【ウェビナー開催決定】日本語版がローンチされたAcrobat Studioの価値とは?

アドビは2025年12月10日(日本時間)、Adobe Acrobat Studioの日本語版を公開したことを発表しました。概要はこちらのプレスリリースを御覧ください。

世の中では多くのAI技術を用いたソリューションがすでに利用されていますが、改めて今回発表したAcrobat Studioとはどういう位置づけのものなのかを、このブログでも簡単に説明します。

詳しい内容は2/5日実施のウェビナーにぜひご参加ください。

日本市場における生産性向上ツールへの期待

日本における文書業務の割合は各国比較でみても比較的多いように見受けられます。2025年のアドビの調査では、ビジネスパーソン全体の58.5%がAIによる過去資料の活用効率化に期待している一方で、全体の約3割がAI導入における主な課題として「情報漏洩(30.8%)」、「ハルシネーション(AIが事実に基づかない情報を生成する現象)など情報の正確性(29.2%)」と回答しています。

また、社員が情報検索や再作成、再共有のために毎週費やしている平均時間は8.2時間、「毎日の業務に追われ、その日に処理すべき業務以外のことを考える時間がない」と回答した社員の割合は 58% に上るという調査結果もあります。

こういった調査から、日本語に対応したAcrobat Studioが日本の文書業務の安全な効率化に寄与できる点は大きいと考えています。

では、Acrobat Studioはどのような価値を企業にもたらすのでしょうか?

新発表されたAcrobat Studioの価値とは

Acrobat Studioが企業にもたらす最大の価値は、「煩雑な業務や不要な定型業務の手間を根本から減らし、意思決定やコミュニケーションといった“より人にしかできない仕事”に使える時間を増やすこと」です。

これまで情報を探し、読み込み、まとめ、資料に落とし込むまでに多くの時間が必要でしたが、Acrobat StudioではこれらをAIが補助することで、社員が本来注力すべき業務――意思決定・顧客対応・企画業務など――に集中できるようになります。仕組みそのものを効率化することで、生産性そのものを底上げできる点が最も大きな価値です。

この価値を支える3つの機能が、PDF スペースという新しいコラボレーション機能を含めた「AI アシスタント」、ビジュアルなドキュメントをクリエイターではなくても簡単にコンテンツ制作ができる「Adobe Express」、PDFの編集やスキャン・OCR、電子契約、墨消しといったコア機能である「Acrobat Pro]です。

これらの機能が一つのツール、Acrobat Studioに統合されたにより、仕事がより速く、スマートにこなせます。例えば、営業は顧客の課題をすぐにキャッチして提案資料を素早く作成することができ、財務は膨大なデータから要点をまとめ、法務は規制改訂の差分を即確認することができます。マーケティングは市場分析のインサイトをそのままチラシに反映できるなど、部門横断で実務負荷を軽減できるのです。

詳しい内容は2/5日実施のウェビナーにぜひご参加ください。

なお、企業利用において重要なのが情報漏洩などのセキュリティリスクと透明性です。Acrobat Studioは、暗号化やサンドボックスによる文書保護、コンプライアンス対応設計、そしてAIが扱うデータをユーザー指定文書に限定することで、こうした懸念を根本から解消します。さらに、参照元リンク付き回答により透明性を担保し、アドビは顧客データをAI学習に使用しないポリシーを徹底しています。AI活用の不安を最小化し、安心して業務効率化を推進できます。

業務負荷の大きい文書処理領域にAIを安全に導入し、生産性を継続的に高める基盤として機能するのがAcrobat Studioです。様々なシーンでお使い頂けるAcrobat Studioですが、ここでは、3つのユースケースをピックアップします。

3つのユースケース

ユースケース1:営業部門

導入効果:顧客理解から提案資料作成までの準備時間を削減し、商談数を増加

営業担当者にとって、顧客への最適な提案を行うためには、事前準備の質と量が勝負になります。顧客企業の情報収集、提案商材の深掘り、課題整理、そして提案資料づくり――そのすべてが時間を要するプロセスであり、同時に抜け漏れが許されない重要な工程です。

Acrobat Studioを活用することで、これらの一連の作業をひとつのワークスペースで完結させることが可能になります。

■営業部門におけるAcrobat Studioの活用方法

  1. 情報収集をPDF スペースに一元化

顧客企業のホームページに掲載されている会社情報、製品・サービスに関する社内資料、自社商材の仕様書、さらには過去の商談メモや議事録など、提案に必要な資料をすべて1つのPDF スペースに格納します。

  1. AIチャットへの質問で要点を高速抽出

取り込んだ複数文書を横断して、AIチャットボックスに「顧客の想定課題は?」「提案商材が解決できるポイントはどこか?」といった観点で質問すると、参照元とともにAIが正確かつ要点を整理して回答します。また中期計画の特定項目や指定の年のIR情報など、細かい指示に対する正確なアウトプットを引き出す事に長けているAIアシスタントを活用する事で、参考資料外のノイズに影響されず求める回答にいち早くたどり着く事ができます。AIとの壁打ちを通して、論点の抜け漏れを防ぎながら提案軸を明確化できます。

