善へとつなげる、日本初の対話型ミートアップとして実現しました。
開発中のビルドを用いてユーザーの声を取り入れる「プレリリースプログラム」は、InDesignの進化に欠かせない取り組みです。今回のミートアップもその一環として行われました。
リアル参加とオンライン参加を含めて、16名のプレリリースプログラムのメンバーが参加
ユーザーとアドビが直接つながる対話の場。InDesignのさらなる進化へコミットメント
司会進行の、Adobe InDesignのプレリリース コミュニティマネージャーのコントヨコ 氏
当日は、プレリリースプログラムに参加する16名のInDesignユーザーが来場。DTPや出版の第一線で活躍するベテランから、教育現場やデジタルメディアを担う若手クリエイターまで、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まりました。
ミートアップの司会進行は、長年InDesignのコミュニティを支えていただいている、プレリリース コミュニティマネージャーのコントヨコさん(@RoseKonT)が務めました。
ランチを囲みながら、参加者がそれぞれの経歴やInDesignとの関わりについて自己紹介し、和やかな雰囲気の中でミートアップはスタートしました。
参加者による、InDesignのエピソードを交えた自己紹介で和やかにミートアップはスタート
InDesign日本語版リリースから20年以上にわたり製品の進化に携わる森裕司 氏(@YUJI_id)も参加
新たにプレリリースプログラムに参加した、数式組版・編集の専門家である木枝祐介 氏(@p_typo)のピースで会場を沸かせた
オンライン参加メンバーは、トークとチャットでコミュニケーション
若手の声からベテランの視点まで——多様なユーザーの声が次の発展の大きなヒントに
ミートアップの前半では、Adobe InDesignの日本の製品担当である岩本が登壇し、参加者から事前に寄せられた質問に直接答えるQ&Aセッションを実施しました。
この時間は、InDesignに対する日頃の疑問や改善への思いを、日本の製品チームと共有できる貴重な機会となりました。
セッションでは、「InDesignの日本における今後の方向性」や「AI機能への展開」に関する率直な質問などが寄せられました。また、若手クリエイターからは「InDesignにも、Illustratorのような“カジュアルさ”が欲しい」との声もありました。この問いに対して岩本からは、「InDesignは、長らく出版や印刷のプロフェッショナル向けに発展してきた経緯があり、豊富な機能がその魅力でもあります。ただ、今後はもっとライトユーザーや新しい世代にも使っていただけるよう、柔軟な方向性を模索していきたい。ぜひ皆さんと一緒に考えていきたいです」と回答し、ユーザーとともにInDesignを進化させていく姿勢をお伝えしました。
質問に対してユーモアを交えながら回答し、会場を盛りあげるAdobe InDesign製品担当の岩本崇
このセッションを通じて改めて実感されたのは、ユーザーの声には世代・経験・用途の違いがあるからこそ、開発側にとっても多面的なヒントが得られるということです。我々アドビにとって、製品の“課題”を知るだけでなく、“どうあってほしいか”という期待や今後へのヒントに触れる機会となり、有意義な時間となりました。
日本発のリアルな声をグローバル開発チームへ届け、より使いやすいプロダクトを実現する推進力に
参加者からの機能の改善提案や期待について、具体的なデモや事例を交えながらディスカッション
インドのInDesign開発チームのクマル・ヴィニート(Kumar Vineet)と、アジット・カウル(Ajit Kaur)、アメリカのインターナショナルストラテジー&プロダクトマネジメントのルイス 安廣(Louis Yasuhiro)がオンラインで参加
後半のセッションでは、インドに拠点を持つアドビのInDesign開発チームから、プロダクトマネージャーのクマル・ヴィニート(Kumar Vineet)と、シニア リードクオリティエンジニアのアジット・カウル(Ajit Kaur)がオンラインで参加。通訳として、アメリカからサンフランシスコオフィスのインターナショナルストラテジー&プロダクトマネジメントのルイス 安廣(Louis Yasuhiro)も加わりました。
冒頭、アジットは日本の参加者に向けて、「私たちにとって、日本のお客様は非常に大切な存在です。本日この場を心から楽しみにしていましたし、皆さんと直接お話しできることをとても嬉しく思っています。今日はどんなことでも構いません。ぜひ、皆さんの率直な声を聞かせてください!」と語り、対話を重ねながらより良い製品づくりを進めていきたいという思いを込めたメッセージを伝えました。
