【海外事例】未来のデジタル社会で活躍する人材を育成するオースティンコミュニティカレッジ
オースティンコミュニティカレッジ(ACC)は11のキャンパスがあり、年間7万人以上の学生が学ぶ、全米最大規模のコミュニティカレッジシステムです。公立大学への編入実績がテキサス州トップであり、手頃な学費でスタートして4年制大学の学位取得を目指すこともできます。ACCはテクノロジーとアートが活発に連携していることで有名なオースティン地域にあり、学生がデジタル社会で活躍できる人材の育成を強化しています。また、ACCはアドビクリエイティブキャンパスでもあります。米国でこの認定を受けた初のコミュニティカレッジです。
オースティンコミュニティカレッジのアート&デジタルメディア学部長、Thomas Nevill氏は次のように語っています。「多くの企業が、Adobe Creative Cloudに精通したデジタルに強い人材を求めています。そこで、ACCは学生のアドバンテージとなるアドビクリエイティブキャンパスとなり、オンライン化が進む社会に対応するデジタルポートフォリオの構築を支援しています」
ACCの2025アカデミックマスタープランでは、デジタル活用能力が重要な課題であり、Adobe Creative Cloudが「Digital Literacy Equity and Inclusion for All」(DLEI)イニシアティブの中心的な役割を担っています。この計画の共同委員長であるNevill氏は、アート&デジタルメディアだけでなく、健康科学、教育、リベラルアーツなど、あらゆる分野でデジタルスキルを連携する必要性に注目しています。現在はAdobe Creative Cloudを職員には無料、学生には大幅な割引価格で提供していますが、将来的には、学生も職員同様にAdobe Creative Cloudを無料で利用できる環境を目指しています。ACCはAdobe XDなどのAdobe Creative Cloudツールを使って、コミュニティカレッジのカリキュラムにデジタル活用能力を組み込み、他ではデジタルスキルを学ぶ機会がほとんどない学生にも経験を積ませています。学生が自ら可能性を探求するように、Nevill氏は自ら模範を示すべきと考え、次のように語っています。
「アカデミックマスタープランの最終案を作成するにあたり、新しい挑戦をしようと考え、Adobe Premiere Rushの使い方を独学で学び、静止画、動画、ボイスオーバーを加えました」「私ができるなら誰にでもできることを示すために、一歩踏み出すことが重要でした」
デジタル活用能力の種を蒔くACC
ACCのアカデミックプログラム担当副学長であるDr. Gaye Lynn Scott氏はAdobe Creative Cloudの導入に意欲的です。リベラルアーツ、科学、工学、数学の各分野における編入プログラムなど、全学生の75%におよぶプログラムを監督しているため、デジタル活用能力はあらゆる点で重要だからです。
「あらゆる学生が平等に、学習と活躍の機会を与えられるべきです」とScott氏は語っています。「アドビクリエイティブキャンパスになることで、学生は卒業後の社会で役立つデジタルツールに触れることができます」
もちろん、ACCは教職員と学生をサポートするため正規の研修にも力を入れています。アドビのチュートリアルとLinkedIn Learningのチュートリアルを大いに活用する以外にも、専門家を常駐させて、取り組みを浸透させるクリエイティブな方法を進めています。
「Adobe Creative Cloudの習得を中心とした、1年間の教員向けフェローシッププログラムを展開しています。フェローは高度な研修を受けて、有給でコースを再設計します」とティーチング&ラーニングエクセレンス部門アカデミックテクノロジー担当ディレクターのMatthew Evins氏は語っています。「デジタルツールを授業に取り入れようと真剣に考える教員を支援し、何ができるかを示す最適な方法です」
