画像生成 AI を始めよう!第 15 回:願いが叶ないそうな七夕の夜空を Adobe Firefly で生成する

七夕は、織姫と彦星が一年に一度だけ天の川を渡って再会する日です。でも、雨が降ったら台無しです。そこで保険として、今のうちに天の川が輝く壮大な夜空を、生成 AI の力を借りて用意しておきたいと思います。今回は「願いが叶ないそうな七夕の夜空」をテーマに、Adobe Firefly で画像を生成します。

準備は、ブラウザで Firefly web 版を開くだけです。早速、プロンプトに「七夕の夜空」と入力して生成してみましょう。設定はデフォルトのままです。

どうにも七夕らしくない画像が生成されました。「七夕」だけでは通じないようなので、初心に戻って、プロンプトに生成して欲しいものを具体的に書くことにしましょう。新しいプロンプトは、「無数の星がきらめき、天の川が広がる夏の夜空。透明感のある青と紺の滑らかなグラデーション。」です。

また、「視覚的な適用量」が大きいと生成される要素が多くなるため、静かな夜の雰囲気が出にくいかもしれません。そこで値をデフォルトの 6/8 から 2/8 に変更します。生成した結果が以下の画像です。

写実的でありつつアニメの背景っぽさもあるといったバランスになりました。星空、草原、山並みを含む自然風景が、繊細なタッチで描かれています。プロンプトを変更した甲斐あって、天の川の構図もいい感じです。

もう少しリアルな感じを出したいので、「スタイル参照」を使います。ギャラリーの Landscapes カテゴリーからそれらしい画像 ↓ を参照画像に選びます。

広い夜空になるように「カメラアングル」には「広角」を指定します。参照画像が明るすぎるように見えるので、効果も追加します。効果の「効果」カテゴリーから「暗い」と「空想的な描写」の 2 つを指定してみます。

より写実的な描写になりました。星空の密度が高く、広角レンズによる空の広がりとスケール感があります。天の川はディテールが繊細に描かれていますが、色調の変化が急なためか、若干のノイズが気になります。

やや平坦な構図なので、「効果」カテゴリーの「魚眼」をさらに追加してみます。

期待していたほど魚眼っぽくはありませんが、山並みが緩やかにカーブを描き、夕暮れ時から夜の暗闇へ移る瞬間の、ドラマチックで空に包まれるような感じが表現された画になりました。特に、右の画像は、下から上への明暗のグラデーションがきれいです。

参照画像を変えてみます。ギャラリーの Landscapes カテゴリーからこの画像 ↓ を指定します。

いったん、「魚眼」は無しに戻して、「暗い」と「空想的な描写」だけにします。カメラアングルは「広角」のままです。

オレンジ色から紺色へのグラデーションの美しい画像が生成されました。視線の導線も自然です。こちらの参照画像の方が、星の粒感がしっかりしているようです。

再び、「効果」カテゴリーの「魚眼」を追加してみます。

やはり、天の川付近の青い色と下側のオレンジ色の対比がきれいです。左は、木々のシルエットに動きがあり、空との一体感が感じられます。

もう少しリアルな感じに近づけたいので、「視覚的な適用量」を 3/8 に増やします。参照画像は、ギャラリーの Landscapes カテゴリーからこの画像 ↓ を指定します。

相変わらず参照画像が明るいので、「効果」カテゴリーの「暗い」と「空想的な描写」は、そのまま指定します。「魚眼」はそれほど大きな違いが出なかったので外します。カメラアングルは「広角」のままです。

エメラルドグリーンのグラデーションが特徴的で、オーロラを想起させる幻想的な表現です。天の川はややソフトフォーカス気味で、水彩画のようににじんでいます。静謐で神秘的なのはよいとして、まだリアルな夜空らしさは不足気味のようです。

「視覚的な適用量」を 4/8 に増やします。参照画像は、ギャラリーの Landscapes カテゴリーからこの画像 ↓ を指定します。

参照画像に青みが無いので、「カラーとトーン」の「寒色」を追加します。

参照画像が明るいため、夜空というよりは夕暮れの空っぽくなりました。画としては非現実的に見えますが、より写実的にはなったようです。

さらに「視覚的な適用量」を増やして 5/8 にします。参照画像は、ギャラリーの Landscapes カテゴリーからこの画像 ↓ を指定します。

「カラーとトーン」は「なし」に戻します。「効果」の「暗い」および「空想的な描写」と「カメラアングル」の「広角」はそのままです。

天の川の描き方がさらに丁寧になったようです。右は、ちょっと切り貼りした感がなくはないものの、夜空の色味がよい感じです。地平線付近の淡いグラデーションが時間帯を示唆しているようです。

動きのある構図を期待して、「魚眼」を追加して生成してみます。

風景の周囲が歪み、ドラマチックな構図に変化しました。天の川もアーチ型になりました。四方が暗くなったことで深みが増しています。

「魚眼」の効果が弱目に出てばかりなのが気になるため、試しに、効果を指定する順番を変えてみます。「魚眼」「空想的な描写」「暗い」の順に変更します。

魚眼が効いています!周囲がかなり歪曲して、頭上を見上げるような視線になりました。ユニークでダイナミックな構図です。天の川は、アーチというよりも、立ち上る一本の線になるようです。空は周囲がやや明るめで、夜明けが近そうな雰囲気です。指定する効果が 3 つ以上になると、順番による差が生まれるのかもしれません。

今回の一枚はこれ ↓ にします。天の川が地平線にかかる橋のようです。魚眼レンズの湾曲と天の川のアーチが組み合わされた構図は動きを、湖面は落ち着きを感じさせます。空は明るめですが、星粒はしっかり表現されていて、ノイズはそこまで気になりません。

<番外編 >

「スタイル参照」を使用して、絵画風の画像も生成してみます。プロンプトは同じく「無数の星がきらめき、天の川が広がる夏の夜空。透明感のある青と紺の滑らかなグラデーション。」です。「視覚的な適用量」は、まだ試していない「8/8」にします。「カメラアングル」は「広角」のままですが、「効果」は「なし」に戻します。

参照画像:「Watercolor」カテゴリー

絵の具で描いた夜の星空が生成されました。スパッタリング的なブラシで星の密集を描き込み、青色の濃淡で動きを演出しています。詩的で、静けさと広がりを感じます。

参照画像:「Texture」カテゴリー

「効果」に「暗い」と「空想的な描写」、「カラーとトーン」に「寒色」を指定します。

カラフルで彩度が非常に高く、視覚的なインパクトがあります。幻想的な異世界の星空といった雰囲気です。

参照画像:「Watercolor」カテゴリー

これも、「効果」に「暗い」と「空想的な描写」、「カラーとトーン」に「寒色」を指定します。

水墨画風で硬質な色遣いですが、ちゃんと夜空らしさが感じられます。右は、天の川も山々も弧を描いていて構図が大胆です。

参照画像:「Acrylic and oil」カテゴリー

「効果」に「暗い」を指定します。

非現実的な世界です。左は、手前の草原と夜空のタッチに躍動感があります。右は、ブルーと金色のコントラストが斬新な、壮大な風景です。

※設定:上記全て、モデル= Image4、縦横比= 4:3、コンテンツの種類=自動、構成=なし、スタイル【強度】=中、スタイル【効果】ライト=なし

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