やってみよう Adobe Firefly!第 2 回:トンマナを揃えたイラストを生成してデザインに活用
まだ Adobe Firefly を実戦で試した経験のない人が、具体的な制作プロセスを通じて Firefly の生成機能の便利さを体験できるオンライン番組が「やってみよう Adobe Firefly!」です。その第 2 回が、6 月 24 日に配信されました。
今回の内容は、Adobe Illustrator の「ベクターを生成」機能を活用して、狙ったテイストのイラストを生成する手法と、トンマナを揃えた複数のイラストを生成する手順です。アーカイブ動画が公開されていますので、都合が合わなくて見逃した方や、もう一度内容を確認したい方はぜひご覧ください。
番組内で教材として使用しているサンプルファイルと学び方が書かれたステップガイドは、ワークショップキットとして公開されています。ダウンロードして、自習、復習、個人的な勉強会などにご活用ください。ステップガイドには、番組内で紹介されなかったヒントや注意点も書かれています。ダウンロードリンクはこちら(ZIP: 46MB)です。
アーカイブ動画には、視聴者を代表して生徒役が登場し、Illustrator と Firefly を使って課題を進めます。ワークショップキットはダウンロードしたけれどもひとりで学習するのは不安という方は、上の動画を見ながら学習するのがおすすめです。
ワークショップの内容
ワークショップキットは、全部で 4 つのステップから構成されています。まずベクターイラストを生成する基本手順、続けて特定のスタイルのイラストを生成する 2 種類の方法、最後にトンマナを揃えてイラストを生成するテクニックを学びます。
1. Illustrator の「ベクターを生成」とは
Illustrator の「ベクターを生成」は、テキストによる指示を入力するだけで、ベクター形式のイラストを生成できる機能です。このステップでは、「ベクターを生成」機能の基本的な使い方を学びます。(動画: 9 分 13 秒から)
ステップガイドより抜粋
2. レトロでお洒落な線画イラストを生成する
生成する際に、「落書き」のスタイルとカラーの設定を組み合わせると、レトロでお洒落な線画イラストを生成できます。このステップでは、カクテルの線画イラストを生成してフライヤーを制作する方法を学びます。(動画: 24 分 40 秒から)
ステップガイドより抜粋
3. リアルな質感の水彩風イラストを生成する
「ベクターを生成」機能の、他の画像のスタイルを参照するオプションを使用すると、欲しいテイストの水彩風イラストを生成できます。このステップでは、水彩風の画像を参照して、同じ水彩スタイルのイチゴのイラストを生成する手順を学びます。(動画: 35 分 35 秒から)
ステップガイドより抜粋
4. トンマナを揃えて大量のイラストを生成する
生成 AI では、生成するたびに線の太さや色味にバラつきが出ることがあります。これは、複数のイラストを生成して一緒に使いたいときに問題になります。このステップでは、Firefly のスタイル参照を活用して、生成するイラストのトンマナを揃える方法を学びます。(動画: 47 分 45 秒から)
ステップガイドより抜粋
参加者からの質問への回答
「やってみよう Adobe Firefly!」のライブページには Q&A パネルがあり、参加者はその場で聞きたいことを質問できます。以下は、配信中に寄せられた質問と、その回答です。
Q: スタイル参照は、JPG や PNG をアップロードするよりも、SVG の方が的中率が上がるのでしょうか
A: スタイル参照は、色味・質感・線の太さなど「見た目」の情報を適用します。SVG のようなベクターデータをアップロードしても、ベクター情報が活用されるわけではありません。そのため、ビットマップ画像と的中率は基本的に同じです!
Q: 効果とかカラーを設定するのと、プロンプトでスタイル指示するとのではどちらの方が効力が強いですか?
A: 基本的には「効果」や「カラーの設定」の方が優先されます!プロンプトと設定が矛盾していると、AI が意図を正しく読み取れず、思った通りの結果にならないことがあります。 そのため、プロンプトと設定内容がバッティングしないよう注意するのがポイントです。まずはプロンプトだけで生成してみて、うまく表現できない場合に「効果」や「カラー」の設定を追加する方法が効率的です。
Q: スタイル参照に使う画像はイラレに読み込んでから指定する必要があるのでしょうか?
A: はい、スタイル参照に使いたい画像は、Illustrator のアートボード上に配置してから指定する必要があります!
Q: 長方形をベースに「ベクターを生成」していますが、「生成塗りつぶしシェイプ」とはどう使い分ければ良いですか?