Evins氏のチームは、授業でテクノロジーを活用するための教員向け研修をおこなうだけでなく、AV機器の設置やwebサイトのサポートもおこなっています。さらに、Adobe Premiere ProとAdobe After Effectsを使って、教材を補完するビデオを制作し、洗練されたプロ並みの作品に仕上げています。パンデミックの中、対面式の実習指導に代わる方法を模索する教授陣のために、ビデオ制作チームは何十本ものビデオを急いで制作しました。また、学生がオンラインコースをうまく活用できるように、アドビのツールやWi-Fi、ノートPC、タブレットやソフトウェアのサポートを提供するなど、学生へのサポートを手厚くしています。
大スタジオ:ACCハイランドキャンパスのビルディング2000には、複数のカメラを備えたラジオ、テレビ、映画スタジオが2つある。
コミュニケーションとデジタルスキルで就職活動に備える
コミュニケーション研究科長のTheresa Glenn氏など教職員の献身的努力もあって、デジタル活用能力は教養学部でも不可欠となっています。Glenn氏の使命は、学生が強力なデジタルスキル、オンラインポートフォリオ、モダンでハイテクに精通した内容の履歴書を持って就職活動に臨めるようにすることです。
学生たちはこの課題に取り組み、将来の雇用主が目を見張るようなwebページを制作しています。学生のAmurri Davis氏とTylerLanglais氏が制作したAdobe Expressページをご覧ください。
ペーパーレス化する大学生活
ACCは全学を挙げてデジタルリテラシーに取り組んでおり、授業外でも新しいツールやテクノロジーを活用しています。数年前にはAdobe Acrobat SignとAdobe Acrobatを導入して、ペーパーレス化と電子サインの活用による事務処理の効率化を図りました。現在、ACCは毎月数千件の電子文書をAcrobat Signで処理しており、処理件数はさらに増えています。
ACCのプロダクトオーナーであるJohn Wilsonmay氏は次のように語っています。「コミュニティカレッジとして本学が果たすべきことは、第一に学生に良い教育を提供することですから、文書の処理は効率的であればあるほど良いと考えます」「非常に効率的なAdobe Acrobat Signは、手頃な授業料を維持しつつ、学生が大学生活を送りやすく、楽しくするのに役立っています」
ACCでは教員の採用フォーム、教員の業績評価、留学申請書、編入学の方針を定める他大学との協定書など、多くの処理にAcrobat Signを使用しています。パンデミック中には、教員が学生に授業の規則とシラバスを確認させ、署名を受け取るためにAcrobat Signを使用しました。
Wilsonmay氏の試算によれば、デジタルワークフローと電子サインへの移行により、文書処理にかかる時間を2週間も短縮できたそうです。Adobe Acrobat Proを使用することで、管理者は明確で効果的なフォームを作成できます。例えば、必須フィールドを使用して情報の欠落を防ぎ、ポップアップボックスを使用して混乱を最小限に抑えることができます。また、紙文書を郵送したり、キャンパス内を持ち歩いたりする必要がなく、自動承認ルーティングやAcrobat Signに含まれる署名の監査証跡を活用することで、署名者が何人いても文書を滞りなく処理することができます。
ACCでは文書のストレージソリューションとしてBoxを使用しています。BoxはAcrobat Signと連携しているため、中央リポジトリに文書を保管したまま、署名用に簡単に文書を送信でき、締め切りを設定したりワークフローを追跡する機能も利用できます。このようにして、社会で活躍する人材育成するというACCの使命に全力で取り組める環境ができあがりました。
デジタル化の未来への道を切り拓く学生を支援
ACCで学ぶ学生は実に多様で、従来の枠に当てはまりません。高校卒業資格を取得する人や看護やコンピューターサイエンスの学位を取得する人、陶芸のクラスで人生を豊かにする人もいます。彼らに共通しているのは、各自が自ら成功への道を切り拓いていることです。ACCはデジタル活用能力の向上を目指すアドビクリエイティブキャンパスとして、学生の成功への道のりをサポートしています。
Nevill氏は次のように語っています。「どのような経歴であれ受け入れ、学べるのが本学です」「それがオースティンコミュニティカレッジで働く醍醐味のひとつです。学生が目標を達成できるように、ユニークでやりがいのある様々な道を用意しています」
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