MAX 2021:ビデオ&オーディオ製品の最新リリース
Adobe Creative Cloudのビデオ&オーディオアプリの最新リリースの提供がスタート。Adobe After Effectsでは、パブリックベータ版に搭載していたマルチフレームレンダリングが利用可能に。Adobe Premiere Proでは、H.264や、HEVCフォーマットに対応した新しいカラーマネジメントを搭載しました。
本日、Adobe Creative Cloudのビデオ&オーディオアプリの最新リリースを提供開始しました。新機能の追加やワークフローの強化により、映像編集のプロからソーシャルストーリーテラーまで、クリエイティブな作業を円滑に進めることができます。
Adobe Premiere Pro、Adobe After Effects、Adobe Creative Cloudの正規ユーザーにはビデオ&オーディオアプリのベータ版へのアクセスが提供されています。Premiere Proに搭載されたオーディオのリミックスのような新機能を試したり、機能強化に対するフィードバックを開発チームに送ったりすることができます。
Adobe After Effectsの新機能
パブリックベータ版の成功を受けて、Adobe After Effectsでマルチフレームレンダリングが利用可能になりました。最大4倍のパフォーマンスを発揮するマルチフレームレンダリングは、CPUを最大限に活用することで、クリエイティブな作業を加速します。Roto Brush 2をはじめとするAdobe Senseiを搭載した機能もマルチフレームレンダリングに最適化されており、ロトスコーピングが最大で300%高速化されています。
それだけではありません。Adobe After Effectsチームは、ワークフローの効率化を総合的に検討し、システムがアイドル状態のときにバックグラウンドでコンポジションを自動的にレンダリングするためのスペキュラティブプレビューなど、クリエイティブな作業を加速するための機能を導入しました。コンポジションプロファイラーは、デザインの中で処理時間に最も大きな影響を与えるレイヤーやエフェクトをハイライト表示するため、ユーザーはプロジェクトを最適化してレンダリングを高速化することができます。
書き出しに関しては、再設計されたレンダーキューが進行中のレンダリングに関する情報を提供し、レンダリングが完了するとAdobe Creative Cloudアプリを介してデスクトップやユーザーのスマートフォン、スマートウォッチに通知が送られます。書き出し中も作業を続ける必要があるモーションデザイナーは、Adobe Media Encoderを使ってバックグラウンドでコンポジションをレンダリングすることができます。Adobe After EffectsのレンダリングもAdobe Media Encoder経由で高速化されます。
Adobe After Effects(パブリックベータ版)の新機能
Adobe Senseiを搭載したシーン編集検出は、レンダリング済みのクリップの編集点を自動的に識別し、カットポイントにマーカーを配置したり、クリップを個別のレイヤーに分離したりします。これにより、編集したビデオクリップの一部を再利用したり、特定のクリップにモーショングラフィックスやビジュアルエフェクトを適用したりすることが、より迅速かつ容易になります。この機能は、昨年Adobe Premiere Proでリリースされたもので、Adobe After Effects (ベータ版)にも搭載されています。
Adobe After Effects (ベータ版)の、Adobe Senseiを搭載したシーン編集検出
Adobe After Effects (ベータ版)のApple M1ネイティブ対応は、Adobe After Effectsのアーキテクチャをさらに近代化することで、Appleシリコン搭載Macにおけるパフォーマンスを向上させています。
Adobe After Effectsの新機能一覧はこちらです。
Adobe Premiere Proの新機能
Adobe Premiere Proの音声テキスト変換のアップデートにより、対応する13の言語でポップカルチャー用語の変換精度が向上し、日付や数字のフォーマットが改善され、キャプションをサイドカーファイルとしてのみ書き出す新しいオプションが追加されたことで、映像エディターやクリエイターの作業時間がさらに短縮しました。新しいシーケンスの簡略化では、ギャップ、未使用のトラック、ユーザーが指定したクリップ、またはエフェクトなどを削除して、現在のシーケンスのクリーンなコピーを作成することができます。この機能は、プロジェクトの共有、書き出し、アーカイブ化を効率的に行うのに適しています。