  1. AIが提案内容をアウトライン化

導き出された顧客課題・改善の道筋・必要な投資・提案する商材が最適な理由などを、AIが「提案アウトライン」としてまとめてくれます。

  1. Adobe Express連携で資料の土台を自動生成

アウトラインをプレゼンテーション作成プロンプトに入力すると、AIが指定テンプレートに沿って資料の構成と骨子を自動生成。営業担当者はその土台をベースに最終調整するだけで完成度の高い提案資料が作成できます。

→つまり、営業部門では、情報収集から提案資料の準備までのプロセスを圧倒的に短縮し、営業本来の“戦略的な提案活動”に時間を集中させられるようになります。

ユースケース2:法務部門

導入効果:膨大な契約書・規約の精査スピード向上とヒューマンエラーリスク低減を両立

契約書の審査、社内ガイドラインとの照合、規約改定のチェック――法務部やコンプライアンス部門では、膨大な文書の理解と正確な判定が求められます。しかし、多数の文書を読み比べて差分を確認する作業は非常に負荷が高く、専門性を要する領域です。

Acrobat StudioのPDF スペースとAI アシスタントは、法務業務における「情報の整理・理解」を劇的に効率化します。

■ 法務部門におけるAcrobat Studioの活用方法

  1. 契約書やガイドラインをまとめてPDF スペースに集約
    • 取引先との契約書
    • 自社の法務ガイドライン
    • 規約の改訂版
    • 比較が必要な複数バージョンの文書

などをすべて一元管理します。

  1. AIに改定箇所や差分を質問

「今回の改定で変更された箇所は?」「ガイドラインの◯◯条に抵触する可能性がある部分は?」と質問すると、AIが参照元文書を明示しながら回答。改定の要点を素早く把握できます。

  1. ガイドライン準拠のチェックをAIが補助

契約書が自社ルールのどの項目を満たしているか、あるいは足りていないかをAIが分析し、確認ポイントを絞り込んでくれます。

  1. 最終判断は人が“指差し確認”で担保

AI アシスタントが提示した参照元や差分をもとに、人が最終判断。これにより、スピードと正確性の両立が可能になります。

→つまり、法務部門では、文書理解や差分特定の負荷をAIが担い、人は最終判断に集中することで、法務部門の生産性と品質が大幅に向上します。

詳しい内容は2/5日実施のウェビナーにぜひご参加ください。

ユースケース3:サポート部門

導入効果:AIを活用した“セルフサービス型ナレッジ”で一次解決率を向上し対応品質の改善と対応コストを削減

サポート部門には、社内外から幅広い問い合わせが寄せられます。製品のアップデート情報、契約・購買ルール、過去のQ&Aなど、同じような質問が繰り返し発生し、限られたリソースの中で最新情報を正確に把握し続けることは大きな課題です。

Acrobat StudioのPDF スペースとAI アシスタントを使えば、サポート業務の“情報ハブ”を構築し、問い合わせ対応体制の生産性と品質を向上できます。

■ サポート部門におけるAcrobat Studioの活用方法

  1. すべてのナレッジを1つのPDF スペースに集約

など、サポートに必要な資料をすべて取り込みます。

  1. AIエージェントを“サポート専門家”としてチューニング

スペース内の資料を学習したAIチャットに質問すると、該当資料の参照リンク付きで回答。担当者全員が同じ情報を即座に取得できる状態になります。

  1. セルフサービス型Q&Aとして社内外に公開

に設置するだけで、誰でも自己解決できるQ&A基盤が完成します。

  1. 常に最新の情報にアップデート

製品やプログラムに変更があった際は、PDF スペースの文書を差し替えるだけで自動的に最新情報が反映されます。

→つまり、サポート部門では、問い合わせの一次解決率が向上し、専門性が必要な問い合わせにサポートリソースを集中できるようになります。

Acrobat Studioは「企業の知識と判断を支えるプラットフォーム」

3つのユースケースに共通しているのは、「PDFという枠をこえて、企業の知識と判断を支えるプラットフォームとして機能する」という点です。

PDF スペースによる情報の一元化、AI アシスタントによる分析と要約、Adobe Expressとの連携によるアウトプット支援。これらが組み合わさることで、Acrobat Studioは文書業務における生産性・スピード・正確性を次のステージへと引き上げます。

このようにPDFの概念をこえ文書業務のプラットフォームとして、部門横断での生産性向上を可能にするAIドリブンのソリューション、それがAcrobat Studioです。AI導入時に懸念されるセキュリティや透明性などのリスクを最小限に抑え企業内利用を前提に設計されたAcrobat Studioが企業の業務改革に貢献します。

詳しい内容は2/5日実施のウェビナーにぜひご参加ください。

まとめ

アドビの生成AIは、AI活用において懸念されるセキュリティやデータガバナンスへの対策を重視し、安全かつ信頼性の高い環境を提供しています。セミナー内では、Acrobatの生成AIならではのセキュリティ対策やデータ保護の仕組みについて解説するとともに、実際の業務でどのようにAcrobat Studioを活用し、業務効率を向上させることができるのか、具体的なユースケースを交えながらデモも含めご紹介します。

詳しい内容は2/5日実施のウェビナーにぜひご参加ください。

本セミナーは個人の方でもビジネスユーザーの方でも広くご参加いただけます。ご興味のある方は是非ご参加ください。(参加費無料、誰でもご参加いただけます)