A: 「ベクターを生成」で長方形を使ったのは、サイズや比率をざっくりと指定したかったためです!一方、「生成塗りつぶし(シェイプ)」は、特定のシルエットにぴったり合うイラストを生成したいときに適しています。 特定の輪郭に沿ったデザインを作りたい場合に便利です。
Q: ベクターを生成する際に使いたい色を指定することはできますか?
A: 色を指定することは可能です!スタイル設定内の「カラーとトーン」ボタンから、カラープリセットや使用するカラー数を指定できます。スウォッチに登録した色を選ぶことも可能なので、使いたい色をあらかじめ設定しておくこともできます。
Q: スタイル参照は塗りやテイストを似せるだけでしょうか?イラストの絵柄などは寄せることができるのでしょうか?
A: 基本的には「色味」「質感」「線のタッチ」などのスタイル(視覚的な雰囲気)を反映する機能です!描かれている対象や構図(絵柄)を再現するものではありません。線の太さや塗りの有無、ざっくりとしたバランス感などはある程度影響を受けるため、結果として「絵柄が似て見える」ケースはありますが、キャラクターの顔やポーズ、特定のモチーフの形状などを再現することはできません。
Q: 参照画像はベクターでもできますか?
A: できます!
Q: 画像を指定した場合、効果で指定したスタイルはどうなりますか?
A: スタイル参照と効果は併用できますが、通常は「スタイル参照」が優先されます!スタイル参照を設定すると、その画像の色味・質感・線の太さなどが強く反映されるため、効果で指定したスタイル(例:ピクセルアートやコミックなど)の影響は弱まるか、無効になることもあります。
Q: 資料に Firefly web 版で生成した参照画像とありますが、これらはプロンプトだけで生成しているのですか?
A: プロンプトだけで生成しています!まずはプロンプトだけで生成してみて、うまく表現できない場合に「効果」などの設定を追加する方法が効果的です。
Q: スタイル参照を使っている場合は、線画とか水彩とかの補足のプロンプトは入れない方が良いのですか?
A: 明確なスタイルを持つ参照画像がある場合は、基本的に補足プロンプトは不要です!スタイル参照だけでも十分に雰囲気が反映されるため、むやみにプロンプトを加えると AI が混乱し、意図しない結果になることがあります。ただし、「もっと水彩らしくしたい」など、スタイルを強調したい場合は、補足的にキーワードを入れることで微調整できることもあります。
Q: カラープリセットを追加することはできますか?
A: プリセットは追加できないですが、スウォッチに登録した色を選ぶことが可能なので、使いたい色をあらかじめ設定することはできます。
Q: Adobe Stock でダウンロードした画像は参照に使っても問題ないでしょうか?ライセンスにもよりますか?
A: 正しくライセンスを取得した Adobe Stock の画像は、フリー素材を含めて Firefly に参照させることができます。ただし、他の生成 AI に使用することはできませんのでご注意ください。
Q: スタイル参照では、色まで寄せられるということですが、色を寄せられないようにするにはどうすればいいですか?
A: スタイル参照では色味も強く反映されるため、意図と異なる配色になることがあります。生成したいイラストのイメージに近い参照画像を用意することで、不要な色の影響を避けられます。
Q: 今回、白黒画像でスタイル参照していますが、色付き画像を参照する場合はトンマナを合わせるのが難しくなりますか?(先程の STEP で色味に影響を受けるということですが)
A: トンマナは合わせやすいです。色付き画像だと色味も影響を受けるため、異なる色味の素材を揃えたい場合は、色別に参照画像を用意することが必要になります。
Q: Adobe Stock で購入したイラストを スタイル参照して別のポーズを作成することは違法でしょうか?
A: Firefly のスタイル参照に使用することは問題ありません。
Q: PDF 最後のサラダメニューのサンプルですが、色が赤系と緑系とあります。その場合は、参照するスタイルも色別に複数用意しないといけないのでしょうか?
A: その通りです。異なる色調のビジュアルを一貫したトンマナで展開したい場合は、赤系用・緑系用といったように、それぞれの色調にスタイル参照用の画像を用意するのがコツです。
Q: プロンプトではなく、写真などの画像を、元画像にしてイラストなどに加工することはできますか?
A: Firefly には、画像から画像(含イラスト)を生成する機能はありません。写真をイラスト調に変換したい場合は、Photoshop のフィルターなど別のツールを使用するのが現実的です。
Q: フリー素材を参照するのは著作人格権を侵害しないのでしょうか?
A: Adobe Stock のフリー素材を Firefly に参照させるのであれば大丈夫です。
Firefly を利用するには生成クレジットが必要です。現在お持ちの生成クレジットを確認する方法は、こちらをご覧ください。
その他の生成クレジットに関するよくある質問は、こちらのページをご覧ください。