Illustrator|文字組み機能強化のポイント
セッションの前半では、Illustrator 2025で強化された、多くの文字組み機能のうち、代表的なものが紹介されました。
1・エリア内文字のはみだし解消
エリア内文字として配置されたテキストの行末が、テキストエリアからはみだすことがありましたが、Illustrator 2025ではテキストエリア内に収まるように改善されました。
これはおもに、テキストのカーニング値を「メトリクス」または「オプティカル」にした際、行末と次行の行頭の間にペアカーニングがかかるときに発生する問題でした。
横組み中の文字に「文字回転」を適用した際、文字が中心からずれるケースがありましたが、Illustrator 2025では中心を基準に回転するように改善されました。
横組みのテキストに対して、「エリア内文字オプション」で上下方向に揃えを指定した際に文字が下にずれて配置され、「下揃え」「(上下)均等揃え」ではテキストエリアからはみ出すことがありましたが、Illustrator 2025では改善されています。
水平比率・垂直比率を変更した縦組み中の文字に対して「アキを挿入」を設定した際、文字の水平比率を基準にアキが挿入されていましたが、Illustrator 2025では垂直比率を基準にアキが挿入されるように改善されています。
Illustrator 2024までは、字形パネルのパネルメニューで「標準字形に戻す」を適用すると、「等幅全角字形」に置き換えられていました。Illustrator 2025では字形パネルのパネルメニューに「等幅全角字形」が追加され、「標準字形に戻す」を適用した際に入力時の文字に戻るように改善されています。
これまでのIllustratorでは、「分離禁止文字」に指定された文字であっても、調整の過程でアキが入ることがありましたが、Illustrator 2025ではアキは挿入されないように改善されています。
また、縦組みの際、約物の位置が左右センターからずれて配置される問題も解決しています。
鋭意開発中!現代のデザインにフィットする文字組み設定
セッションの後半では、現在、開発中の「文字組みアキ量設定」について、解説が行なわれました。「文字組みアキ量設定」は行中の文字同士の間隔(アキ)を調整するための機能で、美しい文字組みのためには欠かすことができない重要な機能のひとつです。
現在、Illustratorには5つの文字組みアキ量設定がプリセットされています。
- 行末約物半角(デフォルト)
- 行末約物全角
- 約物半角
- 約物全角
- 行末約物全角/半角(29.1以降に搭載)
基本とされていた1〜4の設定は、いずれも日本語のベタ組みを想定して作られた設定のため、英数字が頻出する現代の文章やツメ組みで組まれたテキスト、タイトル・見出しの文字処理に対して、必ずしも有効な設定とは言えませんでした。
アドビでは組版のプロフェッショナルである大石さんに協力を仰ぎ、現代のテキストとデザインに最適な組版体裁をスムーズに実現するための設定開発に取り組んでいます。
ここでは、デフォルト設定の組版結果と現在開発中の文字組み設定を比較し、どのような効果が得られるのかを紹介します。
・ツメ組み向け文字組みアキ量設定(開発中)
この「文字組みアキ量設定」のもっとも顕著な特徴は日本語と英字・数字のアキにあります。従来の設定(1〜4)と比較して、新しい文字組みアキ量設定では以下のような変更がなされています。
また、約物前後のアキが調整される際の順序(優先度)にも変更が加えられており、約物の意味的整合性が高められています。
これらの新しい文字組み設定は、2025年初夏のリリースを予定しています。提供方法や利用方法については、このAdobe Blogにてご案内いたしますので、続報をお待ちいただければと思います。
Illustratorの文字組み品質をさらに高める「文字組みアキ量設定」にどうぞご期待ください。