『⼈⽣を狂わす名著 50』を⼤学在学中の 23 歳で上梓して若⼿⽂芸評論家としてデビュー、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』『「好き」を⾔語化する技術』などにより、幅広い読者から⽀持を集める三宅⾹帆さん。今、書店に⾏くと三宅さんの著書はもちろん、あらゆる書棚に「三宅⾹帆推薦!」という POP があふれています。そんな三宅さんの⽂芸評論家というお仕事には PDF とAdobe Acrobat が⽋かせないといいます。三宅さんが、お仕事で Adobe Acrobat をどう活⽤されているかを聞くとともに、最新の Acrobat AI アシスタントを体験いただきました。
⽂芸評論家として、引⽤するかもしれない⽂章は⾃分のメモに管理
『⽂芸評論家』という仕事は、多くの本を読んで、必要に応じてその本の⼀節を正確に引⽤する必要があります。もちろん、最近読んだ本、とても印象的な本ならその限りではないかもしれませんが、「あのひと⾔を引⽤したい」と思った時に、膨⼤な蔵書の中からそれを探すのは容易なことではありません。三宅さんは、どのようなワークフローで、そのお仕事をされているのでしょうか?
「本を読んだ時点で、『将来引⽤するかもしれない』と思った部分を電⼦書籍や PDF の論⽂などならスクリーンショットに撮り、紙の本なら写真に撮ります。そして、そこからテキストを選択して、⾃分の蔵書メモに貼り込みます」と、三宅さん。
最近は画像からでも OS が⽂字認識するので、スマホに表⽰された⽂字を指でなぞるとテキストデータとして選択できます。選択した⽂字は Dynalist というアウトラインアプリ に、書籍タイトルごとに整理して貼り込んでいくのだそうです。読書しながら引⽤するテキストを整理していくのは⼤変な作業ではないのでしょうか?
「⾯⽩かった本、将来引⽤しそうな⽂章だけなので、そんなに⼤変じゃありません。むしろ『引⽤したいぐらい⾯⽩い本に出会えてハッピー!』という感じです」と教えてくださいました。
三宅さんは⽉にだいたい 20 冊ほども本を読むそうで、引⽤したい部分が出てくる本は多くて 3 冊ぐらいとのこと。読む本は仕事基準で『読まなければならない』というよりは、「⾃分が読みたい、興味のある本を読んでいます」とのことです。その興味が、そのまま連載や仕事に繋がっていくのだそうです。
「私は本を執筆するときに論⽂を読むことが多いので、そういうときはだいたい PDF にして、Adobe Acrobat で開いて Apple Pencil で線を引きながら読んだり、メモを取りながら読んだりします。そのときのメモが残っていると、後から論⽂を⾒返したときに、⾃分でまとめた要約や線を引いたところだけを読み返せばいいので、とても便利です」
著者としての校正は、Adobe Acrobat で
三宅さんが、もうひとつ PDF を活⽤する場⾯があります。それが『著者校正』です。
著者校正とは、書きあげた原稿に⾚字で修正を⼊れる作業です。本のレイアウトに流し込んだ時に、1 ⽂字だけ次の⾏やページにはみ出てしまって読みにくいとか、再読すると読みにくく感じた部分を整理するなど、⽂章を練り込んでいく作業でもあります。昔は紙の校正刷り(ゲラ) でやっていた作業ですが、現在は PDF を使うことが多いようです。
「今でも紙に⾚字を⼊れる⽅がやりやすいという⼈もいますが、私は iPad のAdobe Acrobat でPDF を開いて、Apple Pencil で⾚字を⼊れています。もちろん、⾚字がなかったらいいんですけど、⼈は不思議なもので、やっぱり Word で書いていた時の原稿じゃなくて、デザインされた状態になると直したくなるんです。『こっちの⾔い回しの⽅が分かりやすいかな』とか、『縦書きになってみるとこの表現は読みにくいな』とか、デザインされてみると少し客観的になるからか、⾚字を⼊れたくなるんです」と三宅さん。
PDF とAdobe Acrobat なら、書籍 1 冊丸ごとの PDF でも持ち歩けます。拡⼤・縮⼩も⾃由ですし、⼊れた⾚字の修正も容易です。⾚字は狭いスペースに多くの追記を⼊れることもありますから、拡⼤して⽂字を書ける PDF は便利なのです。また、⾚ペンで紙に書いていると、間違えて修正すると⾮常に⾒づらくなりがちです。でも、PDF ならいったん⼊れた⾚字を消して書き直せますから、読み取る側である DTP オペレーターに正確に伝わります。
Adobe Scan なら、⽂章の正確な引⽤も簡単
ここで、Adobe Acrobat の新機能を三宅さんに⾒ていただきました。まずは、iPhone で使える Adobe Scan。
先に三宅さんのおっしゃっていた、書評引⽤のためにテキストを引き出すのにピッタリの機能です。
まず、本のページを Adobe Scan で撮影します。複数ページを連続して撮影することもできます。作業はこれだけ。
環境にもよりますが数⼗秒すると、同じ Adobe ID でログインしている iPad や、パソコンのAdobe Acrobat に、撮影した本のページが同期されます。この状態で、すでに OCR で⽂字が解析され、テキストが埋め込まれた PDF になっています。だから、すぐにテキストを取り出せます。曲がりや傾きは補正されますし、ページを押さえていた指を消すこともできます。
「これは便利ですね! いつもスマホで撮影するので、この⽅法はピッタリです。作業がめっちゃ楽になるなって感動しました。確かに今すぐ使いたいです。すごい。この同期の速さに感動です」と三宅さん。
さらに、Acrobatの AI アシスタントの機能を使うと、取り込んだ PDF や、Word 書類、テキスト、Web リンクなどを AI が参照する資料として扱うことができます。たとえば、英語の論⽂を取り込んで「この論⽂は A という事象について、どう語っている?」と質問することも可能です。要約したり、⼀部を抽出したりするのも簡単。また、回答には参照元となった箇所が⽰されるため、ユーザー⾃⾝が元資料にあたって内容を確認しやすいのも特徴です。
「確かに、これは便利ですね。⾃分⽤のデータを持った AI を作れるってことですね。私も全然英語得意じゃないので、英語の⽂献とか、あるいは論⽂とかをパッと読み込んでくれるのはいいなって思います。どこからか分からない情報じゃなくて、参照元が分かるっていうのが私たちにとっては重要なので、とても安⼼感があります」
また、論⽂をたくさん読まなければならない時にも便利そうだとのこと。
「実際に⾃分が論⽂を読む前の⼿助けもしてくれるな、と。たとえば、気になる論⽂が複数あるとして、全部を読むのは時間的に難しいとしても、要約があればどれを⾃分が精読するべきか判断できます。結構⼿がかりが得やすくなると思います」
『⽂章を書く』以外の仕事を AcrobatのAI アシスタントがサポートできます!
