Adobe Creative Cloudの最新アップデート:精度、スピード、シームレスなコラボレーション機能でクリエイターにパワーを
ここ数年、クリエイティブの世界が広がっています。クリエイティビティは、それを身につけプロとして人生の大半を捧げてきた人たちだけのものではありません。クリエイティビティは、誰にとっても不可欠なスキルになりつつあり、何百万人もの人々がクリエイティブの世界に飛び込み、共にプロジェクトに取り組んでいます。
本日、Adobe MAXで発表されたAdobe Creative Cloudの最新バージョンには、すべての人のクリエイティビティをサポートする革新的な機能が搭載されました。
- 精度とスーパーパワー: 究極のクリエイティブコントロールを可能にするリッチで奥深いツールを求めるユーザーのために、私たちの中核となるアプリケーションに新しい精度とスーパーパワーを追加しました。このイノベーションの多くは、アドビの人工知能AIエンジンであるAdobe Senseiを活用することで実現しました。また、急速に成長する3Dと没入型体験といった、新しいメディアでの制作を支援する、画期的なテクノロジーを発表しました。
- スピードと手軽さ: クリエイティブなプロジェクトをできるだけ早く、簡単に作りたい人のために、革新的なAdobe Expressを発表します。
- コラボレーションによるクリエイティブワーク: クリエイティブの制作は今やチームスポーツであり、すべてのクリエイター(そして彼らが生み出す作品を必要としている人たち)が協力しあわなければなりません。アドビはコラボレーションによるクリエイティブワークをシームレスかつ効率的に実現する新しいツールやサービスを開始しました。
それでは、それぞれのカテゴリーにおける具体的な製品のイノベーションを見ていきましょう。
精度とスーパーパワー
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アップデートされたAdobe Photoshopの「オブジェクト選択」ツールを使えば、複雑なオブジェクトや領域を選択できます。
Adobe Photoshop:デスクトップ版の「オブジェクト選択」ツールがアップデートされ、空、建物、水面、植物、道路など、複雑なオブジェクトや領域を認識して選択できるようになりました。この機能強化によって、時間の節約はもとより、選択範囲をより正確に認識することができ、髪の毛のディテールやエッジも保持できるようになりました。Web版のアップデートでは、写真からワンクリックで背景を除去する機能を含む、画像の編集・合成・レタッチのためのツールを拡充しました。
Adobe Lightroomでは、複数の人物を検知し、それぞれを簡単に選択できます(写真提供:Lisa Ngo)
Adobe Lightroom:マスク機能の「人物選択」、「オブジェクト選択」、「背景選択」オプションを使えば、画像の特定の部分をより簡単に編集することができます。人物を選択では、画像内のすべての人を選択することも、一人の人物だけに選択を絞ることもできます。より細かい部分を編集したければ、Adobe Lightroom で人物の髪の毛、目、唇、眉毛を自動的に選択することもできます。画像内に邪魔なオブジェクトがある場合は、「コンテンツに応じた削除」で素早く消せます。空白を埋めるために背景が生成されるので、そこに何かがあったとは誰も気づきません。
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テキストや他のイラストの中にイラストを入れ込むのも、Adobe Illustratorの「クロスと重なり (Intertwine)」なら簡単にできます。
Adobe Illustrator:新しい「クロスと重なり」機能を使えば、イラストやテキストの前後を思い通りコントロールでき、重なりや織り込むような目を引く表現を簡単に作成することができます。テキストはテキスト情報を持ったままの作業を継続できるので、フォントを変更したり、色を変えたりも行えます。 アップデートされたAdobe Illustratorでは、テキストの扱いが非常に簡単になりました。箇条書きや番号付きリストの設定にもう苦労する必要はありません。また、Adobe InDesignから Adobe Illustratorにテキストをコピー&ペーストできるようになりました。
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Adobe Premiere Proのオートカラーは、ワンクリックで映像の色補正を自動的に行います。
