続報❹|Illustratorの文字組みが進化|事前準備を効率化するファイル再保存プラグイン(ダウンロードあり)
アドビでは現在、Adobe Illustratorをはじめとしたデザインアプリケーションの文字組み品質向上のために、テキストエンジンの刷新に取り組んでおり、Adobe Blogでも数回にわたり情報をお伝えしてきました。
- 予告|Illustratorの文字組み機能・テキストエンジンが進化|いまから備えよう!Illustrator 2023(27.7)以降で再保存のお願い
- 続報|Illustratorの文字組み機能・テキストエンジンが進化|事前準備とプレリリース参加のお願い
- 続報❷|Illustratorパブリックベータ版で文字組みが進化!|バージョンアップに伴う文字位置の確認に対応する新機能も登場
- 続報❸|Illustratorパブリックベータ版で文字組みが進化!|新搭載「文字組み更新」パネルの使いかた(サンプルデータあり)
今回の記事では新しいバージョンに向けた事前準備を効率化する、Illustratorプラグインをご案内いたします。このプラグインを使い、これまで作成したaiファイルの文字情報を記録しておくことで、進化したテキストエンジンでも安心して過去のデータをご利用いただけるようになります。
[記事の構成]
- 動画|文字組み保存プラグインのご案内
- プラグインをインストールするには
- 個別処理:開いたファイルを再保存する
- 一括処理:フォルダ内のaiファイルを一括再保存する
- プラグインダウンロードのご案内
「文字組み保存プラグイン」をインストールする
現在、パブリックベータ版Illustratorでご利用いただける「文字組み更新」パネルは、強化されたテキストエンジンによって文字組みがどのように変わるのかをプレビューすることができる機能です。
この「文字組み更新」パネルを使って文字組みの変更点を確認するには、開くaiファイルがこの機能に対応している必要があります。
対応ファイルの条件は 「aiファイルがIllustrator 2023・27.7以降、またはIllustrator 2024・28.0以降のバージョンで保存されていること」 です。それ以前のIllustratorで保存されたファイルの場合、この「文字組み保存プラグイン」を使用して、ファイルを再保存する必要があります。
プラグインを利用するには、まず、本記事の後半に記載されたURLからプラグインをダウンロードします。ZIPファイルには以下のファイルが含まれています
- Windows向けプラグインファイル
- macOS向けプラグインファイル
- Readme PDF
OS環境と使用するバージョンによって、インストール場所が異なりますので、プラグインとともにダウンロードされるReadme PDFを参照して、Illustrator 2023(27.7以降)または2024にプラグインをインストールしましょう。
個別処理:開いたファイルを再保存する
実際に「文字組み保存プラグイン」を使ってみましょう。
ここではWindows11上で動作するIllustrator 2024を例に解説します。
プラグインはファイルメニューに追加されます
[再保存の手順]
- 対象のaiファイルをIllustratorで開く
- 「ファイル」メニューに追加される「文字位置情報を保存」にある「別名で保存」を選ぶ
- 確認のダイアログで「OK」を押す
保存に成功すると「別名で保存が終了しました」というメッセージが表示され、名前に [CP_更新済み] が追加されたファイルが作られます。
「別名で保存」を実行すると表示されるダイアログ
元データ(上)と[CP_更新済み]が追加されたファイル(下)
[作業上の注意]
ドキュメントに必要なフォントがインストールされていない場合、ファイルは保存されません。かならず不足フォントがない状態で実行してください。
一括処理:フォルダ内のaiファイルを一括再保存する
「文字組み保存プラグイン」を使うと、複数のaiファイルに対して、まとめて再保存処理を行なうことができます。
[一括処理の手順]
- 「ファイル」メニューの「文字位置情報を保存」にある「一括更新」または「一括更新(サブフォルダを含む)」を選ぶ
- 処理するフォルダを指定する
「一括更新」を選ぶと指定のフォルダのみが対象となり、「一括更新(サブフォルダを含む)」を選ぶと、指定フォルダ以下の階層も対象に含めることができます。
フォルダ指定後に表示されるダイアログ(上)と処理後に表示されるダイアログ(下2点)
一括更新中のaiファイルにリンクファイルの不足がある場合や、インストールされていないフォントが使われている場合、以下のような確認ダイアログが表示されます。不足に対処できた場合にはファイルは再保存されますが、解決できない場合には再保存はされず、次のファイルに処理が移行します。
リンクファイルやフォントが不足している際に表示されるダイアログ
処理に成功したファイルは、名前に[CP_更新済み]が追加され、同じ場所に保存されます。一連の「一括更新」の作業記録は、自動生成されるログファイル(SaveTextLayout.txt)から確認することができます。
「一括更新」後のファイルは名前に[CP_更新済み]が追加され、処理内容を記述したログファイルが生成されます
処理結果を記録したログファイル。サブフォルダを含めて一括更新した場合、指定フォルダ以下の階層のファイルは、フォルダパスを含めて記述されます
「一括更新」で対象となるファイルは、処理が必要なファイルに限られます。すでに更新処理が行なわれているファイルや、すべてのテキストがアウトライン化されている場合、テキストデータを含まない場合、ファイルは更新されません。
[作業上の注意]
Illustrator 10以前のファイルや、CS〜CS3でトリムエリアを使用しているファイルは、「一括保存」で処理することはできません。Illustrator 2023または2024でファイルを開き、「文字組み保存プラグイン」を使って「別名で保存」を行なってください。
Illustratorのテキストエンジンが進化することにともなう文字組みの変更に備え、あらためて、このプラグインを使用したお手持ちのIllustratorファイル(.ai)の再保存をお願いいたします。
プラグインのダウンロードはこちらから。
Illustratorをもう一度お試しになりたい方や初めてご利用される方は、以下のボタンからお入りください。