やってみよう Adobe Firefly!第 3 回:Photoshop「画像を生成」でブラシ素材を生成

まだ Adobe Firefly を実戦で試した経験のない人が、具体的な制作プロセスを通じて Firefly の生成機能の便利さを体験できるオンライン番組が「やってみよう Adobe Firefly!」です。その第 3 回が、7 月 15 日に配信されました。

今回の内容は、Adobe Photoshop の「画像を生成」機能を活用して、ブラシ素材を生成し、デザインに役立てる手順の紹介です。番組のアーカイブ動画が公開されていますので、都合が合わなくて見逃した方や、もう一度内容を確認したい方はぜひご覧ください。

番組内で教材として使用しているサンプルファイルと、学び方が書かれたステップガイドは、ワークショップキットとして公開されています。ダウンロードして、自習、復習、個人的な勉強会などにご活用ください。ステップガイドには、番組内で紹介されなかったヒントや注意点も書かれています。ダウンロードリンクはこちら(ZIP: 117MB)です。

アーカイブ動画には、視聴者を代表して生徒役が登場し、Photoshop と Firefly を使って課題を進めます。ワークショップキットはダウンロードしたけれどもひとりで学習するのは不安という方は、上の動画を見ながら学習するのがおすすめです。

ワークショップの内容

ワークショップキットは、全部で 4 つのステップから構成されています。まずテキストから画像を生成する基本手順、続けてブラシ素材に使える画像を生成する方法、最後に構図を指定してブラシ素材を生成するテクニックを学びます。

1. Photoshop の「画像を生成」とは

Photoshop の「画像を生成」は、テキストによる指示を入力するだけで、画像を生成できる機能です。このステップでは、「画像を生成」機能の基本的な使い方を学びます。(動画: 8 分 43 秒から)

2. 雲の画像を生成してブラシを作成する

「画像を生成」を活用すれば、オリジナルのブラシ素材を簡単につくれます。このステップでは、雲の画像を生成して、それをブラシとして登録し、デザインに使用する方法を学びます。(動画: 17 分 26 秒から)

3. 泡の画像を生成してブラシを作成する

このステップでは、泡の画像を生成して、それをブラシとして登録し、デザインに使用する方法を学びます。また、Photoshop のもうひとつの生成 AI 機能である「生成塗りつぶし」を利用して、デザインに泡を追加する方法との比較も学びます。(動画: 31 分 09 秒から)

4. 水飛沫の画像を生成してブラシを作成する

「画像を生成」には、生成する画像の構図を指定できる「コンポジション」というオプションがあります。このステップでは、コンポジションを活用して、狙った構図の水飛沫の画像を生成する方法を学びます。また、ブラシの色を変更して使用する方法も学びます。(動画: 41 分 15 秒から)

Firefly お悩み相談室

番組中には、事前アンケートに寄せられた Firefly に関するお悩みに出演者が回答するコーナーもありました。(動画: 24 分 22 秒から)

今回取り上げられたお悩みは、以下の 2 つです。

参加者からの質問への回答

「やってみよう Adobe Firefly!」のライブページには Q&A パネルがあり、参加者はその場で聞きたいことを質問できます。以下は、配信中に寄せられた質問と、その回答です。

Q: 画像を生成する大きさはどのように指定しますか?アートボードのサイズになってしまうのでしょうか?
A: 「画像を生成」ではアートボードのサイズを意識した画像が生成されます。 そのため、生成したいイメージに合わせてアートボードの比率をあらかじめ調整しておくのがおすすめです。たとえば、横に広がる雲を生成したい場合は横長のアートボードにしておくと、意図に合った形で生成されやすくなります。

Q: スタイルとコンポジションに同じ画像を使えますか?
A: 使えます。構図も雰囲気も似たような画像になります。

Q: Firefly は、コンポジションが犬だとわかっているのでしょうか?
A: 画像内のシルエット情報とプロンプトの内容を組み合わせて判断してくれます。 つまり、シルエットだけで「犬」と断定しているわけではなく、プロンプトに「犬」と書かれていれば、その形が犬であると認識してくれます。 プロンプトとの整合性が重要なので、形に加えて明確な指示をプロンプトで伝えることが大切です。

Q: プロンプト「黒い雲、白背景」で生成すれば、初めから白背景の画像が作れて楽なのではないでしょうか?
A: 生成自体は可能で、ブラシ登録もできます。ただし、雲の光が当たっている上のハイライト部分は白になるので、白のブラシで描画した場合い色が反転した状態になります。

Q: 白いものしかブラシにできないですか?
A: 「白いものしかブラシにできない」わけではなく、Photoshop のブラシとして登録されるのは“黒”の部分です。 具体的には以下のようなルールになります。 ✅ ブラシ登録時の基本ルール ・ 黒い部分ほど濃く描画される ・ 白い部分は透明になる ・グレーは半透明になる ブラシ使用時の描画色を変えれば様々な色で使えます。

