画像生成 AI を始めよう!第 14 回:梅雨を彩る鮮やかな紫陽花の風景を Adobe Firefly で生成する
梅雨と言えばジメジメと鬱陶しいイメージですが、雨に濡れた紫陽花は風情があるものです。紫陽花の彩りと雨上がりの空気感が気分をリフレッシュしてくれると期待して、今回は「梅雨を彩る鮮やかな紫陽花」をテーマに、Adobe Firefly で画像を生成したいと思います。
準備は、ブラウザで Firefly web 版を開くだけです。早速、プロンプトに「紫陽花」と入力して生成してみましょう。設定はデフォルトのままです。


詳細まで表現された紫陽花です。そのせいか、ちょっとつくり物っぽさを感じます。左は、花に寄りすぎていて、ぱっと見では紫陽花だと分からないかもしれません。
細部の描写を少し緩くしたいので、「視覚的な適用量」をデフォルトの「6/8」から「4/8」に変更して生成します。プロンプトは「紫陽花」のままです。


デフォルトよりも、自然な感じの画になりました。スナップ写真っぽいものを生成したいときは、この設定の方が良さそうです。
紫陽花の描写はこれでよいことにして、次は紫陽花のある風景を生成します。新しいプロンプトは、「雨上がりの濡れた小径に紫陽花が咲いている」です。


左は、小径の横に古びた民家が生成されました。日本のどこかにありそうな風景です。右の紫陽花も、少し緑が鮮やかすぎる気はしますがわるくありません。
もう少し紫陽花の主役感を出したいので、カメラを紫陽花に寄せてみましょう。スタイルの「カメラアングル」に、「クローズアップ」を指定して生成します。


左は狙い通りに手前の紫陽花がフォーカスされた画になりました。派手過ぎない紫色の紫陽花がしっとりと濡れて、梅雨の感じがよく出ています。奥の塀は、いい感じにボケています。右は、紫陽花が舗装路に接してしまいました。「クローズアップ」では、重力に抗えない紫陽花が生成される傾向があるようです。
そこで、「カメラアングル」を「マクロ」に変えてみます。


やはり、紫陽花が路面に崩れるような構図になってしまいました。気分をリフレッシュするというよりも、落ち込ませてしまいそうな光景です。
もしかすると、プロンプトの「小径に咲いて」という指示が良くないのかもしれません。試しにこれを「小径の脇に咲いて」に変更してみましょう。新しいプロンプトは、「雨上がりの濡れた小径の脇に紫陽花が咲いている」です。


「カメラアングル」は「マクロ」のままですが、紫陽花の花が路面についていません!右はちょっと落ちかかっていますが、何とか踏ん張ってくれました。
左は、雨上がりの柔らかい日差しと、リアリティのある落ち着いた色合いがいい感じです。右は、曇天の光と高い湿度が梅雨を感じさせます。
ついでに、「カメラアングル」の「クローズアップ」も試しておきましょう。


こちらも紫陽花が路面についていません!(右はちょっと怪しいですが…)
「マクロ」よりも全体的に明るくて、少し街から離れた場所の静寂を感じます。どちらも生成された感は弱く、特に右は、花びらの表面、濡れた葉、背景のアスファルトなどの質感が写実的です。
ボケはあった方が雰囲気が出そうなので、「カメラアングル」の「浅い被写界深度」も試してみることにします。


フォーカスが手前ではなく、少し先に当たりました。このカメラの方が構図にバリエーションを出せそうです。左は、手前が少しボケすぎたようですが、未舗装の小径が表現されたのは初めてです。右は、天気雨の情景で、清々しい空気感があります。
「カメラアングル」は「浅い被写界深度」に固定することにします。そして、他のスタイル効果を追加します。まず、「カラーとトーン」に「寒色」を指定します。


青一色の紫陽花が生成されました。左は、淡く落ち着いた青い紫陽花により、梅雨が強調されたような一枚です。右は、非現実な感じのある濃い青の紫陽花で、舗装も青く反射しています。
次は、「カラーとトーン」に「鮮やかなカラー」を指定します。


左は、鮮明な色の紫陽花に新緑の緑が鮮やかです。ハイライトは自然で、ややインスタ風のつくりものっぽさはありつつ、リアルさと美しさのバランスがとれています。右は、色とりどりの紫陽花が生成されました。現実にはなさそうな光景ですが、カラフルで印象に残る一枚です。
続けて、「カラーとトーン」に「調色した画像」を指定します。


ぼかしフィルタをかけたような描写になりました。左は、全体のボケ感と色が美しく、詩的な空気感のある一枚です。紫陽花の存在感が強すぎないので、上に文字を乗せたい時などには使えるかもしれません。右は、さすがにちょっと露出オーバーでしょうか。
「調色した画像」の雰囲気が気に入ったので、「浅い被写界深度」と「調色した画像」はそのままにして、さらに追加で、スタイルの「効果」から「ボケ効果」を指定します。


焦点が明確になりました。左は、紫陽花の存在感が控えめではあるものの、全体が明るい霧に包まれて清々しさを感じます。右は、都会の静寂が演出されていて幻想的です。面白い構図です。
最後に、「ボケ効果」に変えて「新表現主義」を指定します。「浅い被写界深度」と「調色した画像」はそのままです。


日常感が強まったようですが、相変わらず詩的です。特に、右は、白っぽくてふんわりとしたボケ感が情緒的です。よくみると、しとしと降る雨も表現されています。葉先の水滴のツヤもリアルです。
ということで、今回の一枚はこれ ↓ にします。雨の日の紫陽花の美しさが表現されている、やさしい雰囲気の一枚です。道の濡れた質感にはリアリティがあり、視線が自然に手前から遠くへと動く構図もなかなかです。
<番外編 >
「スタイル参照」を使用して、いくつか画像を生成してみます。プロンプトは同じく「雨上がりの濡れた小径の脇に紫陽花が咲いている」で、「視覚的な適用量」は「4/8」のままです。「効果」はすべて「なし」に戻しています。生成画像の前の小さなサムネイル画像は、参照画像としてギャラリーから選んだ画像です。
参照画像:「Acrylic and oil」カテゴリー


半抽象的な紫陽花の美しい風景画です。ペールトーンの紫陽花がバランスよく並べられていて、幻想的でありつつ温かみも感じられます。
参照画像:「Acrylic and oil」カテゴリー


クラシックな油彩です。ヨーロッパの風景画といった雰囲気です。道の水たまりの映り込みが美しく表現されています。
参照画像:「 Watercolor 」カテゴリー


透明感があります。こちらは、水たまりの部分に紫陽花の色彩が映り込んでいてきれいです。
※設定:上記全て、モデル= Image4、縦横比= 4:3、コンテンツの種類=自動、構成=なし、スタイル【効果】ライト=なし
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