最新のミラーレスカメラやiPhoneの10ビットおよびHDRメディアを含むH.264およびHEVCフォーマットに対応した新しいカラーマネジメントにより、Adobe Premiere Proは読み込み時と書き出し時に正しいカラースペースで映像を解釈し、カラー対応したベクトルスコープやカーブコントロールの改良などのLumetri機能の強化により、カラーワークフローを効率化します。10ビットフォーマットは、Adobe Premiere Proでのグレーディングにおいて、より多くのカラーディテールとレンジを提供します。また、10ビット422 HEVCのハードウェアアクセラレーション(英語)は、AppleシリコンMacおよびWindows Intelマシンでのこれらのフォーマットのスムーズな再生を可能にします。
Adobe Premiere Proのカラー対応したベクトルスコープとカーブコントロール
Adobe Premiere Pro(パブリックベータ版)の新機能
Adobe Senseiを搭載したリミックス機能は、音楽トラックを、映像にマッチするようにインテリジェントに再配置します。レーザーツールでカットしたり、クロスフェードを手動で適用する代わりに、リミックス機能はその作業を数秒で行ったりします。Adobe Sensei AIテクノロジーを搭載したリミックス機能は、楽曲のオーディオパターンと音の強弱を分析し、特定の尺に収まる新しいミックスを生成します。Adobe Auditionに先行搭載されたリミックス機能が、Adobe Premiere Pro (ベータ版)でもお試しいただけるようになりました。
オンデバイス音声テキスト変換は、より高速な書き起こしパフォーマンスを実現し、映像エディターやクリエイターがインターネットに接続せずに音声テキスト変換を使用できるようにします。この機能は、希望者が言語パックをダウンロードし、ベータ版のビルドにインストールすることで利用可能になります。この機能の最初のパブリックベータは、英語のみに対応しています。
Adobe Premiere Proの新機能一覧は<u>こちら</u>です。
Adobe Character Animatorの新機能
Adobe Sensei搭載のボディートラッカー:Adobe Character Animatorでは、アニメーションやキーフレーム付けの経験がないクリエイターでも、自分の身体の動きやジェスチャーを使ってパペットをアニメーションできるようになりました。カメラに向かって動けば、パペットも一緒に動いてくれます。
Adobe Character Animator(パブリックベータ版)の新機能
パペットメーカーを使えば、アニメーターはキャラクター作成をアプリ内で、Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorを使わずに完結できます。さまざまなキャラクタースタイルを選択してヘアスタイル、スキントーン、アクセサリーなどをカスタマイズすれば、すぐにアニメーション作りに取りかかれます。
書き起こしベースのリップシンク(英語)は、Adobe Senseiの機械学習テクノロジーにより、書き起こしテキストからキャラクターのリップシンクを正確におこなう機能で、クリエイターは口の形がより正確に同期するアニメーションを作成できます。
Adobe Character Animatorの新機能一覧は<u>こちら</u>です。
統一されたバージョン番号によるシンプルなアップデート
本日のリリースで、アドビのビデオ&オーディオアプリケーションのバージョン番号はすべて22.0に統一されました。バージョン番号の統一は、アップデートやコラボレーションを容易します。メジャーリリースバージョンでは、Adobe After Effects、Adobe Audition、Adobe Character Animator、Adobe Media Encoder、Adobe Premiere Proのすべての22.xリリース間で、前方および後方互換性と相互運用性があります。
最新のリリースへのアップデートをお勧めします。そして可能であれば、パブリックベータ版を入手してここでご紹介した新機能をいち早く試し、ご感想をお聞かせください。
この記事は2021年10月26日(米国時間)に公開されたCruise through your creative work: latest release of the Creative Cloud video appsの抄訳です。