Q: ブラシ素材に向いているもの、向いていないものがありそうです。有機的な形状のものが良いのでしょうか?他にも作れそうなものはありますか?
A: おっしゃる通りです。ブラシ素材に向いているもの/向いていないものには明確な傾向があります。 ✅ ブラシ素材に向いているもの(おすすめ) 自然で有機的な形状/ランダムなディテールを持つもの _ 雲、煙、水しぶき、泡、霧、木の葉、草、花びら、砂、雪などなど ⚠️ ブラシ素材に不向きなもの 明確な構造や意味を持つ形 _ 人物や動物、アイコン、ロゴ、工業製品などの直線的で明瞭なオブジェクト

Q: 実務で使う場合は、レイヤーを分けてブラシを使ったほうがいいのでしょうか?
A: 分けたほがいいです。後から位置やサイズ変更が簡単になります。

Q: プロンプトの一つの言語に限定しないといけないんでしょうか。例えば日本語と英語を混ぜる事は可能ですか。
A: プロンプトに複数の言語(たとえば日本語+英語)を混ぜて入力することも可能です。 混在は「可能」ですが、推奨されるのは「どちらか 1 言語で統一」です。

Q: ブラシのサイズを後から変えることはできないのですか?見直した時に、サイズ調整をしたくなることがありそうです。
A: はい、ご指摘の通りです。 Photoshop のブラシは、一度描画してしまうと「描いた後のブラシサイズ」は直接変更できません。 サイズや位置の調整ができるように、ブラシで描画するたびに新しいレイヤーを使うのがおすすめです。

Q: 生成塗りつぶしで、プロンプトが泡ではなくてガラス玉なのは理由がありますか?
A: 泡でも良いのですが、「同じ透明系でもプロンプトによって表現が変わる」という例として、「ガラス玉」を使っています。 目的に応じて泡/ガラス/クリスタルなど、表現したい質感に近い言葉を試してみるのがオススメです!

Q: 森の景色が反射で映り込んだ泡、みたいなプロンプトがなかなか効かないイメージがあるのですがコツとかありますか?だいたい占いの水晶玉みたいに泡の中に森が描かれちゃいます
A: 映り込みの表現は、生成 AI にとってやや難易度の高いテーマです。 おっしゃる通り「泡に背景が映り込んでいる」という意図でも、泡の中に風景が描かれたような表現(まるで水晶玉のような描写)になりやすい傾向があります。 うまくいくとは限りませんが、プロンプトに 「泡の表面に背景が反射している様子」や 「背景が泡に映り込んでいる反射表現」といった言葉を加えることで、うまくいくことがあります!

Q: コンポジションの強さの指定の目安はありますか?慣れればわかってくるものでしょうか?
A: コンポジションの強さは 3 段階しかないので、慣れればすぐにコツを掴めると思います。 構図のどの程度を AI に反映させたいかに応じて使い分けましょう。 弱め:構図はざっくりと認識される程度。自由な生成をさせたいときに。 中間:構図をある程度保ちつつも、AI の解釈も加えられるバランス型。 強め:構図がかなり忠実に再現される。ラフの形や配置をしっかり反映させたいときに。

Q: コンポジションの説明で使われている画像は、プロンプト無しで、画像を参照するだけで生成できるのでしょうか?
A: コンポジションの説明に使用している画像は、かなり長めのプロンプトを使って生成しています。プロンプトは、Adobe Fireflyのトップページにある「ギャラリー」を参考にしました。また、合成やレタッチも行なっています。

Q: ブラシのカラーはグラデーションにできますか?
A: ブラシ描画時にグラデーション指定はできませんが、描画後にレイヤースタイルの「グラデーションオーバーレイ」などを使えば対応可能です。

Q: ブラシにするものは基本1色のものという考えがわかりやすいですか?
A: はい、その通りです。 Photoshop のブラシは「1 色の濃淡」で形を表現する仕組みなので、単色で明暗がついた素材が最適です。黒が最も濃く描画され、白は透明として扱われます。(色がついていても明暗のみが反映されます)

Q: プロンプトは実在する建物や場所、人物でもよいのでしょうか?
A: Firefly は、Adobe Stock の素材と著作権の無い一般コンテンツのみを学習しています。偶然似た画像が生成される可能性はゼロではありませんが、Firefly が学習していない人や物をプロンプトに記述することに意味はないと考えて良いと思います。なお、生成された画像に対して実在の建物や場所の権利者あるいは実在の人物からクレームが入るとしても、ユーザーの責任で対処していただく必要があります。

Firefly を利用するには生成クレジットが必要です。現在お持ちの生成クレジットを確認する方法は、こちらをご覧ください。

その他の生成クレジットに関するよくある質問は、こちらのページをご覧ください。