セッションでは、日本の参加者から寄せられた「改善提案や期待」を共有しながら、具体的なデモや事例を交えてのディスカッションを行いました。
InDesignは、日本語組版に特化したプロフェッショナルツールとして、日本の出版・印刷現場で長年信頼されてきました。しかし、同時に日本語特有の処理や表現に関して、まだまだ改善の余地があるのも事実です。
日本語組版に特化した機能や、日常的な制作フローにおける不便さ、若手クリエイターからの新しい視点など、多様なフィードバックは、今後の製品改善や新機能開発に向けた重要なインサイトとなります。
インドの開発チームメンバー間でも、課題解消に向けた意見交換が行われるなど、プロダクトへの真摯な姿勢が感じられるセッションとなりました。
日々のクリエイティブで感じる機能の要望を、デモを通じてダイレクトに伝える
通訳を介して、インドの開発チームと丁寧に意見を交わしながらディスカッション
イベント終了後のアンケートでは、参加者から多くの前向きなフィードバックをいただきました。
「ユーザーからの細かな要望を真摯に受け止めてくださり、今後の開発に期待が持てました」
「直接要望を伝えられたという手応えがありました」
「InDesignがこれからも前向きに成長していくのだろうと希望が持てました」
また、「ぜひ今後も開催してほしい」「開発とユーザーの距離が近づいたことを、より多くの人に知ってもらいたい」「今回の形式はとても良かったので、継続して実施してほしい。もう少し時間が長ければさらに嬉しい」といった感想も寄せられ、継続的な開催に対する意欲を感じることができました。
クマルはこのセッションを振り返り、「本日のディスカッションは非常に参考になりました。どれも今後の開発に直結するような重要な内容ばかりで、すべて持ち帰って社内でしっかりと検討したいと思います。InDesignは長年にわたって多くの方にご利用いただいている製品です。今後も、より良い進化を目指して開発に注力してまいります」とコメントし、InDesignの今後に向けた意欲を示しました。
対面形式では初開催となった本ミートアップですが、多くの参加者が本イベントで得た経験に手応えを感じ、今後のInDesignの進化へ期待を寄せることができたのではないでしょうか。
参加者全員が、真剣な眼差しでデモの内容を見つめる
最後にアジットから、「デモやリクエストを丁寧にご用意いただき、ありがとうございます。よく理解できました!」と感謝を伝えた
ユーザーと共に成長するInDesignを目指し、プレリリースプログラムに是非ご参加ください!
InDesignは、書籍・雑誌・新聞・カタログ、同人誌など、幅広い印刷物の制作現場で長年にわたり活用されてきたプロフェッショナル向けのツールです。なかでも、日本語組版に特化した高度な対応力は、多くのクリエイターから厚い信頼を寄せられています。
今回のミートアップは、InDesignの未来をユーザーと共に考える「共創の場」として開催し、開発者とユーザー双方にとって実りある対話の機会となりました。アドビでは、皆さんからの声を単なる要望ではなく、製品の進化を導く大切なインプットと捉え、今後も継続的な対話を大切にしていきます。
参加者同士の様々なコミュニケーションが行われた
ベテランから若手まで、さまざまな立場のメンバーがプレリリースプログラムへ参加
2025年度版のInDesignには「数式」パネルを搭載し、数式組版が可能となりました。プレリリースプログラムのメンバーから寄せられたご意見をもとに、専門家の方にご参加いただき、現場視点でのブラッシュアップが進むなどの取り組みを行っています。
プレリリースプログラムは今後も、多様な世代・経験を持つInDesignユーザーの皆さんと共に歩みながら、さらなる進化を目指していきます。InDesignをもっと便利に、もっと自分らしく使いたいと願う方は、ぜひこの取り組みにご参加ください。
Adobe InDesign 日本語版 プレリリースプログラム 参加申込みはこちらから
https://forms.office.com/r/qk7CdptdUU
日本・インド・アメリカから、参加者全員の“Thank You!”でミートアップを締めくくる
これからもAdobe InDesignをよろしくお願いします!
私たちは、InDesignを単なる制作ツールではなく、皆さんのクリエイティブを支える“パートナー”でありたいと考えています。
アドビはこれからも、現場の課題に向き合い、変化し続ける制作環境の中で、ユーザーと共に前進していける製品であるためにユーザー一人ひとりの声に耳を傾けながら、InDesignをより良く進化させていきます。
これからのInDesignにも、ぜひご期待ください。
そして、次のInDesignを一緒に創っていきましょう!