Adobe Premiere Pro:アドビのビデオチームは、この1年で数々の新機能とイノベーションを提供してきました。そのうちの1つが、映像の色補正がワンクリックでできる「オートカラー」機能です。もちろん、より精緻な補正のために、これまで通り細部をさらに手動で調整することも可能です。もう1つが、動画に使うには長すぎる音楽の尺をインテリジェントに調整し、必要なところでちょうど終わるようにする「リミックス」機能です。
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Adobe Photoshopの「写真を復元」ニューラルフィルターを使えば、古い写真もワンクリックでクリーンアップできます。
人工知能(AI):アドビは、AIエンジンAdobe Senseiの力を借りて、クリエイティブな作業をより速く、より簡単にし、新しいクリエイティビティを発揮できるようにしています。例えば、Adobe Photoshopの「ニューラルフィルター:写真を復元」(ベータ版を今夏リリース済み)は、これまで困難だった古い写真のシミ、破れ、色あせの修復がワンクリックで完了します。Adobe Lightroomのポートレート対応アダプティブプリセットは、AIの画像解析により、ポートレートを分析し、被写体を検知したり、ポートレートにスタイルを適用したり、歯を白く、目を強調、眉を濃くするなど、特定のパーツを強調することができます。さらに、新しく登場したGenerative AIテクノロジーをAdobe Creative Cloudに統合するための、革新的かつ責任ある方法も検討しています。
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Adobe Substance 3D Modelerは、VRヘッドセットとデスクトップを使用して、バーチャルな粘土を扱うようにモデルを造形することができます。
3D と没入型体験: 3Dデザインは、カタログやwebサイトに使う画像などのマーケティング用アセットの作成や新製品の設計をよりよく、より早く、より安価に制作する手法です。また、3D制作能力を身につければ、メタバースのような没入型体験の台頭にいちはやく備えることができます。Adobe Substance 3D Collectionには、アドビの新しい3Dモデリングツールの投入をはじめとして数多くの機能が強化が実施され、より迅速かつパワフルに3Dデザインが制作できるようになります。
- Adobe Substance 3D Modeler:すぐれた3Dプロジェクトはすぐれた3Dモデルの作成から始まります。Substance 3D Modelerを使えば、VR(仮想現実)ヘッドセット環境とデスクトップ環境を併用し、バーチャルな粘土を扱うようにモデルを造形できます。ヘッドセット環境では手で触れているような感覚で操作でき、デスクトップ環境に切り替えればディテールやニュアンスの追加も簡単です。
- Adobe Substance 3D Collection:M1チップのネイティブサポートにより、Substance 3Dアプリケーションが、最新のMacでさらに高速に動作するようになりました。また、Substance 3D Samplerの新機能「3D Capture」をはじめ、アプリケーションを横断して数々の革新的な機能が搭載されています。また、Substance 3D Stagerでは、3Dの世界で急速に重要な標準となりつつあるシーン記述フォーマットUniversal Scene Description(USD)で書き出しが可能になりました。
パフォーマンス: アドビは、ユーザーが創造するスピードでアプリを動作させたいと考え、 Adobe Creative Cloud全体のパフォーマンスと信頼性の向上に力を注いできました。具体的な改善点は以下のとおりです。
- リンクされたtiffやpngファイルがたくさんあるAdobe Illustratorのファイルをより速く開き、読み込むことができます。
- Adobe Lightroomでは、GPUアクセラレーションにより、1つの画像から別の画像への切り替えがより速くなり、書き出しもより速くなりました。
- Adobe After Effectsで作成されたモーショングラフィックスでは、マルチフレームレンダリングにより、より高速なパフォーマンスが得られるようになりました。
スピードと手軽さ
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Adobe Expressを使えば、誰でもすぐにポスターやチラシ、SNS投稿画像などを作ることができます。
