「アドビ未来の働き手調査(Adobe Future Workforce Study )」の結果を公開
アドビは本日 「アドビ未来の働き手調査(Adobe Future Workforce Study)」 の結果を発表しました。
「アドビ未来の働き手調査(Adobe Future Workforce Study)」はパンデミック後の職場を変容させる世代であるZ世代のキャリアへのモチベーションと職場への期待に関する調査です。この調査は、アメリカの中規模から大規模の企業に勤務する1000人を超える初期キャリアにあるZ世代を対象としており、Z世代のキャリアに関する意思決定を促す視点や行動、および彼らが最高の仕事を行ううえで雇用主に望んでいることを理解するために行われました。今回の調査結果から、若手の社会人がどのようにキャリアに取り組んでいるのか、新しいテクノロジー、キャリア開発、企業の価値観や社会的責任についてのどのように考えているのかが明らかになりました。
「新しく社会に参入するZ世代が、従来の働き方に変化をもたらしています。彼らは生成AIのような新しいテクノロジーに高い関心を持ち、キャリア成長の機会が得られる多様でインクルーシブな職場を求めています。また、個人と企業の価値観の整合性や、企業の社会的責任における取り組みを中心とした透明性を重視しています。優秀なZ世代の人材を採用し、維持したいのであれば、企業は彼らの期待に応え、彼らのニーズに対して積極的に適応する必要があります。」- Cortney Erin (コートニー・エリン)アドビ グローバル人材採用部門バイスプレジデント
職場での生成AI使用について、Z世代は慎重なアプローチをとっている
「テクノロジーに強い」と思われがちなZ世代ですが、その多くは生成AIといった新しいテクノロジーに関して慎重なアプローチをとっています。
・職場で生成AIを使う準備ができているかについてのZ世代の意見は分かれており、雇用主が日常業務に新技術を導入する準備が「できている」と回答したのは48%。
・職場での生成AIの使用に関するガイドラインを「導入している」と回答したのは調査対象のうち35%にとどまったが、回答者の半数は、自らの仕事で生成AIを使用したことがあると答えています。
・ Z世代は生成AIの浸透は避けられないと考えていますが、職場での使用を歓迎する声はわずか23%にとどまりました。
Z世代は生成AIを脅威とは見ておらず、59%がテクノロジーは自分たちの仕事を奪うと「考えていない」と回答しています。
Z世代が望むのは有意義な仕事であり、声を上げることもためらわない
キャリア初期のビジネスパーソンたちは職場を変える中心人物になることを望んでおり、自分の意見を伝えることを恥ずかしがりません。
・回答者の大半(89%)が、同僚にフィードバックを提供することに抵抗がなく、Z世代が自らの視点を職場に伝えたいと望んでいます。
・彼らは役職に関係なく職場での機会について積極的に発言しようとしており、74%がマネージャーや上司に対し、アップワードフィードバックを行うこともためらわないと回答。
・70%が積極的に成長したいと考えており、職場での影響力を持つだけでなく、管理職になるまで出世したいと回答。
・69%が会社でのキャリアアップの機会に「満足している」と回答した一方で、50%が昇進への明確な道筋が示されないことを離職理由の上位に挙げています。
Z世代はメンターシップや育成に貪欲
新しくキャリアをスタートするのは簡単ではありません。Z世代は、メンターシップの機会やスキルアップの場を含む強力なサポートシステムが大きな効果をもたらすと考えています。
・職場でのメンターの存在がキャリアに必須であると回答したのは83%であり、Z世代はキャリアガイダンスが不可欠と考えていますが、実際に「メンターがいる」と回答したのはほぼ半数(52%)でした。
・キャリア育成がZ世代にとって最優先事項と見られるにも関わらず、調査対象の半分以上(55%)が、キャリア育成プログラムに「月に一度参加できるかどうか」と回答しています。十分な時間が取れないことが障壁になっていると述べています。
・どのようなトレーニングがあると良いかを尋ねたところ、48%が仕事に関連するハードスキルのトレーニングをもっと受けたいと回答したのに対し、ソフトスキルのトレーニングを希望する回答者は33%でした。
・約4分の1(28%)が、自身のスキルが現在の役割で最大限活用されていないと回答しています。
Z世代が最も求めているのは、価値を重視した従業員エクスペリエンス
キャリア初期のビジネスパーソンは、ありのままの自分でいられるような職場環境を求めています。今回の調査対象者は、ワークライフバランス、同僚とのつながり、公平な待遇を企業文化の最も重要な側面として挙げています。
・Z世代はインクルーシブな職場環境を重要視しています。退職理由の1位が「上司や同僚とうまくいかない(52%)」であり、僅差で「給料が低い(48%)」がランクインしています。
・80%が職場において、同世代の同僚のネットワークから強力なサポートを受けていると回答しており、大多数が、「仕事の満足度(87%)」や、「報酬(77%)」など、従来は話しづらいとされていたこともオープンに話せると感じています。
・現在、調査対象者の63%がフルタイムでオフィスで業務していることから、オフィスでの体験が重要だと回答した割合が81%であることも納得できます。
・Z世代は、企業の価値観が職場でのエクスペリエンスを形作ると考えています。ほとんどの調査対象者(96%)が、自分の会社の価値観をよく理解していると答えており、78%が会社の価値観と自信の価値観を合わせる重要性を強調しています。
・キャリア初期のビジネスパーソンにとって、企業の社会的責任は重要です。半数以上の回答者(56%)が社会的な責任について積極的に発言する会社で働きたいと考えています。
・注目すべきは、大半のZ世代従業員(84%)は、現在の雇用主が企業市民としての基準を満たしていると思っている点です。
Adobe Future Workforce Study(アドビ未来の働き手調査)調査手法
アドビはAdvanisと共に1011人を対象とした調査を行いました。米国の中規模から大規模の企業(従業員数750人以上)にフルタイムで勤務しているZ世代(1997年から2012年生まれ)が対象者であり、勤務期間は3年未満です。データはオンラインのサンプルパネルから2023年9月上旬に収集されました。
このブログは、2023/9/27(米国時間)にポストされたAdobe Future Workforce Study: What U.S. employers need to know about Gen Z in the workplace の抄訳です。