もうひとつお勧めしたい使い⽅がありました。
三宅さんとお話ししていると、本を読んだり、⽂章を書いたりという作業は⼤好きなのでまったく苦ではないが、メールやメッセージのやりとり、契約などの書類仕事、経費の精算などに時間を使いたくないということが感じられます。
「これらの事務処理はAI がやってくれても良さそうなのに、まだ任せられないなと思って。メールはすごく苦⼿なんです。嫌いというわけじゃないけど、シンプルに本を読みたいのにメールの管理に時間を取られるのがイヤだなぁと思って」と三宅さんは⾔います。
メールは別の AI サービスを使っていただくしかありませんが、領収書は PDF で取り込むと整理できます。また、契約書の精査などは Acrobat AI アシスタントの得意分野です。
たとえば、複数の資料をAI分析できるPDFスぺースに、前年と今年の契約書の両⽅を取り込んで、「何が変わった?」とチェックさせることもできますし、「契約書に不利な条件や、確認が必要なポイントはある?」などと、重点的に確認すべき部分を絞らせるというような使い⽅も可能です。
「素晴らしい。クリエイターの⽅や、個⼈事業主として原稿を書いている⽅で、契約書を読むのが苦⼿っていう⼈はすごく多いですし、私もそうなので。ここを AI に助けてもらえるのは嬉しいですね」
最後に、Acrobat AI アシスタントの機能で、テキストからプレゼンスライドを⽣成する機能も⾒ていただきました。
講演のお仕事が多い三宅さんですが、その際にスライドを作るのはけっこう⼿間がかかるそうです。
「私は、⽂章を書くのは苦じゃないんですが、写真やイラストを探したりして、⾒栄えのいいスライドを作るっていうのはけっこう時間を使ってしまうんですよね。講演の⾻⼦のテキストからスライドを⽣成してくれるのはとても助かります」
写真やイラストは、Adobe Stock から持ってきたり、アドビのクリエイティブAI である Adobe Firefly が⽣成したりするので、講演に使っても権利的にも安⼼です。
クリエイティブをサポートするアドビのAI
アドビの AI は、⼈のクリエイティブをサポートするために作られています。
「原稿を書く作業も『AI で代替できる部分はないかな?』といろいろ試してみたんですけど、私はあまり上⼿くいかなくて。⾃分が書きたいこと、伝えたいことを、⾃分の書きたい⽂体で伝えてくれるわけではないですから。でも、AI の書いた⽂章を『こうじゃないよな』って没にすることで、⽂章を書き始めるモチベーションが湧くことはあります」と三宅さん。
クリエイティブな作業はやはり⼈の領域。ただ、クリエイティブにフォーカスしてもらうためにアドビのツールがご狭路よくできそうなことは、これからも増えてききそうです。
「『私が今しか書けないものって何なんだろう?』っていうのはけっこう気にしたりします。同じ時代を⽣きている⽅に伝えられる、今書くべき⽂章というのは意識しています」と三宅さん。
進化を続けるアドビのAI技術を活用して、三宅さんにはクリエイティブにフォーカスしていただきたいです。あなたのお仕事では、アドビのAIを活用できるでしょうか?
★三宅⾹帆
⽂芸評論家
1994 年徳島県⽣まれ。⾼知県⾼知市で育つ。⼦どもの頃から本好き。京都⼤学⽂学部 卒。京都⼤学⼤学院 ⼈間・環境学研究科博⼠前期課程を修了。株式会社リクルートで Web マーケティングに従事し、2022 年独⽴。⽂芸評論家としては、在学中に『⼈⽣を狂わす名著 50』でデビュー。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)、『「好き」を⾔語化する技術』(ディスカヴァー携書)、『推したちとどう⽣きるか』(新潮新書)、『「夫婦」不在社会』(講談社)ほか、多数の著書を持つ。note や、SNS、YouTubeなどで情報を発信している他、テレビ、ラジオなどへの出演も多数。