Adobe Express:昨年12月にリリースしたweb&モバイルアプリ「Adobe Express」は、ポスター、チラシ、SNS投稿画像などを最速かつ簡単に作成できるアプリです。 Adobe Creative Cloudの契約者には、 Adobe Expressプレミアムプランが含まれているため、Adobe Stockのロイヤリティフリーの写真コレクションと2万種類のフォントを利用することができます。 Adobe Expressは、プロのクリエイターにとってもクリエイティブな作業を素早くおこなえる最も効率的なツールであり、技術に詳しくない同僚が創作に参加することを容易にします。承認済みのロゴ、色、フォントを使ったブランドキットを Adobe Expressのテンプレートとして作成・共有すれば、同僚が作るものはすべて、デザインガイドラインに適合するようになります。
コラボレーションによるクリエイティブワーク
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「レビュー用に共有」を使えば、アプリ内での作業を中断せずに、作品へのフィードバックを確認できます。
レビュー用に共有:レビュー用に共有(ベータ版)により、レビューのためだけにプロジェクトを別フォーマットに書き出して、メールやテキストあるいはSlackで同僚に送り、コラボレーションの相手ごとに異なるチャネルを経由して戻ってくるフィードバックを管理する必要がなくなります。青い「共有」ボタンをクリックするだけで、プロジェクトのオンラインバージョンをメールやURLで共有できます。レビューアーはAdobe Creative Cloudの利用契約がなくても、どんなブラウザでも開くことができるプロジェクト上にピン、矢印、丸などを追加してフィードバックの文脈を正確に伝えることができます。すべてのフィードバックは使用しているアプリケーション内に直接戻されるので、デザイナーはその場で迅速に対応したり、より詳しい情報を得るために返答することができます。レビュー用に共有機能は、まずAdobe Photoshop、Adobe Illustrator、Adobe InDesignで提供を開始し、間もなくAdobe Creative Cloud全体に導入される予定です。
Frame.io:動画に対するフィードバックを収集するための最先端のオンラインプラットフォームです。Frame.ioをAdobe Premiere ProとAdobe After Effectsに直接統合することにより、動画フレームを指定して付けられたコメントを、ツールを離れずにシームレスに取得できるようになりました。Frame.io のCamera to Cloud機能が撮影現場からポストプロダクションチームに映像を届ける最速の方法であり、REDおよび富士フイルムとの新しいパートナーシップによってさらに使いやすくなります。両社はこのテクノロジーを一部のカメラ製品に直接搭載する予定で、これにより、映像や写真が撮影された直後にクラウドに転送することが可能になります。
Figma:アドビは先日、高度なコラボレーションを実現するwebベースのプロダクト設計・開発プラットフォームであるFigmaを買収する意向を発表しました。詳しくはこちらをご覧ください。
ここまでAdobe Creative Cloudの最新バージョンについてご説明しましたが、この記事でご紹介できなかった新機能やイノベーションも数多く搭載されています。ぜひ、お気に入りのアプリケーションの最新版をダウンロードして使ってみてください。より効率的に、パワフルに、そして楽しく仕事が進むでしょう。
そして、10月20日まで開催するAdobe MAXにご参加いただければと思います。パンデミック以前の2019年と同様に、再びロサンゼルスの会場でイベントを実施します。もちろん、Adobe.com経由のオンライン参加も可能で、基調講演、アドビの研究開発部門がお送りするおなじみのSneaks、そして素晴らしいブレイクアウトセッション、アーティストトーク、チュートリアルの数々を視聴できます。
この記事は2022年10月18日(米国時間)に公開された Updated Creative Cloud helps you create with precision and speed and collaborate seamlessly の抄訳です。
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- https://blog.adobe.com/jp/publish/2022/10/18/cc-design-photoshop-releases-major-update-selections-hole-filling-adds-share-for-review-collaboration-much-more
- https://blog.adobe.com/jp/publish/2022/10/18/cc-taking-collaboration-to-next-level-with-new-creative-cloud-features
- https://blog.adobe.com/jp/publish/2022/10/18/cc-video-red-fujifilm-c2c